離婚 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2011年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167296087

みんなの感想まとめ

離婚した夫婦が再び同居するという複雑な関係を描いた作品は、経済的な理由や寂しさから生まれる不思議な縁を探求しています。著者の独特な生き方が反映されたこの物語は、夫婦でありながらも互いに依存し合う姿をリ...

感想・レビュー・書評

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  • 色川武大文学忌、雀聖忌。伝説の打ち手の作家。
    色川武大といえば、阿佐田哲也での「麻雀放浪記」だけど。「麻雀放浪記」といえば、真田広之がキュートだったけど。
    第79回直木賞本名での「離婚」
    阿佐田哲也的、痴人の愛。
    私小説かなと思っていたけど、そうではないらしい。
    深刻ぶるのはよそうぜ、と離婚した元夫婦の切れない不可思議な縁。
    流れに逆らうでもなく、厭世的でもなく、かといって順応するでもない自然体の男。
    どうしても本人っぽいけど、妻の実体はないらしい。

  • 離婚した夫婦が経済的な理由や寂しさから、また同居を始めるというお話。
    夫婦でもないのに男は女を養い、女はハチャメチャで好き勝手なことをして
    男に金をねだる。
    だらしない関係と言えばそれまでなのだけれども、
    人間、理性で割り切れることばかりではないからね。
    こんなズルズルの関係けっこういるかも。

    結局この男は女にめちゃくちゃ惚れてるんでしょう。
    女はお金だけが目当てじゃないかもしれないけど、
    もし男にお金がなければ、また一緒に暮らすこともなかったと思う。
    早く言えば金ヅルですね。
    そうとも知らず、まるで保護者のように振る舞う男は
    なにがしかの満足感があるのだろう。
    男はいつもおめでたくて、優しい生き物なのです。

  • 「奇妙」な形をとる、とらざる得ないパートナーとの関係、あるいは少女たちの保護者として“遊園地”を見るように彼女たちを見護るような生活は、作者も含む登場人物各人の性質、生き方によるもので、それは、わたしには出来ない、と思わせるものだけれども、その性質やそれに従い思い通りに生きたいという思いはわたしのなかにもたしかにある、とも思えるものでもあって。自らの性質に翻弄されているようにもみえる作者や登場人物たちの生き方には、実は芯や核のようなものがあるようにも思えた。その核も覚悟もないわたしには、彼らのような生き方はやはり“出来ない”と思う。その思いには羨望や少しの嫉妬も含んでいる。だから出来ない者のわたしは小説を読み、いっときそんな生き方、生活に思いを馳せる、のかも知れない。

    丁寧で落ち着いた語り口は、言い回しや単語に時代を感じるけれど、同時に現代の小説に感じるよりも自然なキャッチーさのようなものを感じていて、小説、文章自体の読み心地もとても良かった。この作家はやはり好きだな、と思った。

  • エッセイのうらおもて人生録のタッチとは別に、男女の距離感や心理変化の描写に惹き込まれ、とても面白かった。
    時代も感じさせられた。



  • 「お妾にしてくんない」と転がり込んできたすみ子と、なんとなく同棲生活をはじめ、なんとなく結婚し、なんとなく離婚する。
    その後も、すみ子と誠一の奇妙な同居生活は続いていく。

    生活力もなく完全にめんどくさくて駄目人間なすみ子を放っておけない誠一の視線が、分かるような分からないような。

    経済的に自立することと精神的に自立することと、結婚の意味を考えてみたりする。
    現代だったら、すみ子はどう生きるだろう。

    「妻の嫁入り」のすみ子がかわいい。
    どこまでもキュートで自由奔放。

    〝いいさ、いつまでも居ろよ〟

    白黒つけない。つけられない。そうやっていられるのはやっぱり根底に惹かれ合う気持ちがあるからじゃないのかな。

    あと「少女たち」を最後に持ってくる構成すごい。

  • 「妻たちの嫁入り」「少女たち」が良い。

  • 白黒はっきりつけられない、何とも名前のつけようのない間柄の男女が描かれている。(これは誠一・すみ子だけでなくベティとの関係においてもそうだと思う)
    誠一・すみ子それぞれにイライラさせられるものの、どちらもなかなか精神的に成長しない部分に人間味を感じて親近感を抱いてしまった。
    お互いに、自身のみっともないところをさらけ出しきっている関係は居心地のいいものなのだろう。

  • 日常で感じる些細な感情は言葉にしないし、できないと思うのですが、それが表現されているような気がしました。

    結婚が絵本のようなものじゃなくてもっとリアルなもの、そんなに白黒つけられない感情で成り立っていることを感じました。

  • 私自身が絶賛離活中なので、そのものずばりのタイトルのこの直木賞受賞作を手に取りました。
    でも、結論から言うと、これは子どものいない都会の男女の離婚劇(または結婚劇)ですよね。
    それ自体を否定するわけではないけど、10歳の子がいる私にとって参考になるものではなく、ただ都会的自由を謳歌するトレンディドラマのようだなと思いながら読みました。

  • 私たちは何度もおろしました。という段落の始まりには度肝を抜かれた。
    全体としては、腐れ縁や情とはこういうものかという。

  • 離婚という形を取っているものの、
    別れてからもお互い行き来をしていて結婚していた頃よりも
    お互いに気を遣い合っているという不思議な男女の関係です。
    元妻は女性という性別でいけば女らしい生きものかもしれないですが、
    結婚という形をとるには相応しくなかった相手なのかもしれないです。

    この男性もまた他の女性を好きになりながらも、
    それ程欲を出すことがなく、
    女性だけでなく人生全体に対して無難に
    ゆるく生きているような感じがして
    良いのか悪いのか分からない雰囲気でした。

    けれど遊園地という自分の理想郷のようなものが
    身近にあったりして危うい気配もあったりしたので
    それ程女性には苦労しないタイプなので
    こんなにぼんやりとしているのかとも思えました。
    このぼんやりとした感覚をもしかしたら楽しんでるのかもしれないです。

    こうなると結婚という形は今も法律上だけの問題という考え方もあり、
    どんな形であっても一緒にいて心地良い人であれば問題ないのかと思えました。
    この作品は昭和50年代なので、
    この時代に現代のような考え方が生まれるというのは先を
    読んでいたのかと思えてしまいました。
    離婚ということよりもむしろその先の生き方をどうするかということも
    テーマであった気がします。

  • 「離婚」「四人」「妻の嫁入り」の連作と短編「少女たち」収録。

    「離婚」シリーズは、フリーライターの男が、すみ子という女性と結婚後6年を経て離婚、しかし生活力のない彼女を放っておけず結局面倒をみるうちに、別居しているにも関わらず寄りを戻すような形になり、すったもんだでずるずるといつまでも別れられない、男女の腐れ縁の話。

    正直、生活力がないのに無駄遣いだけは得意で金と男に依存しっぱなしのパーティピーポーすみ子には、同性ゆえか嫌悪感しか感じなかったので、主人公の寛大さに感心した(笑)子供もいないのに別れた妻に月30万円払うってすごい。私が旦那なら、こんな妻は蹴り出してすっぱり別れるけれど、男って、こういう女がそんなに可愛いものなの?それとも単に相性の問題なのだろうか。まあ本人が幸せなら他人がとやかく言うことではないのかな。すみ子は好きになれないけど、男女の機微としては面白かった。

  • あまりに乱暴にかいつまんてしまうと、フラフラした女とフラフラした男が、ただ一緒にいる話。ふたりして世間から浮遊してる中、ただ一緒にいる、ということがスゴイ。愛情でなくても情で男女はつながる。

  •  すみ子を羨ましく思ってしまった。自分勝手でありながら精神的に強くないすみ子には、好きとも嫌いともつかないけど、でも放っておけず優しくしてくれる誠一がいる。誠一は冷めてはいるけれど、それでも確かにすみ子を愛してしまっているのではないかと感じられ、その二人のつながりというのはひょっとしたら相思相愛の正当なカップルよりも強いのではないかと思ってしまったからだ。決して共感はできなかったけど、こういう形もあるのだなと思う恋愛小説だった。

  • 離婚に至るまでの辛い経緯を愚直に書いている本かと思ったら全然テイストが違ってて、奥さんのぶっとんだキャラと週刊誌記者である主人公を中心とする緩くて不思議な物語集だった。

  • 第79回 昭和53年上直木賞受賞作。四編の恋愛短編集。著者は阿佐田哲也(あさだ てつや)の名でアウトローの男たちの戦いを書いているが、色川 武大(いろかわ たけひろ)の名で書いたこの小説は日常での女性たちとの戦い?が描かれている。しかし『麻雀放浪記』での洒落た物言いをしない男言葉での語り口調は、この小説でも健在であり同じ作家であることを認識できる。ドサ健ファンには一読をおすすめ。しかしこの本の私小説の内容は、直木賞よりも芥川賞のほうが相応しいように思う。
    収録作)離婚/四人/妻の嫁入り/少女たち

  • 離婚した夫婦の話。

    形が変わることで
    いい関係でいられるなら
    それはそれでいいではないか。

  • 新宿紀伊國屋書店の本のまくらフェアで購入。
    普段なら絶対買わないかんじ。

    フリーライターの主人公が、生活力のない女と結婚し、破綻して離婚したのち、まだずるずると同棲したりする話。
    昭和なかんじ。

    遅滞なく読めたのだからつまらなくはなかったと思うんだけど、別段おもしろさも感じなかった。

    新しい本との出会いという意味では今後につながらなさそうです。

  • すみこはかわいい女性だが、まるで進歩がない。誠一は夫から元夫になってすみこへの愛情が、保護者のような愛情へと変化していく。
    感情の赴くまま行動するすみこを、羨ましくもあるが、嫌悪感を抱く。話の流れとして、同じことの繰返しのようでつまらなかった。が、微妙に変化していく誠一の気持ちに興味がわいた。

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