ウォーホル日記 上 (文春文庫 ハ 12-1)

制作 : パット ハケット 
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (683ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167309725

感想・レビュー・書評

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  • 「日暮れまでに」マイケル・カニンガムに、ウォーホルの15分発言が引用されていた。それで興味を持った。調べてみたら、ウォーホルと知らずに知っている作品がかなりあった。

    通して読みたい本ではないけれど、ぱらぱらめくって、知っている名前や作品を見かけると楽しい。
    当時のアメリカの上流階級について詳しい人なら楽しく読めるんだろうな。当事者だったら、もうアンディ・ウォーホルの作品を目にしたくなくなるかも?

    1977年1月19日のクウェートで開かれたパーティーで、クウェートの人の持ち物を誉めて、それをもらった(のを見ていた)という記述があった。そんな風習あるの?と思って調べてみた。

    http://ja.myecom.net/arabic/blog/2014/01832/
    このブログがわかりやすい。
    自分の美点や持ち物を誉められると、それに嫉妬した悪魔が災いを運んでくると信じられている。また、謙虚さが失われてしまうので、アラブでは、誉めたり誉められたりするのはあまり良いことではないそうだ。
    ただし、「神様のおかげで」という言葉を付ければ誉めても良い。

    同じ年の1月31日に、マイケル・ジャクソンのインタビューをしている。この頃はまだ、ジャクソン5のマイケル・ジャクソンだったんだ!

    1978年の8月8日。法王が亡くなったそうだ。263人目だったらしい。平均在位が15年として考えると…3945年になっちゃう。つじつまが合わない。昔はもっと、法王がころころ変わる時代があったのかな。この法王の葬儀の演出は、拍手が湧くほど見事だったそうだ。葬儀に演出って必要なんだ?

    1980年10月21日。ジョンとヨーコのために買い物をするのが仕事の若者。夫妻のために服や日用品を買ってくる。柔軟剤を買っている時に指さされないようにするためか。スターって大変。契約時に、「将来、ジョン・レノンおよび、あるいはヨーコ・オノについての本は書かない」という誓約をした。ジョン・レノンとオノ・ヨーコは、この頃、カムバックの準備を進めていたそうだ。

    12月8日~10日の三日間は、ずっとジョン・レノンの殺人について話している。本当に大事件だったんだ。ウォーホルは、自分も頭のおかしいファンに殺されるんじゃないかって不安がっている。当時のアメリカの著名人は、多かれ少なかれ同じ不安を持ったのかな?

    ケネディ家の人ってどこにでもいるな、と思ったら、兄弟が9人いるんだって!

    1980年10月16日に、『普通の人々』の母親役をしたメアリー・タイラー・ムーアの息子が自殺した。ほんとにあの映画の母親みたいなんだと思われて嫌われるだろう、だって。9月25日にもこの映画と彼女に触れている。まるでレーガン夫人みたい、だって!大嫌いだったのね。

    1981年2月16日。アンディ・ウォーホルが女装をすると結構いけるそうだ。実際にどうだったかは知らない。写真とかあるの?

    1981年4月15日。トゥデイ・ショーで宇宙飛行士が帰還する様子を見たんだって。ニュース番組?ドキュメンタリー番組?ハンサムな男性たちを疲れ果てて老けさせて連れ戻すのをどうかしてると思ったみたい。

    アンディ・ウォーホルから見たら、ジョディ・フォスターもかわいい女の子なんだ。羊たちの沈黙はいつだったっけ?

    1981年4月20日。彼が抱える問題の根本には、老いを実感するようになったことだそうだ。しかも、前途ようようとした若者に囲まれているのが問題を難しくしているんだって。
    でもこの時、アンディ・ウォーホルはまだ53歳だよ。

    70年代にはしょっちゅうドラッグが登場する。ウォーホルがしてたかは知らない。

    文学としての日記に真髄は一瞬の真実にある。 PH

    1978年8月13日。アンディ・ウォーホルが言うには、アメリカのコミュニティの一員になるには自分自身へ風刺を向けて、しかもそれを洗練させていく必要があるそうだ。こういう明文化されないルールが一番やっかいなのよ。

  • 資料番号:010731990 
    請求記号:723.5ウ

  • いつ何処で誰々と会い、こう思い、こう感じ、
    著名人のあんな事やらこんな事、批評・批判、その他諸々…を、
    シンプル且つ率直に書き留めたアンディウォーホル日記。
    アンディさん、毒舌です。

  • 上下巻。これも中々おもしろい。マイルス・デイビスの自叙伝もそうだけど、案外口述筆記っていうのは、言葉が練られてない分、本音が垣間見えて面白いんだろうなあ。

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著者プロフィール

20世紀を代表するポップ・アーティスト。1928年-1987年。

「2017年 『アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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