暁の群像 豪商岩崎弥太郎の生涯 (下) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2010年1月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167282233

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歴史的な転換期である幕末から明治にかけての日本を背景に、主人公・岩崎弥太郎を中心に描かれる物語は、当時の英雄たちの生き様を鮮やかに浮かび上がらせます。著者は史学教授であり、緻密な情報と生々しい描写が特...

感想・レビュー・書評

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  •  下巻は、主に明治初期の政治、経済、振興財閥などについて成り立ちや事件について記述している。
     弥太郎は明治新政府の保護のもと海運業界の覇者と成り、着々と個人の資産を増やしていった。
     後藤象二郎から任された土佐商会をもとに自分の商売の基礎を築き、やがて土佐藩から独立し、三菱商会を立ち上げた。
     三菱商会は完全に弥太郎個人の資産で成り立ち、そのワンマン経営により、外国資本との競争、官営事業との競争に勝ち、その資産力は明治政府も太刀打ちできない膨大なものとなった。
     三菱はその強大な資産力によって、海運業において独占的な立場を利用し利益を貪っていた。同業他社がつぎつぎに潰れるなか、三井物産は三菱に対抗しようとして半官半民の郵便蒸汽船会社を設立したが太刀打ち出来なかった。
     三菱は海運業の他にも、鉱山業、製造業などへ手を広げていった。
     三菱の鉱山での描写に以下のような記述がある。
     鉱山での鉱夫が足りなくなると騙して連れてきた。
     少しでも休んでいるものは棍棒でぶん殴り、反抗すれば鉱夫を梁に吊るして棍棒で殴打した。
     コレラが流行ったときは、発病して一日経った者は浜辺の焼場に送って、大鉄板に載せられ、生きたまま五十人まとめて焼かれた。
     当時の三菱鉱山は、今では考えられない事が起こっていたようだ。
     なりふり構わない、弥太郎のワンマン経営は、経営の危機を何度か乗り越え、強大なものに成っていった。
     明治が生んだ経済界の怪物といえる人物の生涯と絡めて、その政局や周りの人物との係わりを含めて表した本著書は大変面白かった。

  • 岩崎弥太郎の生涯だけでなく、周辺の人々の話もある。

  • あまり知られていないが面白かった。三菱はこのワンマン経営から引き継いでしっかり生き残っているんだな。

  • 弥太郎を中心に綺羅星の如き幕末の英雄たちを描く後編。
    筆者は史学教授の肩書もある為、情報が緻密で生々しく、面白い。読んでるだけで歴史の勉強になる。
    特徴として、幕末の英雄たちを史学者の視点で冷静に見てるのが面白い。裏金は渡す、女は抱く、要らなくなったら斬る、とやりたい放題で、手前の保身しか考えていない連中ばかり。勝海舟や坂本龍馬ですらそんな感じで描かれているものの、ふと考えると、江戸末期のルールも何もあったもんじゃない時代なら、それも当たり前かも…と考えさせられた。
    とりあえず、弥太郎は接待しまくるクソ野郎として描かれているものの成功しているが、成功していない三橋くんとの対照が印象的。

  • ノンフィクション小説?

  • 1

  • 弥太郎の経営方法に圧倒された

  • 歴史的に日本の最大の転換期となる、幕末〜明治を書いた本。そんな時代だからこそ数多くのスターが産まれる。この本の主人公は岩崎弥太郎。誰もが知っている大企業の創業者。サイドストーリもかなり凄い。善悪を越えて憎めない人物にかなりひかれた。個人的には幕末という時代を主人公を中心に描いたのがこの小説だが、もう少しよって欲しい気もした。

  • 今まで読んだ歴史小説はたいてい、面白くするために脚色することが多い気がするが、この本は違う。非常に冷静に書かれている。岩崎弥太郎。三菱を作ったすごい人(偉い人)くらいにしか思ってなかったが、なかなかどうして。この本を読むとイメージががらっと変わる。一読する価値あり。

  • 場面ごとに視点が替わるのに違和感がなくて、幕末明治のスライドショーを見ているみたいな感じ。
    解説の通りに誰にも「肩入れ」してないから、読みやすく面白く読んだけれど、誰も嫌いにならなかった代わりに、特に好きにもならなかったな、と。

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著者プロフィール

明治四十一年(一九〇八年)、東京・銀座に生まれる。代々医師の家の生まれ、東京大学法学部、経済学部を卒業。小説家のほかに経済学者の顔を持ち、長く大学で経済学の教鞭をとる。昭和三十一年「燈台鬼」で第三十五回直木賞を受賞。一躍人気作家となり、時代小説、歴史小説を執筆するようになる。デビュー作『出べそ物語』、『子守の殿』(オール読物新人賞)『細香日記』で吉川英治文学賞を受賞。人気シリーズとして「月形兵庫シリーズ」はよく映像化されている。昭和五十四年(一九七九年)死去。

「2023年 『傍若無人剣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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