楚漢名臣列伝 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2013年1月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167259297

みんなの感想まとめ

時代の変遷を背景に、楚漢戦争における名臣たちの活躍を描いた作品です。著者は、秦末期から漢初期にかけての歴史を通じて、国家の統一や統治体制の形成を鮮やかに描写しています。登場する人物たちは、項羽や劉邦の...

感想・レビュー・書評

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  • 宮城谷昌光氏の中国名臣列伝シリーズ3冊目、楚漢戦争編です。春秋、戦国と読み続けてきて、国家の統一、統治体制の強化など時代の流れを改めて感じます。時代は始皇帝没後の秦末期から、陳勝呉広の乱、項羽と劉邦の争い、漢帝国の成立、そして漢初期に活躍した人物です。当たり前ですが、この時代、項羽側か劉邦側に付いた武将や文官、特に中枢で活躍した人物ばかりなので、同じ歴史をそれぞれの視点で何度も繰り返し読むことになります。前2作と比べればちょっと物語に広がりがないのは仕方ないと思いつつ、物足りなさを感じてしまうのは贅沢かもしれません。いずれにしてもこの3作を連続で読めたのは非常に面白く、ますます興味を持つことができました。

  • 痺れた。

  • 中国ドラマの『項羽と劉邦 king's war』を見て、 もっと知りたいと思い、手に取った。 初宮城谷本。難読漢字はあるし史料っぽいし読みやすくはなかったけど、史料風小説だと思えば読めた。 ドラマ見た時は蕭何が良かったけど、 これを読んだら、夏侯嬰と田横と章邯のイメージがあがった。 夏侯嬰は呂太后の時代のことを考えると本当にグッジョブなことしてたなぁ。 読んでから気になるシーンはまたドラマ見返した。 もっと他のも読みたい。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    楚漢戦争時代の名臣は聞いたことがある名前の人物が大多数になった。蕭何、曹参、夏侯嬰あたりが面白かった。
    特に夏侯嬰の仁義を通す様子は読んでいて気持ちよかった。

  • 「項羽と劉邦」の脇役10人の話。
    「項羽と劉邦」は横山光輝の漫画でしか読んだことないけど、いつもとは違う視点からということもあっておもしろかった。

  • 宮城谷さんの楚漢軍記物は「長城のかげ」「香乱記」、以来ではないでしょうか。
    今回は10人の名臣が出てきます。

    楚漢戦争が8年という短さのせいか、どのエピソードも同じ時間・場面が語られて、読み進めると少し飽きるときもありますが、どの話も面白かったです。
    特に簫何の劉邦に対する見方は斬新でした。
    三国志も良いですが、楚漢ものも面白いです。

  • タイトル通り、楚漢戦争期(秦末期~前漢初期)に活躍した名臣たちの列伝。

    取り上げられているのは張良、笵増、陳余、章邯、蕭何、田横、夏侯嬰、曹参、陳平、周渤の10名。あくまで列伝なので、物語調というよりは丹念に事跡を追いながら、その人となりを概観していく。

    しかし本書を読んでいくと、一番くっきりと浮かび上がってくるのは、著者の劉邦像である。
    彼を取り巻く様々な人々を通して、劉邦の人物像が手に取るようにわかる。
    各列伝で重複して書かれる歴史的事実も多く、やや退屈な面もなくはないが、それゆえにこの時代の空気、劉邦・項羽の軍勢のカラーがかなりしっかり掴める一冊。

  • 宮城谷さんは長編もいいけど短編も面白い。
    春秋、戦国、に続く名臣列伝シリーズの第3弾。
    項羽と劉邦の時代に活躍した名臣達10人が紹介されている。
    10人紹介されているうち、漢の臣が6人を占めるのは結果的に漢が天下を取ったのと無関係ではないと思う。それだけ有能で魅力的な人たちが集まってから放蕩無頼な劉邦が天下を取れたのだろうから。

    個人的に好きなのは張良と蕭何。司馬遼太郎の「項羽と劉邦」を読んだ時からのイメージに引きづられてるのかな。

    ところで、項羽と劉邦、とかたやあざな呼び、かたや諱呼びで呼びならわされているのはなんでなんだろう。
    項羽の名前は籍だし、劉邦のあざなは季だから、「項籍と劉邦」もしくは「項羽と劉季」じゃないとバランスが悪いと思うのだけど。
    三国時代でいえば、劉備と諸葛孔明といったり、劉玄徳と諸葛亮といったりもするから、特に不思議でもないか。

  • 香乱記の3巻目で自分の読書ペースがダレてきてしまったので、
    こちらを先に田横を短編で読んでしまった。

    色々な作品で読んでも、いまいち自分は張耳と陳余がどちらがどちらか区別がつきにくい。

    自分は陳平や周勃が劉邦の崩御のちも活躍して好きな人物であるが、韓信の作品がないことや短編の中での扱われ方を見ると著者は韓信をあまり評価していないのでは?と感じる。

  • 楚(項羽)と漢(劉邦)の戦いに登場する様々な名臣たちの物語であります。名臣たち一人一人の人生が、丁寧に語られてております。短編小説集としても読めます。司馬遼太郎さんの項羽と劉邦の副読本でもあります。☆四つです。

  • 本書には古代中国の秦末漢初、いわゆる項羽と劉邦の時代に活躍した、張良・范増・陳余・章邯・蕭何・田横・夏侯嬰・曹参・陳平・周勃の10名が取り上げられている。どの人物も宮城谷昌光らしい筆致で興味深く読むことができた。
    そのため読書が人一倍遅い私でも、いわゆる一気読みをし10日足らずで読了してしまい、我ながら驚いている。

  • 文体が独特。
    韓信への憎悪がすごい。

  • 張良
    范増
    陳余
    章邯
    蕭何
    田横
    夏侯嬰
    曹参
    陳平
    周勃

  • 楚漢戦争時代の名臣のエピソードが連なるが、活躍時期があまりに重なってる分、記述の重複が多いのが決定的に難点。

  • 目新しくもなんともない宮城谷昌光の楚漢戦争前後の列伝もの。つい買ってしまうんだよな・・・。

  • 項羽と劉邦などで読み知った名臣10名について深堀しています。
    読んでいるうちに昔の記憶がかなり蘇ってきましたので、記憶回復に効きました^^;

  • いわゆる「項羽と劉邦」の時代の「名臣」についてエピソードをとりあげた本。とりあげられた人は、張良、范増、陳余、章邯、蕭何、田横、夏候嬰、曹参、陳平、周勃の10人。

    『香乱記』を読んだ時、宮城谷さんは項羽のことも劉邦のこともあんまりよく思ってないのだろうな、と思ったけど、その感じは終始読みとれた。特に劉邦が晩年猜疑心の塊になってしまい、次々と家臣を粛清していく様は凄まじいからなあ… 呂太后もえげつないが。そういえばこの本、韓信もとりあげてない。

    宮城谷さんのクラシックのセレクト本(読めてませんが)があって、そこで確かモーツァルトを1曲も選んでいない、とどこかで聞いた気がして「ふうん」と思っていたのだけれど、今回のこの本の人物のセレクトでもその時に感じた宮城谷さんらしいこだわりを感じたような気がする。

    話自体は人物間で重複するものも多い。これは仕方ないけど。地味だが蕭何や陳平、周勃あたりの晩年の身の守り方はやはり智者の振る舞いと言えるのだろうか。

  • 全1巻

  • 【注:本レビューは,旭川高専図書館Webサイトの「私の推薦する本」に掲載した文章を,執筆者の許可を得て転載しています】

    本書は,中国の楚漢そかん戦争の時代に活躍した人物の生涯を描いた作品です。楚漢戦争とは,陳勝・呉広の乱に乗じて挙兵した項羽と劉邦が繰り広げた闘争です。5年間の闘争の末に項羽を滅ぼした劉邦は,漢の初代皇帝に即位しました。本書に登場する人物は皆魅力的なのですが,今回は蕭何と曹参に焦点を絞って,彼らの生涯と不思議な人間関係について紹介します。
     蕭何と曹参は劉邦と同じ沛県の出身であり,沛の役人として働いていました。その当時,中国全土を支配していた秦の始皇帝の死後,陳勝・呉広が反乱を起こすと,全土各地で反乱の火の手が上がり始めました。食い詰めた反乱軍が沛を襲うことを危惧した蕭何と曹参は,逃亡中の劉邦を呼び戻して,沛の県令(知事に相当します)に就かせました。少々気の毒ですが,元の県令は邪魔になったので沛の人達によって殺されました。
     沛を離れた劉邦一行は,各地を転戦した後に,項梁(項羽の叔父)が率いる楚軍に合流しました。項羽と劉邦は力を合わせて秦と戦いました。しかし,秦を滅ぼし軍の実権を握った項羽が,劉邦を漢中という道の険しい土地へ押し込めたため,両者は敵対するようになりました。これが楚漢戦争の始まりです。劉邦を王と仰ぐ漢軍において,蕭何と曹参は必要不可欠な大幹部となっていました。蕭何は丞相(内閣総理大臣に相当します)として行政と兵士・物資の補給を担当し,曹参は命知らずの猛将として傷を負いながら楚軍と戦いました。
     有能な人材を積極的に採用し,褒美を惜しまなかった劉邦は,ついに項羽を滅ぼして,皇帝に即位しました。この時,部下達の功績に順位をつけて,褒美と役職を与えました。戦功の最も多い曹参が第一位というのが大方の予想でしたが,意外なことに,行政や補給を担当した蕭何が第一位で,曹参は第二位でした。それだけでなく,蕭何は首都の丞相に,曹参は遠く離れた斉の丞相に任命されました。これが原因で,蕭何と曹参は不仲になったと言われています。二人が不仲というのは,はたして本当だったのでしょうか?この疑惑を裏付けるエピソードをいくつか紹介します。
     まず,劉邦が即位した後,粛清の嵐が吹き荒れました。粛清とは,反乱を企てている人物や将来的に危険な人物を排除することを言います。劉邦が最も頼りにした蕭何ですら,反乱の容疑で逮捕されました(すぐ釈放されましたが)。一方,曹参は首都から遠く離れた斉にいたので,粛清とは全く無縁にのびのびと働いていました。これは偶然なのでしょうか?
     次に,劉邦の死から 2 年後に蕭何は重病となり,二代皇帝が蕭何の見舞いに訪れました。皇帝は蕭何と曹参の不仲を知りつつ,「君の後任として曹参はどうだろうか」と尋ねると,蕭何は「陛下は相国(政治家として最上位の職)を獲得されました。私に心残りはありません」と喜びながら,深々と頭を下げました。「仕事に好悪の感情を持ち込まない」という立派な振る舞いのように見えますが,喜びの表現がやや過剰にも思えます。
     さらに,蕭何が死去したという知らせが曹参に届きました。すぐに曹参は部下達に引越し準備を命じます。不審に思った部下が理由を尋ねると,曹参は「蕭何の次は私だ」と答えました。間もなく曹参は首都に呼び戻され,予言通り丞相に任命されました。なぜ曹参は次の丞相が自分であると確信していたのでしょうか?  以上から,蕭何と曹参の間には何か密約があって,それを守るために不仲を装っていたのではないか?私にはそんな気がしてなりません。その答えは,永久にわからないと思いますが,だからこそ歴史は面白いと思います。ちなみに,三国志に登場する曹操は曹参の遠い子孫にあたります。なんとなく納得です。
    (システム制御情報工学科 戸村 豊明 先生)

    *2021年3月現在,本校には所蔵がありません。

    ▽配架場所・貸出状況はこちら(旭川工業高等専門学校蔵書検索)
    https://libopac3-c.nagaokaut.ac.jp/opac/opac_details/?kscode=004&amode=11&bibid=1013966383

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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