群居せず (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1988年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784167281052

感想・レビュー・書評

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  •  挑戦的作家、丸山健二さんのエッセイ集。「田舎暮らし」についての執筆が多い印象のある著者だが、本書はそれだけにとどまらず幅広い丸山節が聞ける。特に単車についてのエピソードなど著者の新たな側面を見ることができた。

     とにかく常識に対して鋭い牙を向けている著者のような思想は、多くの人間からは怒涛の罵声を浴びることは間違いないが、ツボに入った人達にとってこれほど痛快な論調はないだろう。丸山さんのようなタイプの人の文章を読んでいると、キレイゴトしか語らない人物への軽蔑が加速する。

     こうした考え方は少数であることに価値があるのかもしれない。それ故か著者本人も自らの思想を普及させるということよりも、自分の主張を邪魔しないでほしいという願望のほうが強いように感じる。

     周囲から多くの非難を受けながら孤立し「自分は本当にこの世界で生きることはできないのではないか」といった絶望が襲ってきたとき、本書は干上がった精神に非常に有効な福音となる。ただ、ときどき読者自身に対してのキツイ一言を喰らうこともあるので油断は禁物。

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著者プロフィール

1943年、長野県飯山市に生まれる。仙台電波高等学校卒業後、東京の商社に勤務。66年、「夏の流れ」で文學界新人賞を受賞。翌年、第56回芥川賞を史上最年少(当時)で受賞し、作家活動に入る。68年に郷里の長野県に移住後、文壇とは一線を画した独自の創作活動を続ける。主な作品に『雨のドラゴン』『ときめきに死す』『月に泣く』『水の家族』『千日の瑠璃』『争いの樹の下で』ほか多数。また、趣味として始めた作庭は次第にその範疇を越えて創作に欠かせないものとなり、庭づくりを題材にした写真と文章をまとめた本も多い。また、2020年に「いぬわし書房」を設立し、長編小説『ブラック・ハイビスカス』(全4巻) を、23年、『風死す』(全4巻) を刊行。出版活動のほか〈丸山健二塾&オンラインサロン〉や〈丸山健二文学賞〉なども運営している。

「2024年 『言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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