- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167271046
感想・レビュー・書評
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ろうそくの火が最後に勢いづくように、死の前には一旦生気が戻るという。死の直前に本人は死が近いことを直観し、人生の整理をするという。
17つのストーリーのオムニバス。
様々な死にゆくものの事例を挙げていく。
著者の師ともいえる大原紫苑氏の人間性にも深く感じ入った。
良いことにしろ悪いことにしろこの世で起こること全てOK。といった話をときおり目にするが、なかなか真意が分からなかった。ようやくこの本で、その心情が理解できる。
印象に残ったストーリー
①「わが名をよびてたまはれ」
山で発見されたアルツハイマーの老人が養老院に引き取られ「山のおじいさん」と呼ばれるようになる。
死の直前に声を張り上げて謡うその内容は「わが名をよびてたまはれ・・・幼き日 母のよびたまひしわが名もて われをよびてたまはれ」
②「伊豆の漁師」
海の事故のために病院で寝たきりになった老漁師。著者はふとしたことからこの身寄りのない老人の足をさすってやった。別れ際に「又お見舞いに来る」と老人に言ったという。見舞いに来てくれるのをひたすら待つ老人。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どの話も泣かずにはいられませんでした。
誰もが想像できないようなパワーが人間には秘められて、それはもうすごいとしか言いようがないなと思った。誰も予測なんてできないよ。
「仲良し時間」は、短時間だけどその人の人生ぜーんぶ詰まったとてもとても大切な時な素晴らしいものだ。
私らしい死に方ってなんだろう、
私はどんなふうに死にたいのかな、
なんて真面目に考えてしまった。
こう言っちゃおかしいけど、死ぬのが楽しみになったよ。 -
どれも涙なしでは読めないノンフィクション。
鈴木秀子さんは愛そのものの方だと思います。 -
冒頭で著者の印象的な臨死体験が語られる。その体験によって彼女は不思議な癒しの力を得る。それに感動したあるシスターは、彼女をつれて病院めぐりをはじめた。医者も匙を投げた患者や死を目の前にした患者たちを訪ね、彼女が黙って手を当てる。奇跡的に治る人もいれば、死んでゆく人もいた。どちらにせよ皆、手を当てられることをとても喜び、見知らぬ他人である彼女に不思議と心を許したという。
こうして死にゆく人々との出会いが始まった。多くの末期患者と接するようになった経験から彼女は、ある確信をもつようになる。それは、「死にゆく人たちが、死の迫っていることを知っている」という確信だった。また彼らは、残された日々に「自分の人生を振り返って自分の人生の意味を見つけ、あるいは未解決のものを解決し、不和を和解へ変え、より豊かな愛の結びつきにすることを望んでいるのだ」という確信だった。死にゆく人々とのそんな交流の数々から、この感動的な書物が生まれた。 -
電車の中で読むと涙が止まらないので大変なことになりました。全ての人にお勧め!!