新装版 あ・うん (文春文庫) (文春文庫 む 1-20)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277208

作品紹介・あらすじ

つましい月給暮らしの水田仙吉と軍需景気で羽振りのいい中小企業の社長門倉修造との間の友情は、まるで神社の鳥居に並んだ一対の狛犬あ、うんのように親密なものであった。太平洋戦争をひかえた世相を背景に男の熱い友情と親友の妻への密かな思慕が織りなす市井の家族の情景を鮮やかに描いた著者唯一の長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「10代の頃に読んだ作家を再読しよう」企画(笑)の第二弾。
    前回の吉本ばななに続いて
    今回は向田邦子の巻。

    1970年代、テレビドラマの名作『パパと呼ばないで』や『時間ですよ』や『寺内貫太郎一家』『阿修羅のごとく』などの脚本を手がけ、
    とりわけエッセイが本当に上手い作家だった。

    そしてこの『あ・うん』も23年ぶりくらいに再読したけど、
    初めて読んだかのように新鮮だったし(笑)
    本当にいい小説だった。
    しかし高校時代に読んだのは何やったんやろ(汗)
    今考えると全然読めてなかったんですね…
    やはり大人になって経験を積んでからでないと、
    グッとこないものってあるんよなぁ~。


    物語は、昭和初期の東京は山の手を舞台に、
    (あの「忠犬ハチ公」が駅前で死んだという一文も出てきます)
    実業家・門倉修造と製薬会社のサラリーマン水田千吉との奇妙な友情と
    門倉と水田の妻たみとのプラトニック・ラブの行方を
    太平洋戦争間近の世相とともに描いた
    1981年刊行の向田邦子唯一の長編小説。

    タイトルの『あ・うん』とは
    神社の鳥居に並んだ、口の形が違う一対の狛犬「阿」と
    狛犬「吽」のように
    いつも一緒で仲がいい関係をいうとのこと。


    銀座を歩けば、女は一人残らず振り返るくらいの美男子である門倉。
    かたや華がなく、見映えのしない外見なのに
    鼻の下のチョビ髭がより胡散臭さを増している(笑)水田千吉。
    門倉が花なら、千吉は葉っぱ。
    そこにいるだけでまわりを楽しませる門倉に対して
    千吉が入ってくると、理由もなく気詰まりになりくたびれる。
    何から何まで正反対の二人だからこその切っても切れない友情が
    おかしくもあり、どこか羨ましくもある。


    「友達が自分の女房に惚れてるのを気づいていながら、
    仲良く付き合えるのか?」

    確かにコレは難しいテーマだけど、
    戦地で知り合った当時の男と男の関係なら
    (杯を交わした兄弟分のような関係なら)、
    有り得なくはないのかもしれない。
    (もちろんあくまでプラトニックな関係を持続できるのならだが…)

    それにしてもなんとまぁ、品があって
    色気のある文章なんだろ。

    膝を打ちたくなるほどの巧みさで
    物語る筆力。
    古き良き昭和の匂いと
    鮮明に浮かび上がる視覚的な文体。
    説明的になるのではなく
    想いや匂いで人の業や悲しみを紡いでいく向田節。

    なんだ、不倫の話かと思う人もいるだろうけど、
    ドロドロとした描写は一切出てこないし、
    (プレイボーイの門倉だが、たみにだけは指一本触れずに想いを伝えることもしません)
    ホームドラマを多く手掛けてきた向田さんだけに
    愛だ恋だを声高に叫ぶことなく
    笑いのうちに読ませていくからスゴい。

    そして登場人物すべてがどうしようもなく愛おしく、
    女性の描き方がとんでもなく上手い。

    山師でどうしようもないギャンブラーな水田の父、初太郎という不良老人。
    門倉の想いに内心では揺れる水田の妻、たみの苦悩。
    水田家の長女で18歳のさと子は
    母と門倉の仲を無意識に感じとりながら、
    自らも叶わぬ恋に身を焦がしていく。
    そしてあちこちに女を作る門倉を知りつつ、
    決して口には出さず冷静を装う門倉の妻、君子の怖さと哀しさ。

    もともと放送作家でテレビドラマの脚本家であった向田さん。
    なので登場人物たちが織りなす会話が
    いちいち洒落てるというか粋というか、
    琴線に触れる生きた言葉のオンパレードだし、
    わずか220ページの中に印象的なシーンがまた、出るわ出るわ(笑)

    やり手の実業家である門倉が
    東京にやってくる千吉のために、
    自らが家を探し、火鉢に火をおこし、新しい座布団を揃え、部屋に花を活け、灰皿を用意し、便所の紙をチェックし、鯛や伊勢海老やさざえのかご盛りと鰻重を頼み、檜の風呂桶を作らせ、火吹竹と団扇で自ら汗を流して風呂を焚く物語冒頭のシーン。
    そのすべてを嬉々として行う門倉の姿が
    なんとも可愛いく微笑ましい(笑)

    妊娠したたみのお腹の子を
    女の子が生まれたら俺にくれと頼む門倉と、
    尊敬する門倉に自分たちの子供をくれと言われて喜ぶ千吉の不思議な関係。

    たみを笑わせるために始めた門倉と千吉のヴァイオリン練習。

    親には内緒で見合い相手の男に会い、
    初めてのコーヒーに胸をときめかせ、
    自由恋愛という言葉に体を熱くするさと子。

    門倉の若い愛人を匿い、門倉の妻、君子にバレないよう
    肺炎で寝込む門倉に
    子供が無事生まれたことを声を出さず唇だけで伝える千吉。
    そしてそれを聞いて涙を流す門倉と
    知らないフリをして門倉の涙を拭う君子。

    そして日ごとに大きくなるたみへの気持ちを吹っ切るために
    親友である千吉にワザと喧嘩をふっかけるシーンの胸焦がす切なさよ…。

    「みすみす実らないと分かってても、人は惚れるんだよ」という門倉のセリフがまた、これ以上ないところで出てくるんよな~。

    登場人物のすべてが
    本当の気持ちをひた隠しにし、誰もが大人を演じてる様は
    じれったくもあり、ズルいなぁ~とも思うし、ある意味美しくも感じたり。
      

    この小説のあとがきで向田さんは、
    『私は夢を見ることの少ないたちだったが
    50を過ぎて今、夢はやはり見るものだなと思う』と
    考えが変わったことを最後に書いている。

    しかしそのわずか3ヶ月後の1981年8月22日、取材旅行中の台湾、
    遠東航空103便墜落事故にて51歳の若さで帰らぬ人となった。

    向田さんの死は、
    隠居生活から重い腰を上げ、再スタートを切ろうとした矢先に狂信的なファンに撃たれて亡くなったジョン・レノンの死とどこか重なるものがあるし、
    文庫版の山口瞳さんの秀逸な解説にもあるように
    向田さんはどこか無意識下で来るべき死を予感していたのかなと
    今回あらためて再読して
    僕自身としても思うところがありました。

    ちなみにこの『あ・うん』、
    降旗康男監督の映画版もオススメ。
    今回の再読も門倉の声は高倉健で、
    水田千吉は板東英二で
    水田たみは健さんの東映仁侠映画時代の盟友でもあった富司純子、
    そして水田家の長女のさと子は富田靖子に脳内で自動変換して読んでました(笑)

    これからも向田作品は追いかけていきたいなぁ~


    ★映画『あ・うん』予告編↓
    https://www.youtube.com/watch?v=juWUbureBR4&feature=youtube_gdata_player


    あ・うん 

    • 円軌道の外さん

      アセロラさん、お久しぶりです!
      元気にしてますか?
      いつも沢山のお気に入りポチとコメントありがとうございます!

      あはは(笑)
      ...

      アセロラさん、お久しぶりです!
      元気にしてますか?
      いつも沢山のお気に入りポチとコメントありがとうございます!

      あはは(笑)
      そうそう、ホームドラマを得意としてた向田さんだけに
      家族で食卓を囲むシーンも多いですよね。

      僕が初めて読んだ向田作品も『父の詫び状』で
      なんて上手いエッセイを書く人なんやって、
      ホンマビックリでした。
      (ホンマに上手い作家って食事シーンを書くのが上手いですよね。僕が印象的だったのは卵の話とライスカレーの話と薩摩揚げの話です)

      ファザコンかぁ~(笑)
      確かに誰しも女性はそういう部分持ってるかもですね(笑)
      パートナーを選ぶ時も無意識下では自分の父親と比べてるらしいですしね。
      男は逆に心の奥底ではマザコンな部分あるんやろうなぁ~、
      あんま認めたくはないけど。

      てか、アセロラさんはお父さんがあまり好きではないんですか?(笑)

      あっ、『あ・うん』のスペシャルドラマありましたね~。
      僕はそちらも観たハズなのに
      あんま記憶ないんやけど(笑)、
      田中裕子は上手い女優やし、色っぽくて可愛い役やらせたらピッタリ合うんやろな~(笑)
      (現在放送中の朝ドラ『まれ』でもお婆ちゃんの役やけど妙に可愛いのです)
      小林薫がまた男やけど昔から色気のある俳優ですもんね。
      原作の門倉のイメージに近いのは
      映画版の健さんより、むしろ小林薫の方かもです(笑)
      (健さんはやっぱいい意味でも悪い意味でも真面目なんですよね~笑)

      アセロラさんは女性から見て
      こういうプラトニックな三角関係って理解できますか?
      いろんなサイトのレビュー読むと
      男性は理解できないという意見が多くて、
      意外に女性は分かるって意見が多かったんですけど(笑)(^^;)






      2015/06/11
    • アセロラさん
      お久しぶりです~♪元気ですよ。
      円軌道さんのレビュー、最近いっぱい読めて、とっても嬉しいです(笑)

      ぶっちゃけ、お父さんは好きですよ...
      お久しぶりです~♪元気ですよ。
      円軌道さんのレビュー、最近いっぱい読めて、とっても嬉しいです(笑)

      ぶっちゃけ、お父さんは好きですよ(笑)
      女の子はだいたい小さい頃はお父さん、
      お年頃になってきて同性の先輩であるお母さんにスライドしていくと思いますが、
      その典型的なタイプです(笑)
      ちなみに現在は父子家庭なので(母親は東京に住んでます)、やっぱり情は深くなりますよね…健康に長生きしてほしいですし。

      って、こちらの話ばかりですみません(汗)

      『あ・うん』のプラトニックは理解できますね。むしろ、オトナだからこそ成立する関係性なんじゃないでしょうか。
      でも、自分の子供を友達に、というのは、流石に理解できません(笑)
      どっちかが亡くなったとか、やむにやまれぬ事情ならともかく、コレはあまりに特殊ですよね…。
      てか、向田さんご本人はどうとらえていたのか気になりますね。
      向田さんって、なんとなく思考がおじさんに近いようなイメージなので、
      (『父の詫び状』からの勝手な偏見ですが・汗)
      もしかしたら、理解されてたのかしら…。
      2015/06/13
    • 円軌道の外さん

      アセロラさん、お久しぶりです!
      雨の季節の到来ですが、お変わりないですか?
      最近返事がないのでちょっと凹んでましたが、
      コメント読...

      アセロラさん、お久しぶりです!
      雨の季節の到来ですが、お変わりないですか?
      最近返事がないのでちょっと凹んでましたが、
      コメント読んで一瞬で回復しました(笑)

      あはは(笑)
      最近はですね、4年に1度あるかないかの
      本が沢山読めるモードなので(笑)、
      この機会を逃すまいと図書館で借りまくってきたのです(笑)(^^;)

      僕は通常本を読むのは一週間に一冊ペースなのですが、
      今は二日に一冊は読める感じなんで、
      自分でも最近、読書意欲あるなぁ~ってビックリしてます(笑)

      あっ、お父さん好きで安心しました(笑)
      僕は男一人女一人は子供が欲しいので、
      女の子だった場合
      男親だと言うことで娘に嫌われるのイヤやなぁ~って今からドキドキしてるくらい心配なのです( >_<)

      あっ、お母様は東京なんですね。
      でも逆に今お父様と二人だと
      娘の行動が気になって仕方ないんちゃうかな~(笑)
      (どうしてもお父さん目線で考えてしまいます)

      あはは(笑)
      大丈夫ですよ!
      もっともっと喋ってください(笑)

      ああ~、なるほど!
      プラトニックはオトナだからこそ成立する関係性って、
      それこそ大人な発言ですね(笑)

      あっ、僕も自分の子供を友達に、というのは、
      さすがにムリです(^^;)
      それを当たり前に受け入れる水田の気持ちは 
      水田にしか分からないと思います。

      あはは(笑)
      アセロラさんの言うように
      向田さんはかなりサバサバした男っぽい性格やったみたいだから、
      思考がおじさんに近いって
      当たらずと雖も遠からずってとこですね。
      2015/06/19
  • この本のおかげで
    阿吽という漢字も、神社に両方に置かれているもの
    金剛力士像や狛犬
    とか色々学んだ、大昔にね。

    しかし物語は悲しい、
    阿吽の呼吸でわかるだけにー

    なんといっても向田邦子作品は深い
    人間の機微だとか
    理屈では割り切れない
    微妙な人間の心理を書かせたら
    この人しかいない。
    もっと存命され作品を読みたかった。

  • 作家・エッセイストの甘糟りり子さんのお気に入り!大人のための、向田邦子作品。 | 【クウネル・サロン】自分らしさを大切にする大人の女性のWebサロン
    https://kunel-salon.com/post-63045

    あ・うん - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b256117.html

    文春文庫『あ・うん』向田邦子 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167277208

  • 文章を読んでいながら、映像がとても鮮明に見えてくる。バタバタと屋敷が立ち上がり、照明や家具、登場人物の動きからニオイまでが分かるよう。
    私は平成生まれで、当然物語の時代のような生活は経験していない。それでも自然に生活が見えてくるような、適切で明るい日本語に引っ張られていく感覚で読み切った。

    向田さんの人間観察力が優れているからだろうか。
    不思議だが実はどこにでもあるような人間関係、微妙な心をはっきり表現している。

    私の(社会の)常識では完ぺきアウトな展開も、なんだか笑い話になって落ちきらず、再び生活が続いていくところが面白い。

  •  本当のことを口に出さない人たちの小さな物語。 おもしろかった。
     口に出せば、人間関係が壊れてしまうことを、誰もが持っている。 多くの人は、事実や気持ちを腹の中に隠し、互いに互いの腹の中にあるものに気付かないふりをして、人との繋がりを保っているに違いない。
     それは残念なことだろうか? この物語を読むと、そうは思えなくなる。
     隠したり、気付かないふりをすることで何かを守ろうとする人間のいじらしさこそが、日々を味わい深いものにしてくれるのだろう。 白黒はっきりしないことだらけだから、人は人といて面白いのだ。

  • TVドラマと変わらぬ内容で戦前東京の生活が描かれる。仙吉とたみ夫婦、そして仙吉の戦友・門倉のプラトニックな三角関係に気づく年頃の娘さと子は “一番大事なことは人にいわないものだ” と判る。”言わないこと” それは戦前の空気、戦争への向かう世相の言論統制や同調圧力に通じていく。巧みに反戦を謳う物語は、淡く滑稽な市井の人々の生活に溶け込んでいく。先は見えない、しかし “信頼” という面映ゆい安堵に小さな幸せが宿っている。”豊かさ” という高揚ではなく、”暮らし” という平穏が大切なのだ。

  • 向田邦子さんは当然知っている。知っているけれど作品は恥ずかしながら読んだことがない。私にとって向田邦子デビュー作となったのがこの「あ・うん」で、苦手なジャンルかと思いきや見事なまでに引き込まれてしまった。
    門倉の言葉や、水田の一人娘さと子の言葉に幾度もはっとさせられた。特に「芋俵」の門倉の熱弁…人間の心理描写が巧みで、読み応え抜群の作品だった。

  • ドラマも素晴らしかった。

  •  一組の夫婦とその親友である男の、奇妙で幸福で完璧な三角関係の話です。  
    神社の鳥居に対となって並ぶ狛犬「阿(あ)」と「呍(うん)」のように、常にお互いがかけがえのない存在であることを認識し、絶対的な友情で結ばれている、門倉修造と水田仙吉。  

    そんな彼らの間に20年以上も存在し続けている、公然の秘密。それは、門倉が、水田の妻・たみに恋をしており、たみも少なからず門倉に恋をしていること。そしてそのことを、夫である水田だけでなく、水田夫妻の一人娘のさと子、門倉の妻や愛人など、彼らを取り巻くすべての人々が知っていること。誰一人として、それを口に出さずに受け入れ、日常としていること。  

    積年の恋心を告げることさへせずに胸に留めながら無心に親友一家に尽くし続ける門倉と、そのすべてを知りながら歪みない心で受け入れてきた夫妻の、暖かくも不可思議な関係と、生まれたときからそんな三人をみつめ続けてた娘のさと子が恋を知ったことで少女から女性になっていく過程――その二つの要素が、生活観溢れる日常に丁寧に織り込まれて層をなし、簡潔な言葉で、トンッ、トンッと音を刻むかのように小気味よく紡がれていきます。  

    戦争の足音が聞こえていた時代、異質だけどこの上なく居心地のよい三角関係を真摯な気持ちで壊さないようにと長年努め続けてきた大人たちが、些細だけど重要な事件の積み重ねからその均衡を崩しかけ、あわや関係に終止符が打たれるかという矢先、各々の感情を肩代わりさせるかのように、破滅的な恋に身を投じるさと子の背中を押してしまうラストシーンは鮮やかで、強い印象を残します。  

    奇妙だけど甘美な関係が、歯切れよい言葉と溢れる生活観、そして、成長の過渡期にいるさと子の若く初々しい視点が組み込まれることで、毒気どころか、瑞々しく描かれた秀作です。

  • つつましい会社員の水田仙吉と軍需産業で景気のいい社長の
    門倉修造との友情は神社の鳥居にならんだ

    狛犬のあうんの様に親密なものだった。

    太平洋戦争をひかえた昭和の日本があった

    こういう暮らしや親密なつきあいはもうどこの家庭にも
    みることは出来なくなってしまった

    門倉は水田の妻たみを思慕しているけれど3人が3人とも
    何もいわない

    それぞれの分をきちんとわきまえた人間が描写されていた

    家庭の匂い、音、季節、不便だけれど暮らしが丁寧だ

    連絡も簡単にはとることはできないけど繋がりは強い

    そしてこの人は知っているという人が必ず出てくるほど
    心理描写が鮮やかだ

    つつましさに美しさが宿る

    含羞に美しさが宿る

    中川一政さんの表紙と題も味がある

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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