松風の家 下 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1992年9月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167287054

感想・レビュー・書評

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  • 後之伴家の長いストーリー。
    明治の始まりに衰退し、窮乏した家元が
    貧しさの中でも、格式を保ち、人としての品格を保ち、
    一族を盛り立てていくべく生きていく姿、
    茶道の美しさ、人としての生き方、心持ちのあり方など
    学ぶところがたくさんあった。

    何度も読み返したい名作。

  • 下巻の前半は上巻に引き続いての話。
    凋落していた後之伴家も十三代の円諒斎が東京より妻子を引き連れて帰郷。
    時代の流れも手伝って少しずつ家は持ち直していく。
    それをさらに後押しする出来事も重なる。
    そんな折、主人公の由良子は夫を亡くし、年月を経た後、義姉の弟と再婚する事となる。
    そして、物語の中盤からはやがてこの後之伴家に嫁ぐこととなる女性、紗代子の話に変わる。

    前巻からずっと由良子の話を追っていたので、いきなり別の女性が主人公になっても気持ちが入り込めませんでした。
    茶道の家元の話のせいか、これを読み終えて「一期一会」というものを感じました。
    この物語では色んな人の死が描かれていますが、その死というものを通してその人の生き様が見えてきますし、出会いというものの不思議な縁を感じました。
    それを思うと、何故家元と外の女性との間に生を受けた、普通なら歴史に埋もれる存在である由良子という女性にスポットライトを当てたのかが分かるように思いました。
    それともうひとつ、茶道というものを通して感じたこと。
    多分、茶道や華道というものは人をもてなす心から生まれたものだと思いますが、それを常日頃から身につけている人というのは、人に対する気遣いができるし、それを感じられる感性が養われているのだと思いました。
    それは由良子の再婚相手となる男性、そして幼くして十三代目を継いだ円諒斎のふとした目のつけどころから感じる事ができます。
    だから昔の人が嫁入り前の娘に茶道、華道を習わせていたというのは理にかなった事だったのだな~と思いました。
    形から入り、それに行動がともない、そこに心が添ってゆく。
    この本を通して、そういう事を改めて学んだ気がします。

  • 何度となく唇を噛みしめ涙をこらえた(下)だった。
    良質の物語を読んだ幸福を感じられた作品だった。
    全てをきちんと解き明かすのではなく、ある部分は曖昧になっている部分でさえも、それでいいと思った作品は初めてかもしれない。
    時代を経ていく人間模様も、すんなりと自分の中に落ちてきた。
    宮尾登美子さんの他の作品もぜひ読もうと思えました。

  • 不秀が亡くなるところは毎回読む度に泣けてしまう。 そこでもやっぱり真鏡院の温かい言葉。 大好きな本。

  • 上巻は暗い展開ばかりでなかなか進まなかったが、下巻の展開には引き込まれた
    加藤家の話で再びペースは下がったけど、紗代子の運命にも涙なしには読めなかった。
    後伴家の伝統の中に生きた由良子の生涯もなんともいえない切ない読後感があってそれもよかった

  • 茶家の事情もそうだけど、明治時代の日本人がどんな考えを持って生活していたのかを知ることもできたし、あちこち感情揺さぶられるところもあって名作だった。
    由良子も大変な思いして不秀の件はかわいそうだったし、加藤家の女性たちも大変だったし、蕕子の気持ちもわかるし12だいの気持ちもわかるし、益子が紗代子にやられたように当たるのも面白い。人が歳を重ねて生きていくことがどういうことか、人生とは夢のようだと改めて思った。

  • 素晴らしいですね、血の繋がりについても考えさせられます。
    家族とは何なのでしょうか?と深く考えさせられた本です。
    内容は、宮尾さんなので文句なし!


  • 裏千家の裏事情を読み解いている気分になって面白かった。

  • 休憩無しで読める作品。退屈させない、疲れさせない、といって無我夢中になるという感じでもない。方言や昔言葉を状況に応じて使い分け、物語人物の生に奥行きと重みがある。読み終わるのが名残惜しく、またいつか読みたいと思った。

  • 2016/04/27完讀

    下卷由良子和北家嫡男盛行結婚,後之伴家也漸漸出現餘裕。仙台出身的紗代子被靜靜齋看上嫁入後之伴家(沒想到益子也會虐待媳婦)。與由良子一起度過最悲慘歲月的人們漸漸離世,下一代也相當可靠,最後由良子也放心地和丈夫搬離這個大宅院。

    **
    這本書感覺上很像喜愛阿信的讀者群會喜歡的調調。不能接受命運,苦命或者被欺負,接著眼淚吞落腹肚內決定接受命運但還是會偷偷哭,最後終於戰勝命運,一家和樂融融,最後就安心離開。這簡直就是晨間連續劇的標準劇本。只是看到最後,由良子和舜二郎再說,終於只剩下我們兩個了,令人感慨。由良子幾乎送走了和自己同甘共苦的身邊所有人,俊末就像連續劇最後眾人凋零的感覺,感覺好像讀了一個大河繪卷。不過,當女人不能選擇自己的人生的年代,除了當虐待媳婦的達瓜以外就只能當阿信,這樣的圖式還是有點刻板,我相信作者是寫得非常非常含蓄,畢竟也涉及實在人物,只是不知為何還是有一種隱藏在底流的強烈價值觀,揮之不去,一種過度簡單的圖式,雖然我想她並未鼓勵或者再建議什麼。人是挑戰命運與制度才是堅強,還是忍受命運並且在框架活出自己比較堅強?或許這本書,或者絕大部分這個國家的晨間連續劇,都只在鼓吹後者,後者有後者的堅強,但是也隱然地可以看出這個國家並不歡迎前者的存在(這也是隆氏作品多麼讓我熱愛驚豔的原因),讀完這本書對由良子委從命運並獲得這麼多人,尤其是猶子最大的信任這點肅然起敬,但是對於舊家那種好像建築數百年帶著濕霉而逃離不掉的鬱悶氣氛感到沉重。守護家名這個莫名的包袱,有時候讓家比人更加重要,人只不過變成一個小螺絲釘,甚至在其中被壓垮,這種陰濕的沉重感,讓人喘不過氣來。而舊家這塊招牌又帶給在位者多大的責任,和多大的威光(儘管可能只是一個庸奴)。無論如何我尊敬這個制度,但很難在這樣的制度裡存活吧。

  • いい終わり方だった…。

  • 江戸時代から明治初期にかけての茶道宗家の衰退から再興の物語。読み始めこそ、家系図を頼りに登場人物を追って読み進めましたが、物語の展開、描かれる人間模様、登場人物一人ひとりの心の動きの細かい描写に惹きこまれ、上下巻一気に読み終えました。幾つもの場面で取交される会話から人としての礼節、慎み、人生を生き抜いていく為の教えなど、改めて気づきを与えてくれました。時代の変革期を生き抜いていく登場人物の様は、読み手に大きな満足感を与えてくれます。茶道をしている方なら是非、手にとって頂きたいと思います。

  • 名家の栄華も衰退も復興も時代の流れに沿ってなんだか絵巻物のようにさらさらと読める。

  • 最後にぐっと来ました。芯のある女性に憧れます。

  • 千家の凋落から復興まで、かなり長い時間軸を描いた絵巻物のような世界を飽きることなく読ませる宮尾さんは凄い。
    とても興味深く最後まで一気に読めました。
    すべてが事実ではないとしても、きっとこんな歴史も千家にあったんだと思え、読後は今まで以上に親しみを感じました。

  • 宮尾 登美子の小説では、これと、序の舞が気に入っています。  特に、松風の家は、すでに再読しました。  さらに再読してみたいと思っています。  

    私がこんな風に感じた小説はそんなに数多くはないのです。 洋書では何冊のありますが。 

    日本の小説では、これ以外には、池宮彰一郎の47人の刺客、天下騒乱の2冊くらいかな。

  • 京都弁で夢を見てしまいました。
    上巻は貧乏時代だし親達の話が多いけれど下巻は漫画の福家堂本舗のような老舗の恋、という印象。
    あとがきで阿川(父)が書いていた細雪を恥ずかしながらまだ読んでいないので読んでみたい。

  • 2011.8.歴史に学ぶ読書会

  • 細かいことはすっかり忘れてしまったのですが、確か江戸時代の茶道家の世界の話。お茶会を開くこと、そのときに配るものを用意することの大変さとか、実はお金がすごくかかるけどプライドは捨てられないくてこっそり大事なお道具を売ってお金にするとか、ふーーん、へえーーそうなんだー、と思いながら読んだような。茶道をやっている人に勧めたらものすごく面白かった!と喜ばれました。ああもう一度読みたくなったな。2003年6月読

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著者プロフィール

1926年高知県生まれ。『櫂』で太宰治賞、『寒椿』で女流文学賞、『一絃の琴』で直木賞、『序の舞』で吉川英治文学賞受賞。おもな著作に『陽暉楼』『錦』など。2014年没。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮尾登美子の作品

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