やさしい関係 (文春文庫 あ 2-15)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167278151

感想・レビュー・書評

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  • 私はこの本をテレビドラマの原作ということで知りました。ドラマもよかったですが、本もよかったです。短編はすべて女性の名前がついていて、名前にちなんだストーリーが男性側の視点から語られるという形式です。
    何回も読み返しているのが『幸恵』です。妻を思いやる夫の気持ちにうたれます。『勝子』もおすすめです。物語の後半、「恋愛結婚にはかけがえない長所があるわ」という勝子のセリフをぜひ読んでみてください。
    詳しくはこちら http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120226/1330203754

  • 他人に依存せずに、精神的に自律している、若しくは経済的に自立している大人の関係。
    直截的でなくお互いのことを気遣う関係。
    いいなあとと感じます。

  • 心が綺麗になるような優しい恋愛ばかり。こんな大人になれたらなって思えるような、等身大の大人ばかりだった。全ての短編が大好き。何度も泣きそうになる。

  • 男と女のはなし。
    阿刀田さんの本で、ショートショートにはまった。

    ぜひ時代物も書いてほしいな。どんな話になるだろう?

  • 阿刀田 高の【やさしい関係】を読んだ。

    阿刀田 高の著書を読むのは初めて。【小説現代】で連載されている「ショート・ショートコンテスト」

    の審査員としてその名前を知ってはいたが、作品を読んだことはなかった。

    【やさしい関係】そのタイトル通り、やさしい関係が詰まった12編の短編集である。

    特記すべきは12編の短編すべてのタイトルが女性の名前であることだろうか。

    勝子・寛美・貴代・明日香・花恵・映子・十詩子・直子・夫佐子・笛子・玉枝・幸恵。それぞれ主人公で

    あったり、妻であったり、恋人であったり、愛人であったり、昔の恋人であったり描かれ方は様々だが、

    名は人を表すと言うべきか、名前に関わるような事柄で物語が進み興味深い。

    男と女の関係は「愛」だけでは語りつくせない。やはり根底にあるものは、人と人との関わりにおけるバ

    ランスだ。

    相手のことを思いやり、助け合うというまさしく「やさしい関係」。

    読後には、心の奥にポッと柔らかで温かい火がそっと点けられたような気分になった。

    「恋愛小説」と胸を張って言えるほど、激しい恋の物語ではない。ほんの小さな恋心や、切なさや、やさ

    しさがぽつ、ぽつと置かれた物語である。

    男と女の数だけ恋の物語はある。誰一人として、まったく同じ形の恋をすることはない。それなのに、恋

    をすると皆同じような喜びや幸せや悲しみを感じ、立場は違えど共感を呼ぶセンテンスがある。

    「恋は魔法」そう呼ばれる由縁なのかも知れない。

    阿刀田 高の作品を初めて読んだと冒頭で述べたが、なかなかにスマートで心地よい文章だった。

    人間関係に行き詰まりを感じている方には是非、お薦めしたい1冊である。

  • 一章ごとに話の中心となる女性の名前がつけられている。倦怠期の夫婦や恋人同士、昔の女性が忘れられない男・・・登場する人物は様々。ただ、一様に読んだ後に気分がすっきりして。自分もこんな関係を作れたらな、と考えてしまう。
    煩雑な世の中で題名の通り「やさしい関係」を求める人におすすめ。
    阿刀田高は、読後の爽快感という点で非常に好きな作家の一人だ。

  • 短編集。全12話。

    ふむ。まぁおもしろかった。ぎり×2ストライクって感じ?(笑)

    特によかったのは、『勝子』かな。こういうの読むと、夫婦っていいな〜と思う。

    恋愛中心の人生は嫌だけど、恋愛のない人生も味気ないよね。恋愛って、人生をちょっぴり味わい深くしてくれるエッセンスって感じなのかもな。

  • 女性の名前がタイトルになっている短編集。昔、つきあった女性だったり、奥さんの名前だったり、主人公の名前だったり。どれも、おもしろかったけど、「直子」の話が一番心に残ったかな。

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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