- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167277215
作品紹介・あらすじ
宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞…だれの胸の中にもある父のいる懐かしい家庭の息遣いをユーモアを交じえて見事に描き出し、"真打ち"と絶賛されたエッセイの最高傑作。また、生活人の昭和史としても評価が高い。航空機事故で急逝した著者の第一エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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今ごろ読むなんて!と著者に叱られそうだけど、どっこい全く色褪せない珠玉のエッセイ集ですね。24篇のエッセイ何れもがキラリと光る逸品揃いで、どこから何時読んでも肩が凝らないしとても良い♪ さすがの向田邦子さん、飛行機事故で亡くなられたのが如何にも惜しまれる!
印象に残ったのが黒柳徹子が何度も何度も留守電かけて来た話で抱腹絶倒モノでした笑
うんうん そうそう!と腑にいっぱい落ちる話ばかりで思わずにやにや。お父上の勤め先 東邦生命やら、石川県七尾市やら、鹿児島の海とさつま揚げやら と私的にも馴染み深い箇所がてんこ盛りでした。
まさに時の朝ドラ「カムカムエブリバディ」みたいな濃い昭和の匂いでホカホカと心温まる読後感でした。満点です詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エッセイ?確かに文章は、徒然なるままに、自由に書かれてはいるのですが、内容が驚きの連続でして。エッセイ??もしも向田邦子さんとお話しできる機会があったら、きっと「話、盛ってますよね?」と先ず聞いたでしょう。空襲のエピソードや、人の死や貧困の話が出てくるため、おもしろい、という言葉はしっくりこないけど、今更ですが、出会えてよかった一冊です。
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これぞエッセイ!エッセイの原点ですね♪
思い付いたことを取り留めもなく書き連ねていますが、向田邦子さんらしく、話があちこち跳びまくり(笑)。
話題も、今から思えば前近代的で、ああ、そんな時代がさほど遠くない過去にあったんだなぁと。
全体的にほのぼのしていて、ふんわりした気持ちで読める1冊です。 -
父親の厳しさと理不尽さ。大人では大事な思い出に変わるのですね。
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向田邦子さんの、24篇のエッセー。
それにしても色々なエピソードの記憶がしっかりしていて、さすが作家さんだなと思いました。
沢木耕太郎氏が解説を書いている途中で墜落事故を知ったようでした。あとがきでは、癌の治療をして奮起してるところが記されてました。もう亡くなられて40年経つのですね。
あ・うんは色々とドラマ化、映画化されてますが、杉浦直樹が出ていたNHKのが好きだったかな。-
Tomさま
いつも「いいね」をありがとうございます。
杉浦直樹が出ていたNHKのドラマとは「阿修羅のごとく」でしたかしら。杉浦直樹と...Tomさま
いつも「いいね」をありがとうございます。
杉浦直樹が出ていたNHKのドラマとは「阿修羅のごとく」でしたかしら。杉浦直樹と加藤治子の道ならぬ恋、加藤治子の秘められた情念の演技が素晴らしかったですね。民放では「冬の運動会」が忘れられません。そうそう、先日「向田邦子の恋文」を読了ばかりです。
遅ればせながら、フォローさせて頂きました。これからも宜しくお願いいたします。2022/03/10 -
nazunaさま。コメントありがとう。
記憶がしっかりされてすごいですね。
そうです、加藤治子さんがとても可愛らしい演技をされてました。最近...nazunaさま。コメントありがとう。
記憶がしっかりされてすごいですね。
そうです、加藤治子さんがとても可愛らしい演技をされてました。最近はそういうドラマが少なくなりました。
今後もお互いに良書に巡り合えるといいですね。2022/03/10
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【私の本棚】女優、エッセイスト・美村里江さん 「父の詫び状」向田邦子 家族の奥まで捉えた観察眼 産經新聞
https://www.sankei.com/smp/life/news/200801/lif2008010026-s1.html -
今の時代には考えられない、厳格で煙ったい父親。思い出が辛くもあり懐かしくもありといったエッセイ。子供心に理不尽な態度を取る父親への反感、母親に感じる不憫な気持ち。
母親に初めての海外である台湾旅行をプレゼントしたくだりがあり、「どうか落ちないで下さい。どうしても落ちるのだったら帰りにして下さい」と書かれているのを読んで、その後、飛行機事故で亡くなった向田さんの皮肉な運命を感じた。 -
文庫本の裏表紙には「真打ち」と評されていたが、本書は本当にエッセイの傑作。何より、登場人物が生き生きしていて読んでいて楽しい。まるで、頁から彼らが生きた暮らしの「におい」が漂ってくるようだ。
日常の何気ない場面から連想が様々に飛び、それらは一見バラバラで脈絡の無さそうに見えるのだけれども、その実有機的に結び付いている、というのが、正に「職人芸」の極みと思う。
24編のエッセイが収録されていてどれも魅力的だが、1番のお気に入りは「お辞儀」。親がお辞儀する姿を見た居心地の悪さ。とてもよくわかる。 -
初めて読んだエッセイがこの本でとても良かった。言葉選びが秀逸で、戦時前後の日本の情景がありありと生き生きと頭に浮かんでくる。所々にクスッと可笑しい場面もあったりして惹き込まれた。