二十三の戦争短編小説 (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167291068

感想・レビュー・書評

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  • 『AX』に引用された「プレオー8の夜明け」を収録。第二次大戦前から南方戦線の兵士として派遣された著者だが、当時の国内の雰囲気に流されることなく、戦争に対して醒めた視線を持ち続けられたのがすごい。幹部候補落第生、虚弱、下級兵士であったことが功を奏したか、最前線に送り込まれることなく戦争から生還。南方戦線の悲惨さ、日本軍の暴虐、従軍慰安婦の姿を、冷静な筆致で描く。1969年「墓地で」から95年「真吾の恋人」までの23編は、エッセイが3/4の割合だが、このような戦争体験を読むのは初めてで、とても良かった。

  • 作者が30年にわたって書き続けた短編集成。
    この作者は50才近くになってから小説を書き始めたようです。
    神経的な興奮のない、安定したリアリティのある叙述は、そういうところからもきているのかもしれません。

    作者の日常を描いた私小説風の作品もあって、それはそれで面白かったです。

  • 戦争を語る偉い人は読むべき本だと思う。偉くない人ももちろん

  • 以前に、新聞の記事を読んで、読んでみようと思った。二十三の短編を全部を読んでは、いないが、こころに、ひっかかるものがある。戦争体験を、こうして学習?しなければ、忘れさられてしまいそうで、おさえておこうと思った。時代を見つめる目とともに・・・

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著者プロフィール

古山 高麗雄(ふるやま・こまお)
1920年、朝鮮新義州生まれ。2002年没。旧制第三高等学校文科丙類中退。42年に召集され、東南アジア各地を転戦。47年復員。河出書房など出版社勤めを経て、雑誌「季刊藝術」の編集に従事。70年『プレオー8の夜明け』で芥川賞、94年『セミの追憶』で川端賞、2000年『断作戦』『龍陵会戦』『フーコン戦記』の戦争文学三部作で、菊池寛賞受賞。

「2021年 『文庫 人生、しょせん運不運』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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