僧正の積木唄 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2005年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784167284077

みんなの感想まとめ

日系移民と戦争の問題を背景に、若き日の金田一耕助がアメリカで繰り広げるミステリーを描いた作品です。横溝正史以外の作家による金田一の物語は非常に珍しく、独自の視点から当時のアメリカ社会をリアルに反映して...

感想・レビュー・書評

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  • 横溝正史以外の筆者が公式に金田一耕助を主人公にして描いた唯一の長編作品。金田一耕助の渡米時代に焦点をあてて、日系移民と戦争の問題とを絡めてシリアスに描いている。敬意が遠慮になったのかもしれないが、いつも山田節にいまひとつキレがない。それでも密室や遺体をつかったトリックはさすがにうまい。横溝ほど凄惨に感じられないのは、筆致の違いかもしれない。

  • 若き日の金田一耕助のアメリカ滞在というは、ホームズの日本訪問くらいパスティーシュのネタとしては、使いでがありそうなのだが、あんまり作例がない気がする。本作はその数少ない例で、当時のアメリカ社会の実相を織り込んで、物語の裾野はかなり大きい。SFのガジェットは登場しないけれど、発想がSFの人だなあという気はする。

  • 全米中に反日感情が渦巻く第二次世界大戦前のアメリカ・ニューヨーク。
    「僧正殺人事件」が名探偵ファイロ・ヴァンスによって解決されて数年たった。
    マーカム地方検事は、ある事件の意見を聞くために、ノーベル賞受賞者の科学者アーネッソン教授の家に訪れた。
    約束の時間になっても、家の扉が閉まったまま。
    そこに給士人の橋本が現れ家に入ると、爆殺されたアーネッソンと思われる死体があった。
    爆風で体に穴が空き頭部も判別できないほど無残な死体だった。
    警察は、すぐに調べ始める。
    現場に残されていたメモには、アインシュタインのエネルギーの公式の他に解らない公式が書かれていた。
    さらに冷蔵庫に頭部が切断され入っていてそこには、「僧正」の署名入りのメモが見つかる。
    封筒には、橋本の指紋があり、以前の事件でも被害者の給士人をやってた橋本は、警察に連行される。
    反日感情もあり、橋本は犯人と決め付けられたのだ。
    在米日本人の比奈博士の息子は、久保銀造の紹介を受けて橋本の無実を晴らすためにある人物を呼び寄せる。
    サンフランシスコの一室で麻薬中毒だった若き日の金田一耕助だった。
    「僧正殺人事件2」と言われたこの事件をアメリカに居た金田一耕助が挑む。

    S・S・ヴァン・ダインの名作「僧正殺人事件」と横溝正史の金田一耕助シリーズをダブル・トリビュートした作品がこの作品です。
    読むの疲れたけど(活字が多いのね)なかなか面白かった作品でした。
    「本陣殺人事件」で若き日の金田一耕助がアメリカに居たって事が書かれてたんですね~。
    ちょっと驚きでした。
    ん~チャレンジする人いますか?

  • ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』をこき下ろす話。
    マザーグースのわらべ歌にしたがって殺人の起こる『僧正殺人事件2(アゲイン)』を金田一耕介が謎を解く。ファイロ・ヴァンスの衒学的哢弁にうんざりしたことのある人は「うんうん、飛躍しすぎだし、探偵がかき乱してるよね!」と思うはず。金田一耕介もたいがい引っ掻き回すキャラだけど、この作品ではわりと推理してる……か。だが、犯人に納得は出来ず。本家僧正と同じで納得できない……でも、面白かった。

    金田一耕介が阿片吸引者って設定は別に要らないでしょ。
    そんなにホームズに仕立て上げたいのか?!

  • (2008.4)

  • ヴァン・ダイクの『僧正殺人事件』と金田一へのオマージュ的ミステリ。第二次大戦間際のアメリカ日系2世の環境もあいまって中々深いデス。『僧正〜』を先に読んだ方がより楽しめますが、ダマサキミステリ独特の展開に慣れた人ならそのままGO!

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著者プロフィール

1950年生まれ。74年『神狩り』でデビュー。『地球・精神分析記録』『宝石泥棒』などで星雲賞、『最後の敵』で日本SF大賞、『ミステリ・オペラ』で本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞を受賞。SF、本格ミステリ、時代小説など、多ジャンルで活躍。

「2023年 『山田正紀・超絶ミステリコレクション#7 神曲法廷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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