隣りの女 (文春文庫 む-1-4)

  • 文藝春秋 (1984年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784167277048

感想・レビュー・書評

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  • まあまあ。主人公が可哀想な目に遭うのが可哀想。
    ドラマ化もしてると知り驚き。

  • 昭和の高度成長期も一段落しバブル期になる前の当時の状況がリアル。中流階級の家庭の様子や、生活費が苦しい主婦の内職、若い女子社員の当然のお茶汲みに30歳が見える様になるとハイミスと言われるような社会、愛人や隠し子と言った言葉が普通に登場する事に昭和生まれの自分を棚に上げてもなお苦笑。でも当時はこれが『今』だったのだし、放映されていたドラマはこう言う暗い影の部分を題材にしたものがたくさんあったと思う。
    しかし、心の微妙な表現や移り変わり、人間の感情の機微といったような表現はやっぱり流石で、心にずんと重いものが残る読後感に向田邦子さんの凄さを感じる。
    向田さんの本を読んだ後には必ず思うことですが、あのような事故がなければ、向田さんが今をどんな風に描くのだろうとつくづく残念に思わずにいられない。

  • 夏に京都の下鴨神社で開催された古本市でゲットした本。
    意識して、手に取って読んだ向田邦子さんの作品はこれが初めてです。

    時代背景はザ・昭和。普通の人の日常の短編集。面白かったです。

  • 愛人や腹違い子の話が普通にでてくるのって、やっぱり昭和だなぁ。
    最後の話がよかった。うちもちょっと家の中きれいにしよう・・・。

  • 自分で意識して手に取った「向田邦子」作品はこれが初めてだ。昔何かで「だらだら坂」は読んだことがあったが、国語の教科書では何作か触れたからか、私にとってはエッセイストとしての印象が強かった。いつか小説も読まなければと思いつつ何となくずるずると過ぎていたが、先日別の本のついでに併せて購入。
    5篇からなる短編集。どの作品も昭和の空気が色濃い。登場人物の生活風景は今と異なっているが、彼らの心理は今でも納得できる部分が多い。中には毒を含んだものもあったのだが、どれも読んでいて胸が重くなるようなことはなかったのが不思議だ。どの作品も「ごく普通の人々」が主人公で、何でもない人にもそれぞれドラマを抱えているのだというのを改めて感じさせてくれた。

    中で一番よかったのは「春が来た」。あの結末なのに、いい意味での諦念が漂い、悲愴感がなかったのが印象的。

  • 図書館で借りて読みました。
    古い本ならではの香りがしました。
    それさえも、作品の一部のように感じました。

  • 珠玉の五篇

  • 描き過ぎないから余韻の残る見事な中編集。古びないことに驚きます。

  • 5つの短編が収められているこの本。
    どの小説にも共通するのは人間のいじらしさやおかしみ。
    なにも特別なことはない日常の些細な部分が、だんだんと寄り集まってきて、すれ違ったり衝突したりして、物語を動かす様が鮮やか。さすが短編の名手です。
    時代背景やなんかはやっぱり今とは違いがあるんだけど、どーもこのいじらしさやおかしみがクセになります。
    また、家族同士ならではの気持ちのやり取りもクセになる。
    急逝されたことが惜しいです。

  • 向田さんの絶筆となった「春が来た」最後の作品と思って読むと、不思議とそれに相応しく思えてくる。直子の大きな声での、さようなら、これが向田さんの最後の挨拶のようで。幸福をもたらし離れていく風見は、色々なものに例えられそうだ。

  • ドラマにもなった胡桃の部屋が入っている短編集。表題の「隣の女」が特にいい。結婚ってこういうものか、と。

  • 甘く、苦い。
    甘いばかりでなく苦い。
    苦いばかりでなく甘い。
    そんな心があります。
    愛って難しいですよね。
    切なさの残る一冊です。
    短編集なので、色々な話を楽しめます。

  • 現実の日常よりも日常らしい情景が、この本にはある。

  • 表題作の『隣りの女』。
    この文庫の初版は1984年。
    時代は変わっていると思うけれど、作中の場面設定をちょこちょこ現代に置き換えるだけで、
    今でも十分起こり得るような内容なのかもしれないと思いました。
    人間って四半世紀やそこらじゃ大きく変わらないのかもしれないです。

    『胡桃の部屋』は、「女としての本当の気持ちを封じ込め、身も心も固く鎧ってすごした」主人公桃子のお話。「女だてらに父親気取りで、部隊長みたいな顔をして、号令かけて-」「うちのため、母や妹弟のため」「着たいものも着ず、恋も諦めて」頑張ってきたのに、家族は・・・。

    この桃子ほどではなくても、
    責任感持って頑張らなきゃ、頼りにされてるから期待を裏切れない。
    とひとり思いこんで頑張ってしまっていたことを思い出しました。

    桃子の先のことは描かれていませんが、頼れる相手を見つけて穏やかに過ごしてほしいと願わずにはいられません。

  • 111008 Eriko C

  • 向田邦子さんの良さを知った一冊となりました。
    代表作「隣の女」も好きですが、「胡桃の部屋」はやっぱり
    外せないです。

  • ドラマの原作が読みたくて、図書館で取り寄せ予約して手元に来たのだが表紙に絶句。怖いって。

    初向田邦子だった。
    「隣りの女」「胡桃の部屋」「春が来た」など収録の短編集。

    お札の聖徳太子やピンクの公衆電話が昭和を感じさせる。西日の指すオレンジがかった部屋の中みたいな印象。郷愁のような。

    どこにでもありそうな話だが、引き込まれる。人を描くのが上手い人なのだろうと思った。あっさりしすぎる気がするのは、あえて描きすぎないようにしているのではないか。
    没後30年の今年、彼女のいろんな作品を読んでみたいと思った。

  • 人間の心の底辺にある薄暗い気持ちが自然と描かれていた。「冬の運動会」や「あうん」、「阿修羅のごとく」のイメージとはまた違う感じだけど人間らしさが出てる気がする。NHKで放送されている『胡桃の部屋』も収録

  • 久々の向田邦子!
    独身の時と違い、それぞれの女の立場がよりわかる世代になり、趣がありました。知らない男と全く違う世界に行きたいって、わかるような。。。

  • あまり人にはお勧めできない話だなと思った。それはこの本が面白くないからじゃなくて、あまりにも読み終わったあと切なくて悲しい気持ちになったからだ。こんな恋なら知らないほうがいいんじゃないか。そうとさえ思うのだが、そんな恋もここでは大切なものとして描かれている。本音を押し殺す女と、本心の見えない男。そんな男女が織り成す恋はどれもほろ苦くて危うい。
    向田邦子のエッセイのユーモアあふれる潔い感じが好きで読み始めた本作だったが、あのユーモアと潔さの影には笑って自分をはげましたい、桃子のプライドのようなものがあったのかなと思った。そのプライドは胸が苦しくなるほど孤独で純粋で綺麗だなと思う。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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