チャーム・スクール 下 (文春文庫 テ-6-6)

  • 文藝春秋 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784167309565

みんなの感想まとめ

スパイ小説の王道を描いたこの作品は、ユーモアと機知が絶妙に融合し、アクションが織りなす緊迫感に満ちています。登場人物たちが直面する危機や急展開は、読者を物語に引き込む力を持ち、まるで実際に起こり得る出...

感想・レビュー・書評

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  • (上巻の感想からの続き)
    しかし、ここで私はここでかなり不安だった。
    外出さえもがこれほど困難なロシアの中でしかもチャーム・スクールを難攻不落の要塞の如く描いて物語が発展するのかと。
    チャーム・スクールにどうやって潜入するのか?
    捕虜たちをどう救出するのか?
    しかも上巻の最後ではこの主人公二人はロシアから強制帰国を命じられ、ロシアを離れようとするのだ。

    まず前者の私の問いに対して、デミルは全く私の想像を超えた設定を持ち込む。
    それは主人公二人をロシア側が誘拐し、しかもチャーム・スクールにてインストラクターに仕立てようとすることだった。これには全く以って脱帽。
    しかもこの一種アクロバティックなプロットが上巻の彼らの行動、ストーリー展開の中で無理なく納得させられるようになっているのだから、見事としか云いようが無い。
    さらに作者はここから読者を新たな世界へ導く。
    戦争捕虜というものが―特にロシアにおける―、どのような仕打ちを受けるのか、これを淡々と冷酷に詳述する。その後、主人公二人はチャーム・スクールの内状を人々の出会いを交え、知っていく。
    実は物語としてもっとも面白く感じたのはここだった。特にホリスがチャーム・スクールで再会するかつての戦友、彼がもう何処が本統の居場所なのかわからなくなったよと述懐する場面、またベトナム戦争で撃墜された時に捕虜として捕らえられていた副パイロットの心情を彼らによって教えられ、ホリスが長年抱えていたしこりを氷解させる場面はこの作品の中でのベストシーンだ。

    物語はその後ホリスの、ロシアで長年一緒に勤務した悪友セスの潜入作戦を経て、脱出劇と壊滅劇が繰り広げられる。ここで明かされる前述の後者の問いの答えは非常にショッキングなもので、後味は悪い。特にチャーム・スクールに好まざるべくいるアメリカ人捕虜たちのストーリーが語られた後となっては。

    デミルは登場人物一人一人に哲学をしっかりと設定する。そして彼らがその己の規範に従い、時には呪縛を感じながらも行動する。一人一人が脈打つ実在の人間のようだ。
    この小説は単なるエスピオナージュ、スパイ小説ではない。人生讃歌である。誰一人として単なる主人公の引き立て役の駒で終わっていない。そういっても過言ではないだろう。
    特に最後に杓子定規な正義が成されなかった点。ここに人生を生きることの難しさとデミルのアイロニーを感じた。一人でも多くの人がこの作品を読むことを期待する。

  • 設定のとんでもなさにのけぞった記憶がある。

  • デミルのユーモアと機知、アクションの融合があり、のちのコーリーシリーズの原型がある。ストーリーの唐突さが読み進んでいくと本当にありそうな気になってくる

  • 国外退去となり、シェレメーチェヴォ空港のパンナム(時代を感じる)の747に乗り込みKGBの魔の手から逃れたようにみえたが、機はミンスクの空港に降ろされ、リサとホレスはKGBに連れ去られ、イワノフ夫人のチャームスクールに舞い戻ってしまう。果たして二人は生還出来るのであろうか。スパイ小説の王道を描いた骨太な作品である。

  • モスクワの米大使館を去ることになった、ホリス大佐と恋人のリサ・ロ-ズ。やはり、お話は急展開することとなる。上巻を何倍も上回る面白さ。久しぶりに没頭した。そして、予想だにしない結末。映画化するなら、ホリス大佐は30代のハリソン・フォ-ドだな。リサはあまり目立たない美人という設定なので、一般公募だな。お勧めの一冊です。

  • 楽しみにしていた後半☆よりスピーディーな展開で一気に最後まで読ませます。エンターテイメントです。おもしろければいい♪

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著者プロフィール

1950年、奈良市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学を中心に幅広い翻訳活動を展開。訳書多数。 ※なお、本書は、加藤万里子氏(横浜市生まれ。アメリカ、ドバイなど長年の海外生活ののち出版翻訳者)との共訳。

「2022年 『ストレングス・リーダーシップ<新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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