男装の麗人・川島芳子伝 (文春文庫 か 4-5)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167298050

作品紹介・あらすじ

清朝の王女に生まれながら日中十五年戦争に運命を狂わされて“東洋のマタ・ハリ”として銃殺された女性の素顔を、現存の兄妹の証言や新資料をもとに戦後はじめてあきらかにする。

感想・レビュー・書評

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  • ・男装の麗人として色々な作品に登場したりもする川島芳子についてカミサカさんが掘に掘り下げた一冊。
    ・時代に翻弄された、という一言がここまでピッタリくる人物もいない。清朝の血を引き、日本で育ち、満州で活躍し、中国で処刑される。けど、きっとその素顔は哀しい女性。
    ・17歳で女を捨てるほどの何かがあった。下衆の勘ぐりではやはり義父である川島浪速との性的関係を考えてしまうし、著者もそれをほのめかしている。
    ・虹色のトロツキーにも登場するが、あれはきっと安国軍の時の彼女か。この本だとあまりその間の詳しい描写はない。
    ・囚獄からひたすら義父に改竄した戸籍の送付を依頼する彼女の姿が辛かった。
    ・こういう女性がいたって事だけでも、満州ロマンに想いを馳せてしまったりする。あの時代だけに許された存在だと思う。

  • 相較於村松氏(孫)所寫的這本相較之下構造比較完整,村松氏是諸方參考,寫法比較破碎。讀這本才搞清楚芳子跟浪速產生過節(可能是染指)之後發生芳子斷髮事件,也因此浪速迎廉子進來做養女(這一次就正式進戶籍,上學也正式學籍。芳子在高女似乎是聽講生身分)。相較之下浪速對待芳子的身分相關手續就搞定有些隨便(浪速在嘆願書裡面說是關東大震災資料亡佚,但日期也不對,還是其實因為當時發生那些事件而其實有辦理除籍?)。

    這本不像村松氏寫得那麼紙醉金迷,反而能更清楚地看到芳子的人格。其實她並不是沒有中心思想而被軍部利用,反而她的中心思想很一貫也從來沒有改變,她深信清王室復辟才能帶給整個中華大地幸福,因此在這其中所做所為都是基於這個中心思想,無論是擔任養父秘書(養父的理想是滿蒙包括北部獨立成新王國)、上海事變等協助田中隆吉等等。軍部架空康德皇帝的權力直接把皇上當傀儡,自然會引起芳子的不滿。而戰後芳子(就算有人勸他)根本沒有打算離開中國大陸,因為他也沒有任何戰犯意識,但被逮捕作為戰犯審判。

    作者在這裡提到,芳子不斷要求日本國籍證明及滿州事變還未成年的佐證,浪速翁始終未能提出符合芳子需求,或許是因為浪速翁本人也可能隨時進戰犯名單,因此對於可能有偽造文書問題採取保身的姿態(都已經八十三了),芳子案件又因為政府宣傳需求需要有樣板裁判,因而產生犯罪證物是小說跟電影的荒唐結果,和快速的死刑宣判。芳子在獄中不只袒護秘書小方八郎,也刻意地袒護其他人例如前夫、手塚安一、田中隆吉等人,讓自己一個人背罪,在這種最能看出一個人真價的時刻,反而顯得此人感情之深厚(而且也適合活在亂世而不是承平之世,承平之世可能就是單純迷失與享樂),而或許她在福岡等地的奇行(例如主張手錶被偷)或許真的只是寂寞想獲取他人注意。

    這本書大量紀錄芳子最要好的哥哥十四爺憲立的訪問,裡寫到一個很值得注意的點,就是當初負責接收北平的孫連仲夫人是肅親王一族,因此在孫連仲入北平後就有接觸,希望能夠拯救在獄中的芳子,得到答案是「処刑したような格好にして生かしてやろう」,代價是一百個金條。憲立還提到蘇聯也想要接收芳子還在處刑當日派了兩架飛機來,雖然沒有明白說出結果到底如何,但提出蘇聯說可能是煙霧彈,說法很有盡在不言中之感,如果要拯救芳子性命準備金條一定也跟憲立有關,看憲立這個說法我反倒覺得替身說非常有可能。以日僑身分參加當時北平法要的古閑二夫夫妻的日後夫人接受作者訪問也很直接地說芳子還活著。當年五月南京監察院接獲的秘密投書(署名劉鳳貞)說自己姊姊與芳子長得很像,被姊夫唆使媽媽用十個金條出賣被當作替身處刑,但只收到四個云云因此前來投訴希望法院詳查云云。但可想而知日後法院之調查報告自然是極力否認。死刑當日進入領取遺體的僧侶是日後妙心寺管長的古川大航師,也是他也把遺骨、遺物送回給浪速。大航師上陸後接受訪問也極力否認替身說,而根據本書記載浪速把遺骨交給雲龍寺請求供養也說,如果是替身當然也是要憑弔他,如果是本人更要憑弔,這一整串的紀錄作者並沒有做評論(同時也公平地記載絕非替身說的證人說詞),但益發讓人覺得芳子還活著?的可能性其實不小。

    作者靠著個人的信念,查訪出這樣一本勞心勞力之作,很令人敬佩。命運造化給芳子這樣一個複雜而數奇的命運,還有一個激越複雜的時代,每一刻都深陷這個網羅,不禁長嘆在其中人能自主的有多少呢?但似乎好像,也不是完全沒有。芳子的一生給我的感是最後並不是被軍部利用後拋棄的悲愴感,日本國籍及謊報年齡的訴訟策略,到最後一刻都在替這場悲劇增添喜劇的色彩。直到最後一刻在真真假假之中,我感到芳子都活得最像他自己。

  •  半藤一利先生の本から川島芳子という人を知り、女スパイなんてかっこいいじゃないのと、その活躍ぶりを深堀りしたくなり読んでみた。しかし結論から言うとそれほどたいした活躍をしたわけではないようだ。
     芳子は清朝の皇族、粛親王の第四側室の娘で第十四王女として生まれ、8歳の時に粛親王の顧問であった川島浪速の養女として日本にやってきた。20歳で蒙古族と結婚するが3年で離婚。その後上海へ渡り、そこで交際を始めた駐在武官の田中隆吉に従って工作員になり、第一次上海事件、熱河作戦など日本軍のため諜報活動に従事した。しかし上海事件での活躍は田中の証言のみ、熱河作戦でも功績を残せず、持ち込む情報は眉唾もの。破天荒な言動や男遍歴のだらしなさから関東軍からも疎まれ、日本に送り返されたこともある。
     戦後、芳子は北京で漢奸として中国国民党に逮捕される。スパイとして中国を売った罪で死刑判決が下された。「男装の麗人」「東洋のマタハリ」ともてはやされ、一時はスター扱いで人気もあったが、晩年は孤独で寂寥感が漂う。死刑を免れる画策を養父川島浪速に相談する獄中の手紙なぞは悲壮感にあふれている。
     清朝皇族のお姫様として生まれながら、戦争という大きな渦に何をやったひとなのやったひとなのまれ、清朝滅亡、日本軍の満州乗っ取りなど、運命は思わぬ方向へ流れて、気が付いた時には祖国中国から死刑宣告され、日本からの助けもないというドラマのような人生をたどっている。清朝復辟を願い、日本の協力を得ようと日本軍のために働いたが、逆に利用され、捨てられた形で終わってしまった。
     その派手ないで立ちと振る舞いで人目を引き、最後には死刑替え玉説まで出るほどの謎多き女性、川島芳子。本名愛新覺羅顯㺭(あいしんかくら けんし)。結局のところ何をやった人なのかわからないまま読了。

  • ふむ

  • 川島芳子はよくドラマや映画で再現されるけど、その印象が強くて、読む前から出来上がったイメージができていた。
    しかし読んでみると、芳子のイメージが違った。世話焼きで単純、純粋。人の裏表をあまり考えない。お人よし。悲運を嘆いているけど、どこかドラマチックに自らしたてているような・・そんな気さえした。
    不幸ではない。彼女なりに精いっぱい生きた。最後まで秘書や元夫を守ろうとした情の厚い人。軍に利用されたに過ぎないけどなんだか自らそれに飛び込んだ感もある。きっと人を疑うことを知らなかったのだ。ピュアな人。知れば知るほど会ってみたいと思う人。

  • (欲しい!/文庫)

  • 引用も適した場所に配置され、うまくまとまっていると思う。
    読んで彼女の人生について一通り理解したが、周囲の人物については、後で再確認して認識を深める必要がある。

  • 特別番組で黒木メイサが川島芳子の役を演じて役柄に興味を持ち読んだ本。
    川島芳子を知らない私はこの本で清朝の歴史も学べ知識を深めた。
    また川島芳子の不遇な運命や、時代を生き抜こうとする彼女の生命力も感じた。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    清朝の王女として生れながら大陸浪人の養女となり日中15年戦争中には軍服を着て大陸と日本とを往復し「東洋のマタ・ハリ」とも謳われた川島芳子。日本の敗戦で売国奴として銃殺刑に処せらた彼女は如何なる人物で実際にどんな行動をしたのか。兄妹の証言や新資料をもとにその素顔を戦後はじめて明らかにする。

  • ドラマ等のイメージと異なる硬質なドキュメント。
    自己と他者のイメージする「川島芳子」を演じていたのかなぁ、と思わせる。
    同情でもなく突き放すでもなく、読者に事実を提示している。受け止めるのは残された者たち。

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