本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167323073
作品紹介・あらすじ
黒手袋をはずすと親指以外すべてがツメられている博打打ち、李奥春との出会いと、ドサ健との再会を機に堅気の生活から足を洗った私……。麻雀小説の傑作、感動の最終巻! 解説・柳美里
みんなの感想まとめ
麻雀を通じて描かれる人間ドラマと、博打打ちたちの生き様が魅力の作品です。主人公の情熱と、個性豊かな仲間たちとの関係が物語を彩り、読者を引き込んでやみません。特に、李億春の独特なキャラクターや、ドサ健と...
感想・レビュー・書評
-
麻雀を打つ人間にとって、バイブルともいえる作品がこの麻雀放浪記なのではないかと思います。
確かに文章は古いので、読むのに苦労することもありますが、内容が面白くガッツリ読んでしまいます。
主人公の麻雀への情熱が半端ないのと、登場する相手も個性豊かなメンバーばかりです。
この本読むと麻雀を打ちたくなるのですが、メンバーが集まらないのが悲しい現実です…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
李億春のキャラがいいです。かなりぶっ壊れていて、最高です。麻雀放浪記シリーズでは、やはり「青春篇」が一番ですが、その次くらいに、この「番外篇」が好きかも。
最後の勝負は、もうちょっとピリピリした感じが欲しかったような気もするし、あれはあれでよかったような気もします。個人的にはドサ健とまゆみは、ずっといて欲しかったんですけれど、いつの間に別れたんでしょうか。まゆみは幸せになっていてほしいですねぇ… -
番外篇ということで、哲也の話は程々に、それ以外の面々の姿が中心に描かれる。
ギャンブラー小説とも言われる本作だが、全篇通して読み取れるのは、博打打ちたちの信念や生き様といったもの。
戦後の混乱期から安定期に至るまで、激動の情勢の中で彼らがどう考え、どう生き抜いたのか。
麻雀小説でありながらも、そうした人生観について見つめ直す機会を与えてくれるような作品だった。
さいふうめい氏の漫画の方は既読だったが、本作読了後は、それぞれのキャラクターの印象もだいぶ変わった(特にドサ健)
これを機に、改めて漫画の方も再読してみたい。 -
時代の流れに取り残されていく博打打ち達が切なく愛おしい。
ドサ健、上州虎、出目徳、女衒の達、チン六、森サブ、李億春……そして坊や哲。奇妙な仲間達である。 -
昔読んだ本
-
とうとう最終巻を読み終えてしまった。もうこの物語がないのかと思うと、寂しくなってしまう。
戦後の復興期に博打に生きた男たちの生き様が、普通のサラリーマンにはグッとくるものがあった。
そうは思っていなかったが、これはハードボイルド小説だった。
麻雀知らなくても面白く読めます。
(90) -
巻末の柳美里の解説がすごく良い。ばくち打ちだという彼女自身の父親と祖父のエピソードを混ぜながら、麻雀放浪記全4作を、登場人物たちの変節を切り取って説明している。
この番外編は北九州から東北まで続くロードムービーのような展開。昭和30年後半から40年前後の高度成長期前夜の時代。麻雀は大衆化がすすんでいるが坊や哲はサラリーマンとなっており、麻雀はたまにやる程度。かわって物語の中心となるのは在日中国人の李憶春という人物と、相変わらずの上野のドサ健、鑑別所がえりの大工の森サブという若者。
エピローグの夜の森のシーンのドサ健の無言の叫びが印象的。 -
文学
-
最後の麻雀が爽やかで好きだ。
こんな連中と打ちたくないけど……一線を越えた男たちならではのやりとりなのでしょうなあ。 -
これは完全に余談である。シンデレラは幸せに暮らしましたとさ、というようなイメージで語れないんだから、とサービス精神で作者が描いてみたんだろう。
公園で、ブランコをこぐ子供を見て、あぁ僕にもそんなことがあった、と思い、老人があいさつをかわしているのを見てそんな風に自分もなるのだろうかと思う、そのような時の公園には僕の時間の流れがひとところにある。
この第4章にはそんなところがあって、卓を囲んで若者と脂の乗った年長者と、先行きの短いもの、それぞれが個性的だが、あれが私であると言えるように書いてくれたはずだ。
つまるところ、「死ぬまで打つ」。巻末柳美里の解説もよかった。 -
正規の麻雀放浪記としては最終巻。番外編だけあって、哲は主に語り部として活躍する。新キャラの李を中心に九州から大阪、東京と舞台が変わっていくのが特徴。番外編だけに熱さは減っているが、ラストの戦いは決着も含め面白かった。
-
結局麻雀のことは何一つわからなかったけれど面白かった。博打だけで生きているひとって、今の世の中いるんかしら。全く想像できない世の中だし、じぶんにはそういう生き方は出来ない。したくないのではなくて出来ないなーと思った。
-
坊や哲が一戦を退いてからの、他のバイニン達の話。時代も流れバイニンでは生きていくことが難しくなったなかどうにかもがいていく様が書かれているが、勢いもなく、登場上人物たちも痛々しい。
-
学生時代の仲間とあの時の部屋でやりたいなあ、麻雀。丸二日くらい、ヘロヘロになりながら。
-
あくまでも番外編。3までのような緊張感はない。坊やも足洗ってるし。でも、いくところのなくなった博打打ち、というのが描かれていてまたおもしろい。ギリギリの勝負は、全てを失うリスクがあってこそ。僕らにはできない。だからこそ読んでいておもしろいし、没頭してしまう。そういう作品だった。
-
最終巻「番外編」は、その名の通り、哲ではなく、九州出身の在日中国人李さんを中心に進みます。
町の雀荘に巣くって何とか食べている李さんは、天涯孤独、文字通り体を張って打っている、過去の遺物のようなおっさん。
たまたま出張中(!)の哲と知り合って、バクチ心に火がつき、哲たちと打たんがため、がむしゃらに上京します。
しかし、彼らの命がけの勝負の周囲では、警察の取り締まりや、組織による雀荘の乗っ取り工作がすすんで、ゲームそのものが成立しにくくなっていく。
終戦後の混沌を背景とした「放浪記」の世界自体が、いよいよ終焉に向かいます。
四巻を通読してあらためて、通俗小説の枠におさまりきらないこの小説の魅力にため息が出ます。
麻雀をめぐるウンチクやドタバタを軽快に追う一方で、作者の視野は、広く、周辺の社会や人としてのあり方などにまで及んでいる。
まともな人間がほとんど出てこないピカレスク小説が、「時の話題作」にとどまらず、今読んでも得るもののある、普遍的な魅力をもつのは、作者の知的な分析力に負うところが大きいのだろうと思います。
いや、「投機」(投資ではありませんよ)と名を変えたバクチが、世間に大手を振って歩く現在、今こそこの小説が本来の意義を発揮するときなのかも。
ことの本質を理解するために、非常によく書けている参考書です。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
阿佐田哲也の作品
本棚登録 :
感想 :
