ザ・ホテル―扉の向こうに隠された世界 (文春文庫)

制作 : Jeffrey Robinson  春日 倫子 
  • 文藝春秋 (1999年11月発売)
3.53
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  • レビュー :27
  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167309879

ザ・ホテル―扉の向こうに隠された世界 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 一応ノンフィクション。
    ホテルの客も働く人たちもとにかく面白い。厨房のイモ係がチップスにするジャガイモを試行錯誤の末あるフランスのジャガイモを使ってみた。彼は「これだ!」と思った。勝ち誇ったように報告をし、総料理長も総支配人も「これだ」と思った。私も本屋でこの本を見つけて「これだ」と思ったんだ。

  • 超が付く高級ホテルの裏側の話。ホテルのスタッフに対していかに自分が快適に過ごせるかを遠慮なく当然の権利だと要求できるレベルの人じゃないとホテルの風格に見合わずに疲れてしまうだろうなと思ってしまいました。
    とはいえ普通の生活をしている一般庶民からすればとても華やかで、それでいてアタフタしているスタッフを見ていると妙な親近感が湧いて、そして時にお客様のピンチや要求を完璧にスマートに、「何でもない一日だった」と涼しい顔で仕事をこなす従業員に感嘆のため息がこぼれてしまいます。
    日本の旅館も密着取材してくれないものかしら。

  • フロント係やコンシェルジュだけでなく、レストランの料理人や修理工に至るまでホテルに関わる人々が一日中働いている姿が描かれたノンフィクションです。ホテルマンの仕事ややりがいが伝わります。
    あと自身の接客係に対する態度が変わります(笑)

  • そういえば僕は、高嶋政伸主演ドラマ「HOTEL」の影響で確か小学生の頃はホテルマンになりたかったはずなのですが、気がつけばそんな夢も忘れ、大学時代バイトしていたスーパーでは、「あまりにも接客態度がひどすぎる」という理由で、複数のお客さんからアンケートでマジギレされまくる、という憂き目にあったということを思い出したので、まあサービス業とか就かなくてよかった。

    本当にちょっと今考えてみてもマジでひどい書かれようだったので、僕のメンタルがあと少し弱ければ「バイト中にお客さんから怒られすぎた」という理由で自殺していたところですが、こうして社会人になってみて思うことは、コンビニのレジのバイトの態度とか悪かったら本当にぶん殴ってやりたくなりますし、昔の自分の態度を省みると、投書ぐらいで済んでいたことにはむしろ感謝するべきなのかもしれません。

    本書にはそんな僕とはかけ離れた、スーパー接客のプロたちが登場し、ホテル経営の舞台裏を見せてくれます。
    お客様のためなら何でもやる、というのはキレイごとに過ぎない気がするのですが、出来る限りそうあろうとする彼らの態度にはしびれました。

    僕もお客様に感謝されるような仕事がしたい。お客様の幸せのために自分を犠牲にしたい。お客様の笑顔が見たい。お客様の足も舐めたい。お客様のことをいつも考えていたいし、お客様が死ぬときは僕も死にたい。そうやって僕は、いつだってずっと、君のそばにいるよ。

  • ここ最近、仕事で海外の人とやり取りをすることが増え、その度に驚かされるのが彼らのおおらかさというか、細かいことを気にしない寛容さというか……まあこう言ってしまっては何ですけど、ぶっちゃけ雑なんですよ雑!!

    僕のこの印象は間違ってはいないようで、海外に住んでた人たちからも、いかに向こうの方々は大雑把で、たとえば飲食店なんかに行っても日本のサービスの半分も期待することは出来ない、なんて話はよく聞きます。

    しかし、実際に存在するホテルを取材して書かれた本作を読んでいて思い出したのは、そうです。究極のサービスの形であるホテルというものを作り出したのもまた海の向こうの彼ら……。
    この相反する事象は何を示すのだろう?と思いましたが、その答えは出てこなかったし、僕もそんなには気になりませんでした……。

    まあそんなことはさておき、本作ではザ・ホテルを舞台に、様々な部門の仕事を担当するホテルマンたちが話ごとに代わる代わる主人公となって、通常、客は知ることのないホテルの運営の裏側で奔走する彼らの物語が次々と語られます。

    それらは決して派手ではなく、地味な苦労の積み重ねなんだけど、しかし彼らの、どこまでもひたむきで常にプロフェッショナルであろうとする姿には胸を打たれます。
    奇しくも昔、石ノ森章太郎の「HOTEL」を読んで、どんなに日の当たらない地味で辛い仕事でも、それがどこかで誰かの役に立っている限り存在する意味はあるのだということを学び、社会との折り合いの付け方というものを知った僕は、本作を読んで初心に返ったような気がしました。

    特に印象的だったのは、どんな無茶な客の要求にもとりあえず応えようとするコンシェルジュの存在です。
    正直、現代のコスト管理社会ではこんなサービスを維持することは不可能に近いことかもしれませんが、結果がどうあれ、否定から入るよりも肯定から入る姿勢は見習うべきだと思いました。

    まあそんなこんなで感化されるところは多く、「そうだ! 全ての仕事の基本となるのはやはり質の高いサービスであり、その精神なのだ!」と開眼した僕は、勉強として早速高級ホテルに泊まってみようと考えたのですが、案の定価格面での敷居は高く、現実を突きつけられてしょんぼりとした気持ちになってしまいました。

    内容についてちょっとだけ残念だったのは、個々のエピソードには派手さがなく、またそれぞれに繋がりもないため、「今日うちのホテルでこんなことあってさー」という紹介的な雰囲気に終始してしまっているような印象を受けたことです。
    「小説」という意味では、1本メインストーリーのようなものがあって、それを追いかける形でホテル内の様々な出来事が繰り広げられる形になっていれば、より読み応えがあったかなーと思いました。

    まあでも、あくまで現実にあったことを下敷きにしているからこその本作であり、何かドデカい事件を軸に据えるような形にしてしまうと、急に嘘臭さが出て、チープになってしまっていたのかもしれないような気もするのでやっぱりこのままでいいです。

  • 舞台はロンドンのClaridge ' s ですね。

  • 2月10日15時36分コパカバーナからラパスまでのバスの中で読了。ボリビア、サンタクルスの宿で交換してもらったやつ。
    クリントイーストウッドの名前が出てから読む気が出た。
    クラリッジに泊まることは一生ないにしてもロンドン行ったら外観だけでも拝みたい。

  • イギリスの最高級の格式を誇るクラリッジ・ホテル。そこで働くホテルマンたちを徹底的な取材で描いたノンフィクション。
    伝統を守りつつ革新を目指す支配人の苦悩や、金に糸目をつけずトリュフを大量に買い付ける料理長と調達部隊との対立関係、宴会担当と王室や海外政府との駆け引き。
    料理やサービス、環境など全てにおいて最高と最善を尽くそうとする姿に感動。ホテルマン気分を味わえる一冊。

  • 高級なだけでなく客を選ぶ老舗ホテル。映画「ゴスフォード・パーク」のような群像劇で面白かったけれど、翻訳のせいか入り込めず。

  • (仮レビュー)
    おもしろかった

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