桃から生まれた桃太郎 (文春文庫 む 1-18)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277185

作品紹介・あらすじ

早く妻を亡くした獣医の川田竜造は娘の桃子と二人暮らし。性格も体格も男まさりの娘を父親は「桃太郎」と呼んでいる。その桃太郎もすでに年頃、父親は男っ気がないのを心配しているが、娘にはすでに相手がいた。そして実は父親にも…善意からおこる父と娘の行き違いをユーモラスに描く向田ドラマの十八番。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。母と娘を描いた小説と父と娘を描いた小説。女性作家にとっては前者の方が遠慮なく書きやすいように思うのだがどうだろうか。父と娘は家族でありながらも互いにもう一歩踏み込めない距離があり、本音で話しているようで大事なところを隠しているような遠慮がある。その遠慮の具合が温かさを醸し出していて微笑ましい。

  • 父と娘の行き違い、それも善意から起こされて。向田邦子自身の結末を知るからこそ、どこまでも優しい物語に涙が出てきました。

  • 「桃から生まれた桃太郎」(1999.8、文庫)、面白かったです。向田邦子の放送台本を、中野玲子が小説化したものだそうです。早く妻を亡くした獣医の川田竜造は娘の桃子と二人暮らし。善意からおこる父と娘の行き違いをユーモラスに描いた作品。素晴らしいです。ドラマになってるんでしょうね。見てはいないけど。読後、源氏鶏太の小説の世界に通じてる感じがしました。登場人物がみんな「いい人」です!

  • さすがの向田邦子。
    親子の心情、その交差する様子が上手にあたたかに描かれている。スピーディ。

  • のどかな良い時代のお話

  • 向田邦子の脚本を小説化した物で、
    向田邦子らしい 愛情あふれる家庭の物語。
    言葉が 実に いきている。

    桃子 もとい 桃太郎が 何とも言えず すくすくと育っている。
    大柄で オンナらしさが 微塵も感じられないと
    父親 竜造は おもっていた。
    それが 結婚する相手があり、
    その相手が なんとなく 気に喰わない。

    その過程で起こる 
    さまざまな 勘違い 早とちり 誤解が 笑いを誘う。

    みつ子 初江 それぞれが 健気にいきている。
    はっきりと言うタイプと 内にこもるタイプの二つに
    別れている。

    『なかなかいえない』というもどかしさが
    上手く表現されて 物語の運びかたが うまく
    気配りされた 作品だった。

  • あ~テレビドラマだなあ、、って感じ。
    小気味よい台詞にテンポの良いストーリー展開。
    読んでいて気持ちいい。さすが向田さん。
    綺麗な言葉使い(上品という意味ではなく)にホッとしました。

  • 父と娘の会話が、
    とても温かくて、
    ほっこりとした気持ちで詠み終えれた素敵な内容でした*

  • 親になったらあた違った読み方になるんだろうなぁという本。
    前半の行き違いはおもしろいと思う。後半失速。

  • この人の話はいつも優しい。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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