新装版 隣りの女 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 800
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277222

作品紹介・あらすじ

「一生に一度でいい、恋っての、してみたかったの」-平凡な主婦が飛び込んだNYへの恋の道行を描いた表題作、嫁き遅れた女の心の揺れを浮かび上がらせた「幸福」「胡桃の部屋」、異母兄弟の交流を綴った「下駄」、絶筆となった「春が来た」の五篇を収録。温かい眼差しで人間の哀歓を紡いだ短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 幸せを測るものさしなんてあるのかなぁって考えさせられる。
    相手のことが、つい自分より幸せに見えたりする。
    そういう深い部分をぐいっとえぐり取られたような感じがする。
    大人の女性の心理を描くのが、ほんとに上手いなぁと思う。

  • 春が来た、が好きだった。あとのお話は忘れている。もう一度読みたい。

  • どことなく空虚な香りのする5篇の短篇集。
    内職をする平凡な主婦が飛び込んだニューヨークへの恋の逃避行を描いた表題作と、好きな人に見栄を張ってしまったことからその相手との関係が二転三転する「春が来た」がとくに印象に残った。
    ちなみに「春が来た」は、飛行機事故で早逝した向田さんの絶筆作品らしい。
    私はその時代に生きた人間ではないものの、こんな作品群を発表している最中に亡くなってしまったのがつくづく惜しいと感じてしまった。
    それだけ読み物としてシンプルに面白い。
    そして人間の深い業も感じる。
    嫉妬と欲望、猜疑心、見栄、そういう感情からくる人の行動。良きにつけ悪しきにつけ、最初は小さかったそれがある日突然小さな爆発を起こすように人を行動に移させる。

    「幸福」と「胡桃の部屋」は若い女が主人公で、偶然なのか何なのか、その父親がある意味とても素直に生きているがゆえにだらしない、という共通点がある。
    そしてその娘である彼女たちは、素直には生きられていない。自分を抑えるふしがあるところは、父親の反面教師的な部分があるのだろうかと考えたりした。
    そういうところもまた、業が深い。

    向田さんの作品は、小説も随筆も、さらっとしていて読みやすい。小説は、複雑だけど明快、みたいな相反する感想を抱く。人を行動に走らせる複雑な感情を表現するのが巧いのだと思う。
    業が深い女たちの世界。勝手に向田作品に抱いていたイメージは、そんなに外れていないのかも、と思った。

  • 初めての向田邦子。
    細部の上手さと台詞の絶妙さに唸った。
    短い作品ばかりだが、どれも読み終えてからも胸に痕が残る。
    音が印象に残る作品が多いのは、やはり脚本を書く影響だろうか。
    どれも映像化したものを見てみたくなった。

  • 昭和56年の単行本の文庫新装版。隣りの女、幸福、胡桃の部屋、下駄、春が来た。

    再版で読み継がれているすごい小説。昔の時代だなぁ、と思えるところも多々ありましたが、結構、ミステリでもあり、どんでん返しのブラックでもあり、全然ほのぼのじゃなかったのね。

  • 女の欲と業は存外深い。

  • 向田邦子、面白いではないか。日常のふとした描写、人物の心の機微や感覚が非常に研ぎ澄まされていて、かえすがえすもその早い死が惜しまれる……。
    しかし、今年に入っての向田邦子のマイブーム、そのきっかけがわからない……どうした、俺。

  • 年齢が近い 30歳前後

  • 背筋のぞくぞくが止まらず、気がつけば最後まで一気に読んでしまう向田さんのお話。特に表題作「隣りのおんな」はまるで映画を観たかのような臨場感でドキドキした。
    女であることを考えさせてくれるんだな。

  • 絶筆のさいごのことばが「さよなら!」って大きな声で言ってるの、めちゃくちゃ素敵じゃないですか。はからずも、ではあるけれど。

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著者プロフィール

1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2020年 『向田邦子ベスト・エッセイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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