無名仮名人名簿 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277031

感想・レビュー・書評

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  • 向田さん初心者なので、おもしろいなぁと思うのは、素直に、鋭い観察眼とか、古くさくならない文体とか、その言葉選びなんだけど、このエッセイで思ったのは、向田さんはけっこうおっちょこちょいだし、ズボラだし、見栄っ張りだし、キツイことを言う人で、そこに親近感がわきまくりつつ、それを読ませてる文体は「ははぁー」と唸ってしまうところ。
    謙遜しすぎてて小賢しいっていう人もいるみたいだけど、才女すぎなくてむしろかっこいい。

    それにしても、いまから34年前の作品なのに「どうも自ら個性派をというか変人奇人を標榜する人は、実は普通の人という気がする。芯のところに人と変わったところがあれば、殊更に変わった振りをすることはないように思えるからだ。」という一文があって「ああ、こういう人って昔からいたんだな」と笑ってしまった。

    それから「内股の男が増えるのはいいことかも知れない。少なくとも彼等は戦争は起こさない。小さな迷惑をかけても大きな迷惑はかけないからである。」というのも。なんか、分かる。

  • 私も「席とり」苦手。共感。
    憧れ。

  • 図書館で。
    そうだよなぁ、ちょっと前はワープロでその前は万年筆で文筆家は文章書いてたんだよな、となんとなく改めて実感。テレビとかのシナリオって大変そう… ストレスかかりそうな仕事だろうなあなんて思いました。

    それにしても締め切り終わって寝巻の上にコートで外出って…ちょっとスゴイ。この方、お化粧しない方だったんだろうか(笑)変な話ですがエッセイアンソロジーとかに向田さんの作品が一作入っていると物凄い印象に残るのにまとめて読むとさほど響かない感じがする。人間って贅沢だなぁ。

  • 小説より、エッセイのほうが合う。
    使われている言葉が勉強になります。

  • 大学目薬 なんだか懐かしい響きだ 確か 家にあったような…と朧げな記憶が蘇り ネットで調べたら 出てきた!懐かしいし 向田さんの エッセイで面白いし いいなあ向田さん。

  • にやにやしながら読んでしまう。楽しい一冊。

  • 向田邦子さんの文章は、
    読んでいると落ち着きます。

  • 何気ない日々の出来事、向田邦子さんの出会った人々のエピソードを綴ったエッセイ。
    向田邦子さんは脚本家で、俳優や有名な方々との交遊もある。
    だけど、そういう人々と普通の名もない人々をちっとも区別せずに公平に同じ人間としてこのエッセイには描いている。
    そこに好感をもちました。
    だから、このタイトルなのか・・・と読み終えて思いました。

    共感した幾つかの話を挙げると、「拝借」で、人の口紅を貸してくれない?という人の話。
    そういうのは全く気にしない人は気にしないんだろうけど・・・。
    見も知らない人間に口紅を貸すのは正直嫌だったと書かれてあり、そりゃそうだと思った。
    私も友達にそう言われて「嫌だな~」と思った事があるし、どこかに食べに行って別々のものを頼んだ時、「ひと口ちょうだい」と言われるのも嫌だと思う。

    また、落語を聞きに行った際、エレベーターの先頭に並んでいて、奥につめたため、席に座れずに納得のいかない思いになったというエピソードから始まる「席とり」という話にも共感した。
    そこで要領よく奥につめずに扉近くに陣取るという事ができない人なんだと思う。
    そして、その後二時間立ちっぱなしになり、ひいきの噺家が久々に出ていたのに笑えなかったという文章に好感をもった。
    そんな時でも笑えとか、心穏やかに・・・なんて書いた自己啓発本があるけど、私は「笑えなかった」向田さんはとても人間的だし、自然だと思う。
    そして、そんな事を正直に書けるのが素敵だと思う。

    そういった不器用できっちりした性格が感じられるエッセイで、それでいながらこのエッセイはカチッとして堅苦しい感じはない。
    ちゃんとしているけど、ちょっと抜けていてドジなエピソードがちょいちょい書かれていて親しみを感じる。
    また、文章は歯切れが良く、最初の一文から人を惹きつける。
    『自分は中流である、と思ってる人が九十一パーセントを占めているという。』
    『舗道にマスクが落ちていた』
    『女がひとりで小料理屋に入り、カウンターに坐ってお銚子を頼むのは、ひとりで外国旅行に出掛けるぐらいの度胸がいる』
    なんて何気ない文章から入り、何となく次を読みたいと思わせる。

    『小さなしあわせ、と言ってしまうと大袈裟になるのだが、人から見ると何でもない、ちょっとしたことで、ふっと気持ちがなごむことがある。
    私の場合、七味とんがらしを降ったおみおつけなどを頂いていて、プツンと麻の実を噛み当てると、何かいいことでもありそうで機嫌がよくなるのである。』
    こんな何気ないエピソードが好きです。
    こういうのを読むと、幸福とは幸せだと感じる心のことだとつくづく思う。

  • サザエさん的な、雰囲気。

    日本が、前向きな時代にあった、良き時代の物語という感じがする。戦中、戦後という激動の時代の中にあった人たちの姿が日常目線で描かれていて、親しみを感じるとともに、ちょっとうらやましくもある。

  • あっぱれ。

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著者プロフィール

1929年東京生まれ。放送作家としてラジオ・テレビで活躍。「だいこんの花」「寺内貫太郎一家」等。1980年に短篇小説「思い出トランプ」で直木賞受賞したが、81年8月飛行機事故で急逝。『父の詫び状』等。

「2016年 『お茶をどうぞ 対談 向田邦子と16人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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