妻の部屋 遺作十二篇 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167291075

感想・レビュー・書評

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  • また、久しぶりに読了した。もっと本を読みたいのにね。何はともあれ。
    先生から教わった古山高麗雄。先生は、学生時代に文藝誌を読んでいて、たまたまこの人の作品に目を留めたらしい。
    その後、レジュメで物皆物申し候を貰って読んだ。自分でプレオー∞の夜明けを買って読んだ。安岡章太郎の悪い仲間だと教えて貰って、心躍った覚えがある。
    悪い仲間当時の交友を語る前半の作品が好きだった。特に「来し方ばかり」では、古山の友人と戦前の僅かな時期に恋仲だった女性を語り手にして当時を語る。これが良かった。その後長年連れ添った夫よりも、古山さんが定期的に友人の話をするたびに当時の思いや見ていた景色を思い出す。

    晩年の妻との話、戦時中の話と、古山の様々な側面を知れる良い一冊だった。

  • サブタイトルは遺作12篇。
    最後の小中編を集めたもののようだ。

    「日本好戦詩集」でも書いたが、小説家としての衰弱がはなはだしい。

    代表作となった戦争三部作「断作戦」「龍陵会戦」「フーコン戦記」の舞台となったビルマ(現ミャンマー)を訪ねた時の取材記録、「私のフーコン旅行記」はさすがに読ませる。

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著者プロフィール

古山 高麗雄(ふるやま・こまお)
1920年、朝鮮新義州生まれ。2002年没。旧制第三高等学校文科丙類中退。42年に召集され、東南アジア各地を転戦。47年復員。河出書房など出版社勤めを経て、雑誌「季刊藝術」の編集に従事。70年『プレオー8の夜明け』で芥川賞、94年『セミの追憶』で川端賞、2000年『断作戦』『龍陵会戦』『フーコン戦記』の戦争文学三部作で、菊池寛賞受賞。

「2021年 『文庫 人生、しょせん運不運』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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