ホワイト・ジャズ (文春文庫 エ 4-6)

  • 文藝春秋
3.69
  • (29)
  • (36)
  • (50)
  • (1)
  • (5)
本棚登録 : 350
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (683ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167254391

作品紹介・あらすじ

異様きわまる侵入盗-切り裂かれた衣服、惨殺された番犬。被害者は警察と癒着した大物麻薬密売人。上層部の命で捜査にあたる悪徳警官クラインは、全てを操る巨大な陰謀に翻弄され、破滅してゆく。脈打つ暴力衝動、痙攣し暴走する妄執、絶望の淵で嗚咽する魂-ミステリ史に屹立する20世紀暗黒小説の金字塔。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ダドリー・スミスはDIOだ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!!!

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    異様きわまる侵入盗―切り裂かれた衣服、惨殺された番犬。被害者は警察と癒着した大物麻薬密売人。上層部の命で捜査にあたる悪徳警官クラインは、全てを操る巨大な陰謀に翻弄され、破滅してゆく。脈打つ暴力衝動、痙攣し暴走する妄執、絶望の淵で嗚咽する魂―ミステリ史に屹立する20世紀暗黒小説の金字塔

  • 凡作。

  • ブラックダリアから2冊目のエルロイ。この文体はエルロイフォロワーの冲方著「マルドゥック・ヴェロシティ」で体験済み。

    正直いってなかなか人名が覚えられない。馴染みの薄い外人の名前なのに愛称もあって誰がなにをしているのか分からない。読み終わった今なら大分分かるが…。

    物語に熱があると称される本作。エルロイの筆致は熱い。しかし女が出てきて女のために身を投じて犯行動機は女で…とセックスと暴力が混じり合ったものが人間の根底にあるとするエルロイの主張。ちょっと合わない。

    電報体の文体で情報量が多いのにページも多い。ちゃんと知るには再読が必須だと思うが重たくて気軽によめない。

    おもしろかったが、ドラッグみたいな本。内容をすっとばしてトリップした感覚だけが残る。それも自分の中の破滅的な感覚が呼び覚まされる薬。

  • まさに燦然と輝く金字塔。記号の多用で極限まで削られた文節はしかし、下手に饒舌な文章よりはるかに巨大なプレッシャーを持って読む者に迫る。落ちていく主人公の行動は妄念に溢れ、そこに論理的説得力は一切なく、記号の羅列から風景を読み取る行為と同様に彼の意味を推し量らせようとする。

  • 「暗黒のLA四部作」のラストを飾る犯罪小説。そして、多くのファンやフォロワーを生み出した電文体「――」「/」「=」で繋がれた短いセンテンスの文章が特徴。

    主人公デイヴィッド・クラインをはじめ、登場人物のほとんどは悪人だ。利害の一致による共闘と裏切り、ゆえに気の抜けない状況が最後まで続く。その緊迫した状況、陰惨な場面、暴力の描写に異常な熱をあたえるのが、エルロイの電文体だ。

    このドライブ感を味わうだけでも読む価値があると思う。

  • ノワールの金字塔。過激な暴力描写、北野武の映画の登場人物も裸足で逃げ出す極悪人の数々、主人公の思考をそのままテキストでなぞったような激しい文体などが本書の特徴だが、一方で独特のユーモア、叙情、1950年代の米国西海岸のノスタルジアがあり、これが本書を単なる犯罪小説に留めず著者のエルロイをして米文学において独特の位置を占めさせるに至っている。

    エルロイの「暗黒のロサンゼルス4部作」もいよいよ大詰めを迎え、ロサンゼルス市警の名物男にして腐敗警官を束ねるダドリー・リーアム・スミスとそれに立ち向かうエドマンド・エクスリーの暗闘も遂に頂点に達する。更に、ロサンゼルス市警を陥れ、カリフォルニア州司法長官選挙に向けた政治的得点を狙う連邦検事のウェルズ・ヌーナンが登場し、ダドリー・スミス、エクスリー、連邦の暴力に満ちた三つ巴の闘争が巻き起こる。主人公のデイヴィッド・クラインはこの三つ巴の暗闘にエクスリーの手先という形で巻き込まれ、才智と暴力を武器に、時に彼らを利用し時に彼らに利用され、丁々発止のやり取りを繰り広げながら生き残りを図る。

    エルロイによる他の作品と同様、大勢の人物が登場し彼らが複雑な人間模様を描く。麻薬密売の元締めであり長年にわたってロサンゼルス市警と癒着しているカフェスジアンの自宅への侵入盗を皮切りとして奇怪な事件が次々と巻き起こり、読者は主人公クラインと一緒にあたかも迷宮をさまようかのように個性的な登場人物たちと事件の間を右往左往することになる。さんざんに振り回された分、物語の終盤に全ての事件が一本の糸——ダドリー・スミスとエクスリーの暗闘という糸に収束したときのカタルシスは誠に筆舌に尽くし難いものがある。

    過激な暴力描写は冴えに冴えており、クラインはヌーナンの政治的得点を妨害するために彼の証人を窓から突き落として殺害してしまうわ、ヌーナンの政友を罠にはめて激しく殴打し出馬を撤回させるなどやりたい放題。特にブラス・ナックルをはめてヌーナンの政友をいたぶるシーンや、偽装誘拐を謀った男を拷問するシーンなどはぞくぞくしてしまう。

    一方、ユーモアもある。冒頭、ノミ屋の根城となっている居酒屋をガサ入れする場面では、クラインの相棒、ステモンズ・ジュニアが鳥打ち用の銃弾を使うところを誤って通常の散弾を使ってしまい、居酒屋の窓ガラスを粉々に砕いたばかりか中にいたメキシコ人の指を数本吹き飛ばす。居酒屋は大混乱。ここでジュニアは「弾を間違えた」。

    文句なしの星5つ。読書の原始的な喜びを思い出させてくれる傑作。最高です。

  • 散文形式の詩的な文体についてはシャープであるし、この暗黒小説には非常にマッチしていると思うが、自分には同時に内容が頭に入りにくいものであった。

  • 「暗黒のLA4部作」ラスト。最後を飾るのにふさわしい大作。前作「LAコンフィデンシャル」を受けて世界の裏側で戦う男たちの姿を描く。文章が独特で、読んでいると軽い酩酊感を感じる。それに慣れれば一気に最後まで読める。複雑に絡み合った世界を最後一気に集束する手腕に脱帽。

  • アメリカ、サンフランシスコなどを舞台とした作品です。

全22件中 1 - 10件を表示

ジェイムズ・エルロイの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
スティーヴン キ...
ジャック ケッチ...
ジム トンプスン
ジェフリー ディ...
ジェフリー ディ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×