備前物語 宇喜多秀家 (文春文庫 つ 4-50)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (699ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167314507

感想・レビュー・書評

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  • そこかしこに出てくる方言がその人の人格を際立たせ、リアリティを生んでいる 秀家の母、お福が秀吉の寵愛を受けたことが、豊臣政権を維持する立場に立たせたことが良くわかった 秀家を通して、関ケ原決戦の詳細が分かった気がする 我が家に伝わる系図には、秀家が八丈島に遠島される際、同行したと書かれているが痕跡は見えないし、豪姫を頼って金沢に向かったとの記述も信頼性は低い 前田家と宇喜田家の縁は、秀家が慶長十年に流罪になってのち、明治八年に至るまで、二百七十年間、かたくつながれていたのである

  • 宇喜多直家や宇喜多秀家について書いた本です。

    宇喜多直家だけで1/3、羽柴秀吉の天下取りで1/3、残りが宇喜多秀家という感じの構成です。

    後半でようやくタイトルにある宇喜多秀家の話になっていくのですが、この本では残念ながらダメな方の秀家って感じで描かれています。

    著者によって評価の分かれる人物なんでしょうかね。


    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-cf0c.html

  • 「八郎よ、必ず家を再興するんじゃ。忘れるでなあぞ」岡山、浦上家の家老だった勇将・宇喜多能家は謀叛の廉で自死する際、孫に言い遺した。長成した八郎は、辺境の一城から先見と奇策謀術でのし上がり、秀吉の天下取りに貢献、子の秀家は秀吉の養子となり、時代の寵児として名を馳せる。乱世の風雲に身を曝した宇喜多家興亡の譜。

  • 前半は宇喜多直家を中心に描かれます。
    中盤から、全体の4分の1位を割いて、豊臣政権の記述。
    中盤から徐々に秀家について言及されはじめ、
    秀家の最期まで描かれます。

    直家・秀家の人となりや行動よりも、
    合戦にて、大小の城を攻め落とす様子など、
    歴史を順番に追って書かれることにページが割かれている印象です。

    人物にまったく魅力を感じず、物足りません。
    冒頭の直家とその祖父が中心に描かれる数ページは、
    臨場感もあって、期待が膨らみましたが、残念でした。

    細かく城攻めの記述がありますが、(誰が何をした、等)
    残念ながら、それらの合戦に登場する人物に詳しくないため、
    楽しめませんでしたし、特に面白い紹介もないため、
    頭に残りませんでした。

    小説の面白さはありませんでした。

  • 今まで知らなかった戦国歴史を知るために買った一冊。
    直家の「宇喜多家」を守るためにとった行動によって妻の父・娘の夫を手に掛けることになる。何をもって家と定義するのだろうか。ただ戦国の時はこういう人が勝ち残ったんだね。
    秀家の繁栄と没落。

  • 宇喜多直家の物語を読みたかったので、大変よかったです。
    タイトルはこれでよかったのか?

  • 前半4章は宇喜多直家で、後半5章は宇喜多秀家の物語。
    しかし、描き方としては宇喜多直家が主役のような感じがする。

    直家については、他の本では妻の父や旧主を暗殺・謀殺等を行う悪人のように描くことが多いが、この本では直家側からの見方でそれらを正当化して描いている。そして、家来たちとの会話が多く強い信頼感を描いているように思える。

    一方、秀家については、秀吉に過保護に育てられて、常に大坂にいたために家臣団を統制することができなくなって、家臣団が分裂していく姿が描かれている。しかもほとんど起こった事実を述べていっているだけに過ぎず、秀家の人間性をあまり感じない。

    そういった点からいって、この本は題名として「宇喜多秀家」よりも、「宇喜多二代記」又は「宇喜多直家」としたほうが正しいように思う。

    しかし、他の本であまり描かれない宇喜多直家について、かなり詳しく書かれており面白かった。

  • 秀家というよりお父さん。

  • 黒さに定評のある直家パパさすが。nice boat.
    初陣秀家の箱入りっぷりw
    鳥と戯れる秀家もかわいい。

  • タイトル坊ちゃんなのに本の前半は直家さまストーリーです。 幼少期あんなに可愛いのに成人後の策略がもう……とても……鬼畜です……。
    太閤の五大老刀当てゲーム(違)はあぁなるほどねーと感心します。 刀から窺える人間の内面。

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著者プロフィール

1929年和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年に『深重の海』で直木賞受賞。その後、織田信長を描いた『下天は夢か』がベストセラーになる。95年『夢のまた夢』で吉川英治文学賞、2005年菊池寛賞受賞。1997年に紫綬褒章を、2003年には旭日小綬章を受章。剣道三段、抜刀道五段で武術全般に造詣深く、剣豪小説をはじめとして多くの武道小説を執筆。2018年5月26日逝去。著書に『明治撃剣会』『柳生兵庫助』『薩南示現流』『雑賀六字の城』『修羅の剣』『大わらんじの男』『龍馬』など多数。

「2022年 『深淵の色は 佐川幸義伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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