家族熱 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2000年7月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784167277192

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

愛憎やエゴが交錯する人間関係の描写が際立つ作品で、心理描写の巧みさに心を掴まれる。登場人物のセリフやキャラクターが生き生きと描かれ、視聴者を一気に引き込む力を持っている。特に、複雑な家族の事情や男女間...

感想・レビュー・書評

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  • 向田邦子のドラマ脚本を小説化したもの。もとのドラマは、Wikipediaによれば1978年の放送。

    良くも悪くも昔の作品と感じる。
    離婚覚悟で家を出た専業主婦が、家事の切り盛りそのものにアイデンティティを感じるという筋書き。家事は女の仕事であることが前提となった世界観。
    家に出入りする友人(松子)に家事代行を期待したり、一時的に戻ってきた朋子にいい大人の男たちが自分の世話をしろとまとわりつく様子(p180)はグロテスクに思える。が、ドラマ当時にはもう少し愛すべき滑稽さとして受け止められたのかもしれない。
    そもそも家族の愛憎とエゴを描いた作品ではあるが、憎の部分は現代でも分かりやすいのに対し、感覚のズレから愛の方に共感しにくいので、バランスが崩れて後味悪く感じてしまったのかもしれない。

    こういった抵抗感は、一つには中途半端に近い時代で、また一つには脚本のノベライズだからこそ生じるのだろう。もっと古ければ古典と思って読むし、ドラマなり演劇ならば俳優が情を載せて演じるので、異なる理論での心の動きにも納得しやすいと思う。

  • 13年前に家を出た前妻。その前妻の口利きで仕事を落札し、重役昇進した夫。一方、その後、家に嫁いだ人妻は、残された男の2人は育て上げていた。収賄容疑で会社を追われる夫、13年前に家を出でた前妻の本当の理由とは。

  • ドラマの感想として
    もう向田邦子さんに感動できないかもしれないという少しの不安を抱きながら見始めたドラマ。
    でも、一夜で14話全部見尽くした。面白くて止まらない。
    やはり、セリフ、キャラクターの吐くセリフ!
    素晴らしいなー
    ナレーションの入れ方も勉強になる。

  • 「向田邦子」の脚本で1970年台後半にテレビドラマ化された、、、
    『家族熱』の文庫本を読みました。

    愛憎とエゴをむき出しにした心理描写はお見事。
    「向田邦子」って人は、人の心を見透かしていたんじゃないか… と感じさせるような描写です。(読みながらココロに痛みを感じちゃいます)

    読んでいると、少しずつ感情移入してしまい、リアルな心理描写に不快感を感じるのですが、、、
    先を読みたい欲求を抑えられない… って、感じの作品でしたね。

    男女間、家族間の人間模様の描写は、背筋が冷たくなるような… ホントに文書に迫力を感じましたね。

    エンディングは、好みの分かれるところですけど。

    ちなみに、、、
    ドロドロした人間模様の描写が好みでない方は、不快感を感じるだけなので、オススメしません。

  • 再読。崩壊の予感が漂う家族が何とか危ういバランスを保っていたのについに崩壊してしまう。そして新しい形で再生する。崩壊へのおどろおどろしさと再生へのすがすがしさ。それを無理なくつなげる見事さ。昭和という時代の家族だから成立する物語なのか、時代を超えてもあり得るストーリーなのか。向田さんが長生きしていたらどんなホームドラマを書いたのだろうと、仕方のないことをついつい考えてしまう。

  • 向田邦子 著「家族熱」、2000.7発行。放送台本を中野玲子(諸田玲子)が小説化したもの。3世代の家族の崩壊と再生を描いたもの。485頁の大作。家族というもの、幸せとはなにかを考えながら一息に読了しました。

  • 何と言うか、女の業の深さとか、理屈で割り切れない感情とか、そういうのをビンビン感じた。それにしても、結構壮絶というか、きつい状況の描写であっても、向田邦子さんの書き方はあったかい。

  • テンポ良く場面が変わって
    すぐに引き込まれる。
    読みはじめたらどんどん読み進めてしまう。
    向田邦子は文章が上手だなと思った。

    家族なんてそんなもん、
    毎日顔突き合わせていれば...
    とあってから
    それでも血の繋がりは濃いのだと。

    そして同時に
    血のつながりなどなくても
    強いなと。

    女の狂気
    男のわがまま
    愛とは醜く哀れなものだな

  • 母親という地位は、産みの親か育ての親か。

    重く歪な内容に見えて物語の進行は、ドラマを見ているようにトントン拍子に進む。
    13年間血の繋がらない子供2人を育てた朋子。
    そして子供を産んで家を出た垣子。
    この2人の母親や女としてのプライドをかけた水面下の争いを描きつつ、家族の在り方を説いている物語。

    物語で様々なことが起こる。
    まさに「一難去ってまた一難」の言葉がピッタリだ。
    その中で織り成す愛憎劇やスレ違いから起こる誤解や真実、登場人物たちの心模様やテンポ良い会話など、ドラマを見ているようで楽しく読めた物語。

    この物語を読んで感じたことは、家族という1つの形を継続していくためには、みな一人一人が良い意味で犠牲にならなくてはならない。ということ。
    全員が全員、我を通してばかりでは家族というものは成立しない。協力しなくてはならない。
    読みながら切にそう感じてしまった。

  • 向田邦子原作の脚本の小説家であり、向田邦子が書いたわけではありませんでした。

  • 先妻の登場により、家族がだんだん壊れていくさまが描かれてる。先妻が精神病になり長男が最後引取り暮らしていく。最初、最終的には朋子と血のつながってない長男の杉男が男と女の関係になるのかなぁ〜と思ったけど、そのような3流映画のような結末にならなくてよかった。

  • 向田邦子劇場。

  • 再婚なんてするもんじゃない!!って思ってしまいます…

  • 向田さんの描く家族の姿は温かい。
    これはちょっといびつで複雑な環境にある家族のお話。最後はホロリとなります。

  • こういうタイプの小説は久しぶりです。面白くって、あっという間に読みました。やっぱり向田作品スキです。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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