新装版 子供部屋のシャツ (文春文庫) (文春文庫 あ 1-33)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167262334

作品紹介・あらすじ

子供部屋は空っぽだった。椅子の上に置かれた血で汚れたシャツと暗い眼差しの遺影を除いては…。八年前、僅か十歳で少年は死んだ。正にその葬儀の日、莫大な遺産相続の報せを受けた母親は、息子を追いつめた級友達への復讐を決意するが-。憎悪の魂がもたらす血の償い。哀しみと恐怖が交錯する傑作ホラー。

感想・レビュー・書評

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  • サスペンスだよね、と思って読んでいたらまさかのホラーだった。それにしては怖さが足りない。

  • 読みやすかった。次々展開して飽きることなく読み終わった

  • 山に出掛けるときにザックに放り込んだ一冊。たぶん何年も(十何年も、二十何年も)前に手にした本なんだろうな。中身はまるでおぼえちゃなかったけど。

  • すごく怖くておもしろいらしいと聞いて読んでみたけど、そんなに怖くもない。
    一章ずつの繋がり方がおもしろく、色んな人の視点で描かれていて続きは気になったので読みやすかった。
    たくさん登場人物がいる割に誰も魅力的じゃなかった。結局ほとんど全員死んだが、ただ死んだだけで驚くようなどんでん返しや理由があったわけではなく、あっさり死んでいくのが物足らなかった。もう一つ何か仕掛けがあってほしい。

  • “何だろう?何かが、幸子の記憶に触れたのだ。
    二階に上ると、幸子は、無人の廊下を、見通した。たった今、人がいたのに違いない。気配がある。空気の乱れ、とでもいうべきものが。
    「——どこにいるの?」
    と、幸子は言った。
    自分の声が、びっくりするほど小さく、震えている。——しっかりして!あなたは以前には教師だったのよ!
    自分を叱って、ゆっくりと廊下を歩き出したが、
    「そうだわ」
    呟きと共に、幸子の足は止まった。
    教師。教師だったころ。——その記憶に、あれが触れたのだ。
    あの甲高い、男の子の笑い声が。”[P.151]

    簡素な文章から滲み出る静かな恐怖。

    “「久美。——パパだ」
    佐田は、久美の部屋のドアをノックした。
    久美が、ドアを開けた。
    「パパ……。どうしたの?」
    「終ったよ。——何もかも、終った」
    佐田の言葉の意味を、久美は分からなかったろうが、しかし、あえて訊こうともしなかった。
    「もう……大丈夫なの?」
    「ああ。大丈夫だ」
    佐田は、力一杯、久美を抱きしめた。
    佐田の背中に、貼りつくようにくっついていた、汚れたシャツが、フワリと床に落ちたのには、二人とも気付かなかった。”[P.236]

  • 心理描写がほとんどなく、
    読者の共感を呼び起こさない。

    赤川次郎らしい恐怖小説。

    書き手と、読み手との間にあるのは、
    通勤時間に読める読み物という位置づけしかない。

    社会問題を解決したいのでもなく、
    親の怨念だけを主張しているのでもない。

    子供部屋のシャツが一人歩きしている。

  • ★2011.6.3読了★
    ラストが物足りないと思った。
    周囲の人たちが死んでいったのは、結局何による働きだったんだろう。母親の怨念なのか、子供の仕業なのか。あんなにハラハラする展開にしては、オチが軽い!
    でも、久しぶりに読んだ赤川さんの作品でしたが、読みやすかったです。

  • 作品としては読みやすかったが結局超常現象なの?ってオチが…
    私が深いところまで理解できてないのかも知れませんがそういう結末なら誰でも書けるんじゃないかという気がして。。。
    赤川さん、すいません。

  •  その昔、初版で読んで、余りにも怖くて手元に置いておけなかった本。
     でももう一度読んでみたくて堪らなかった本。
     今日本屋に行ったら新装版を見付けて、飛び付く様に買い、一気に読んだ。

     前に読んだ時は子供だったし、今読んでも以前の様な怖さは感じないかとも思っていたけど、やっぱり滅茶苦茶怖かった……(泣)。
     それが嬉しくもあるけど、夜中に目覚めたくないなぁ。

     昔読んだ時も思ったのだけど、本当に怖い話が好きな人からすると、特に怖くもない本じゃないだろうか。それなのに何で自分はこんなに怖いのか、ちょっと不思議な気もする。

     そういえば、山岸凉子の『わたしの人形は良い人形』という漫画も物凄く怖いのだけど、この本と雰囲気が似ている気がする。
     最早手に負えなくなった子供、というのが私の恐怖のツボなんだろうか。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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