麻雀放浪記 2 風雲篇 (文春文庫 あ 7-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167323059

作品紹介・あらすじ

ヒロポン中毒となり、やさぐれ生活を送っていた坊や哲は、代打ち麻雀でいかさまを見破られた。その後、生臭坊主クソ丸、ドテ子とともに東京から大阪へ移ったが、そこで出会ったのがブウ麻雀だった。京都の博打寺を舞台に関西のブウの鬼たち相手に激闘を繰り広げる阿佐田哲也の傑作ピカレスクロマン第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 懲りないバカモノたち。でも面白い。

  • ポン中からの脱却をもう少し書いて欲しかった。

  • 昔読んだ本

  • (90)

  • ヒロポン中毒からの大阪行き。神戸の洋館、京都の古寺での麻雀対決。クソ丸・ドテ子の強烈なキャラも登場。かなり痛快。

  • 文学

  • ドテ子はいい子だよねぇ〜。
    女性から見たらどういう女なんだろう。
    それにしても、トータルでは坊やの勝率がそんなに高くないのがリアル。ヒーロー不在。

  • こいつは旅の巻といった風情だけれども、びゃっと開けた風景なんてものもないわけで、あいもかわら卓を囲んでじんわり黴くさい。それのどこが旅かと言われりゃ、必要もない他人とのすれ違いが、それゆえに因縁じみてたりするってことが、よくよくある。モビリティの社会なんていったのはこういう旅打ちのことを言うんじゃないのかね。

  • 阿佐田哲也『麻雀放浪記 2風雲篇』(文春文庫、2007)

    青春麻雀小説の大阪編。東京のバラック時代、麻雀仲間の死。
    ヒロポン中毒ですべてを失った主人公「坊や哲」はきっかけをつかみ大阪へ。

    西のルールに戸惑い、地元の打ち子たちに騙されながらも持ち前の勝負勘で取り戻していく坊や哲。

    負けが込んで上着に家に商売道具に女房にと、仲間にすべてを巻き上げられる大阪の打ち子、それも勝負のうちといっそすがすがしい生き様が描かれます。

    【本文より】

    ◯「奴は皆のツキと勘とを計算してよく見てるんだ。一番アツくて一番勘が鈍ってる奴等の逆目へ張っていく。それも奴等の額に合わしてだ。決して自分の勘などを使っちゃないない。自然の理を生かす、ってさっきいってたが、それがそういうことなんだろう」

    ◯「西村、まだいくらもあるやろ。靴一足かてええ、米一升かてやったる。どうせ朝までまだ大分あるんや」
    「取り返す気にならんかい、西村」
    「西村、どうせ朝まで帰れやせんのや。声を出せ」
    「やったかて同じや。ええもう、みんなくれてけっかるわ」
    「それでええよ、それでもともとや。梅田の地下道で寝とったときを考えてみィ。穴のあいとらん服つけとるだけでもましやないか」

    ◯「金なくたってええのや」
    「でも大阪はまだ来たばかりで、何にもないんだ」
    「身体張ったらええやんけ。お前、麻雀打ちやろうが」
    「身体 ―?」
    「おう、小指とか、薬指とか、頭の毛とか、足の指とか、いらんものは仰山あるわ」

    ◯「玄人同士が打ち合うなんて、阿呆らしいことさ。名誉を賭けて打つわけじゃなし、博打てえものは、弱いやつから確実に勝っていくものだ。素人を狙え、弱いところを潰していけ、それが本当の玄人というものだ」

  • 青春篇よりも博打うちとしての戦いがメインとなっている。
    関西の麻雀ルールによる戦い方の違いや、寺での麻雀等はやはり面白い。
    文章力よりも設定やキャラで読ませる作品だ。

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著者プロフィール

本名・色川武大。1929年東京生まれ。東京市立三中中退。1961年に自伝的小説『黒い布』で中央公論新人賞受賞。『麻雀放浪記』など麻雀小説はペンネームで発表。本名で発表した短編小説「百」は川端康成賞を受賞した。1989年死去。

「2008年 『雀鬼くずれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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