真夜中の相棒 (文春文庫)

制作 : 小菅 正夫 
  • 文藝春秋 (1984年3月発売)
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  • レビュー :12
  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167275174

真夜中の相棒 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 結局、サイモンはこれからずっと苦しむのだ。それは策を弄してジョニーを奪ったからでなく、ジョニーがマックに殉じ続けているからでもなく、ジョニーが、誰にでも同じだから。
    ジョニーは誰にでも無垢な愛を向け、心からの敬意と従順を示し、けれども決して、心を分け合うことはない。自分の心さえ、全て与えてしまうから。相手の心の一欠けらでさえ受け入れようとはしないから。
    彼をいちばん初めに拾ったマイクでさえ独りで死んでいったのだ。サイモンが独りでなくなることが、有り得る筈があるだろうか?
    マックはそれに気づくことはなかった。気づかずに済んだ。だから幸せだ。ジョニーに愛され必要とされた幸せだけを抱えて死んでいった。
    ジョニーも幸せだ。いつだって怖い夜にはベッドに招きいれ、アイスクリームを買って映画に付き合ってくれる男がいる。
    けれど、サイモンには失われた過去しかない。

    この後、彼はどうなるのだろう。きっと同じように身を持ち崩し、いつか誰かにジョニーを奪われるのだ。その未来を確信して、サイモンは怯え続けなければならない。
    原題のTriangleは秀逸。

    2008年現在、復刊を心より願っています。

  • 寄り添うように生きる殺し屋とギャンブラー。相棒を殺した犯人を追い求める刑事。それは、友情、性愛、憎しみ、依存――否、名前のつけられない『Triangle』な関係。心の充足を望みながら、満たされる事のない男達が悲しく愛おしい。彼らが求めたのは手に入らない天使のような存在だったのかも。

  • 何かに依存していないと生きていけない男達の話。
    ラストは予想の斜め上を越えていて『こんな終わり方もあるのか』と驚く。
    お話の終わりの先を想像できる結末なので読後感が良かった。

  • 先の見えない危うい生活から抜け出せないマックとジョニー。
    互いの存在だけを頼りに、寄っ掛かりあい、補いあってなんとか日々やりすごしているように見える暮らしぶり。
    ジョニーの純粋さがよけいに哀しい感じがした。
    すべてを捨て執念で二人を追うサイモンも、また寂しく哀しい。

    二人組の殺し屋と相方を殺された刑事の話ながら、
    人の心の弱さや孤独感がていねいに描かれていて、全体を包む空気感もどこか切ない。

    読んだのは旧版だけど、新装復刻版が出ているそう。

  • 復刻版が出てTwitterが賑やかなので、読んでみました。…図書館の旧版を(笑)。30年前の作品なんですな。

    どうにも救いがなくて、読後感もよくないのに、古い切ない映画を観ているようで惹かれるこの作品。登場人物たちが皆誰かを大切に思っていて、でもそのベクトルが互いを目指さない。

    女たちはしっかりと自分の足で立ちながら愛を語るのに、男たちときたら誰かや誰かの思い出に依存しきっていて、ふらふら危ないことこのうえない。やっぱ男って女よりロマンチストなのね。でもその危なっかしいとこが魅力なんだけど。

    全員死亡かと思ってたら、違いました。あの終わり方がまたなんとも…。生き延びていたら、マックとジョニーは互いにもう少し正しい愛情を育てられたのだろーか。依存ではなくて、慈しみあえるような。

    サイモンとジョニーがどうなるのか、その結末を想像しながら読了。うん、静かな休日に、アイス片手に読みたい良作でした。

  • ジョニーの献身っぷりは読んでるほうが心配になります。後日談とか気になります。

  • 好きな映画の原作なので。

  • 冒頭数ページでひきこまれる
    最後は涙が もう とまら、ない なんだこれってくらい、せつない

  • 最後でどれほど泣いたことか・・・!

  • うーん…けっこうつらい面もある。それにしたって、この作者はなんだってこういう物語を書けるのか。彼女が書きたいことはいつだって同じようなものが底を流れている。人と人とのぎりぎりの場所でのつながり。彼らはいつも、それを何と名づけていいかわからない。

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