森繁の重役読本 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2012年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784167277246

感想・レビュー・書評

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  • 脚本向田邦子の言葉を躍動させる森繁久彌の芸をラジオドラマとして聴けなかった私はこの文献から想像してニヤリとする。ちくりと皮肉をこめる生活の機微に日常の喜怒哀楽が見えてくる。"ザワザワする感情" と "平穏" は寄せては返す波のように繰り返す、そこに生きている実感がある。この描写を向田邦子はさらりとこなす。うまい。

  • 「向田邦子」のラジオエッセイ台本『森繁の重役読本』を読みました。

    『冬の運動会』に続き「向田邦子」作品です。

    -----story-------------
    この本は、作「向田邦子」、朗読「森繁久弥」の名コンビで2448回も続いたラジオエッセイの台本から選んで再編集したものである。
    その台本は散逸して永らく所在不明だったが、最近「森繁」氏が大半を保存されていることが分った。
    これは「向田邦子」のデビュー作であり、後に名作とよばれた小説やエッセイの種が各所に散りばめられている。
    -----------------------

    僅か5分の番組ですが、7年間(1962年3月5日~1969年4月19日)も続いた長寿番組のシナリオ台本だけに、小気味良いテンポのエッセイとなっていて、とても読みやすかったですねぇ。

    もの哀しく、ちょっと面白いお父さんや中年おじさん… 猛妻の尻に敷かれ子供らに疎んじられる「中年男の悲哀」を、うま~く表現してあります。

    でも、あくまでも台本は台本… 「森繁久弥」の朗読の方が、もっともっと愉しめたんでしょうね。

    ラジオで聴きたかったなぁ… と思いました。

    以前、仕事で外出することが多かった頃は、後継番組(多分?)の『小沢昭一の小沢昭一的こころ』は良く聴いていたんですけどね。


    本作品は「向田邦子」の実質的なデビュー作とのこと。

    さすがだなぁ… って、感じですね。

  • 再読。森繁久彌が朗読し2448回続いた5分間のラジオエッセイの台本の一部。同じキャラクターでよくもこれだけたくさんの台本を書けるものだと驚く。新聞の4コマ漫画のように登場人物の言動に安定感があり、それでいて飽きさせない面白さ。読み進むにつれて重役さんに愛着がわいてくる。これがデビュー作だとは。

  • ちょうどトットチャンネルを見ている時に読んでいたので、あの時代、森繁久彌が向田邦子に目をつけて一緒に仕事をし始めた頃の様子と、重役さんがエラかった時代をなんだかんだ古典落語でも読むような感覚で読み終えた。
    おそらく50代くらいの重役さんの存在感のあること。
    時代が違いますねぇ。

    それにしても向田邦子がもっと生きていたらなぁ。
    あのミムラもとても良かったなぁ。
    トットチャンネルはとても素敵な番組だった。

  • 向田邦子本格デビュー作。
    森繁久弥の朗読で2,448回続いたラジオエッセイの台本。
    インタビュアーと重役の会話を模し、時にその妻、社員などが登場する。
    森繁曰く、
    「“普通の人のくらしの中から、人間のもつ情けなさ、俗物根性、弱さをそっと取り出して、
    悪意なく俎上にのせて好意的に料理する”向田作品の魅力の萌芽に溢れた作品。」
    素敵な日本語で日本人の暮らしと心象を描く向田節と、洒脱な森繁節が聞えて来ます。

  • 森繁久彌が演じたラジオ番組の台本を再編集したショート・エッセイ集。1960年代の番組なのでさすがに時代の格差感は拭えないが、ストレートに「社長シリーズ」を思わせるエピソードの数々が楽しい。森繁さんの洒脱な語り口が聞こえてくるような文章も魅力的で、オンエアを聞くことができないのがとにかく残念。巻末に森繁さんが著者を藤本真澄氏に推薦して「社長シリーズ」の脚本を書かせた意外な逸話が紹介されているが、これもぜひ読んでみたかった。

  • 初めて向田さんの作品を読んだ。ドラマと同じような雰囲気が良かった。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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