立花式読書論、読書術、書斎術 ぼくはこんな本を読んできた (文春文庫 た 5-8)
- 文藝春秋 (1999年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167330088
作品紹介・あらすじ
「同テーマの類書を読め」「自分の水準に合わぬ本は途中でも止めろ」「?と思ったらオリジナル・データにあたれ」…、実戦的読書のためのアドバイスから、書斎・書庫をめぐるあれこれ、そして驚異的な読書遍歴を物語る少年時代の作文まで。旺盛な取材、執筆活動の舞台裏と「知の世界」構築のためのノウ・ハウを全公開する。
感想・レビュー・書評
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ときどき無性に読みたくなる立花隆。
この人の読書論というか、新刊本の紹介やらが、
まとまりなくまとまっています。
他の立花さんの本でも読んだような気がするのですが、
取材のために事前準備として周辺の本を膨大に読んだりするところは、
憧れはするけれど真似はできなな…何て思いながら、
でも、この人の思想に触れるのが何だか好きなんです。
新刊本の紹介といっても、当時の新刊本なので、
もはやほとんどの本は絶版になっていて、
そのほとんどの本は自分の興味の範疇外なのですが、
立花さんの興味・関心の幅に圧倒されたり、
たま~にちょっと読んでみたいかも!?(でも多分読まない、笑)と思わされたり、
この新刊本の紹介のために、
20冊くらいの本をざーっと読んで準備するあたりが
立花さんぽいなと感じたり、
本が溢れた通称ネコビルの間取りを眺めたり、
立花さんのアシスタントの選抜方法に驚愕したり、
そうやって立花さんの思想や哲学に触れる時間が何となく幸せだったりするのです。
興味を感じた本(★は読みたい度合い高い本)
佐川のカネ食った悪徳政治家
https://booklog.jp/item/1/4841300503
潜在意識の誘惑
https://booklog.jp/item/1/4845707497
ブック・ライフ自由自在
https://booklog.jp/item/1/4087486575
マインド・コントロールの恐怖
https://booklog.jp/item/1/4765230716
フーヴァー長官のファイル
https://booklog.jp/item/1/4163485503
https://booklog.jp/item/1/4163485600?author-carousel=4163485503
★これでいいのだ
https://booklog.jp/item/1/4167753278
レンブラント工房
https://booklog.jp/item/1/4062580578 -
知性とはなんなのか、本書を通して改めて考えました。 立花隆さんの飽くなき知へのアプローチが読者の読書欲と知識欲を刺激します。 読書好きにはおすすめの一冊です。 20年以上前の本ですが、こうして本書も読み継がれていくのだろうなと感じました。 立花隆さんの読書法を真似するのはとても無理ですが、自分のこれからの読書、本選びのヒントになりました。
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立花隆さんといえば、「田中角栄研究…」文春記事で有名、印象的が濃い。
フィクションが好きだし、ノンフィクションはあまり読んでいない私には面白くない、その、ノンフィクションライターの立花さんの読書論。だから皮肉っぽい気持ちで読んでいたのだが…。
やはり、現代小説は殆ど読んでいないとおっしゃる。調べるための読書であって、趣味のための読書ではないそうだ。当然だろう。
しかし、立花さんは学生時代は浴びるように文学書を読んでいる。<中学生・立花隆少年の読書記録>という実際、中学時代の校内誌に発表したその作文そのものを掲載してあるが、中学生の文章のうまさにもびっくりしたし、「小学三年生で漱石を読んで、六年になるとディケンズに熱中した」ように世界の文学書がほとんど網羅してある数々におどろいた。高校は受験勉強で読めなかったといっても、『決定版世界文学全集』(河出書房菊版)を半分以上読んでしまった。哲学書を含め、それが大学時代まで続いたそう。当時の日本の読み手の100人以内に入るのではと豪語?していらっしゃる。さすが!
その下地があって社会人となった立花さんは、文藝春秋社を本が読めないと30ヶ月で辞める。文学書が読めないのではない。ノンフィクションの面白さに気がついて、それが読めないというのだ。そして自分の興味のあるテーマを追えるとて、ノンフィクションライターになる。
章でいうと、
『「実戦」に役立つ十四ヵ条』(仕事と一般教養のための読書についての)
『僕はこんな本を読んできた』(対談風読書論、立花さんの姿勢『エコロジー的発想』とは、がわかる)
『僕の読書を顧みる<中学生・立花隆少年の読書記録>』(本名、橘隆志で書かれた中学時代の)
が、とても面白く読めた。膨大な資料、本の整理と書斎、仕事場についてかかれているのも興味惹かれる。
『立花式「実戦」に役立つ読書十四ヵ条―(1)本に金を惜しむな、(2)同テーマの類書を読め、(3)選択の失敗を恐れるな、(4)自分の水準に合わぬ本は途中で止めろ、(5)読むのを止めてもページだけは最後までめくれ、(6)速読術を身につけよ、(7)読みながらノートはとるな(8)ガイドブックに惑わされるな、(9)注釈に注意せよ、(10)書かれていることを疑え、(11)オヤと思った情報はチェックしろ、(12)?と思ったらオリジナルデータにあたれ、(13)難解な翻訳書は誤訳を疑え、(14)大学での知識はなにほどでもない―若いうちはとにかく読め!』(帯より)
本の種類はちがっても、目からうろこの読書論、参考になった。
実はこの本、ちょっと前(って、もう10年になるのか!発行年が1995年)本屋さんで興味引かれ、手に取りつつも買わなかったのに、例の100円で見つけて速読してしまったのだ。
はたと思ったのだが古本屋さんに売るときのため、読むのにはうるさいが帯を棄てないでおこう。何かと役立つ帯(笑)
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立花隆さんが同世代だなーと思って読んだところがある。
マルタン・デュガールの「チボー家の人々」やロマン・ロランが当時もてはやされて、ご自分も読まれたけれど(私も忘れられない本)、今は全くでないにしろ読者がいなくなっている。名作はふるいにかけられる、やはり何百年と残らなければ本当の名作とはいえないだろう、というくだりがある。
『出版は本来“一過性”のもの』と活字文学の興亡の考察しているのだ。事情はともあれ、なにかもの寂しい。そこで立花さんはノンフィクションの出番だ、というのだろうが…。
しかし、「チボー家の人々」は同時代だ。
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読んだのは2005年2月1日
単行本で -
とても面白い本だった。立花隆さんが好きになった。
知の巨人の「読書」を垣間見た。自分もどんどんグイグイ貪欲に読書していきたい。
立花隆さんの秘書もすごい人なんだろうなぁ。
橘隆志少年は昔から読書家だなぁ。
ネコビルに行ってみたい(入ってみたい)。
読んでみたくなった本
「死海文書の謎」
「ビッグバンはなかった」
「昭和史の謎を追う」
「ワンダフル•ライフ」
「世間知ラズ」
「ヴィクトル•ユゴーと降霊術」
「考える皮膚 触覚文化」
「いのちがあやつられるとき」
「完全自殺マニュアル」
「ラムゼー•クラークの湾岸戦争」
「イルカと話す日」
「もうひとつの昭和」
「リユニオンズ 死者との再会」
「これでいいのだ」
「知識人99人の死に方」
「人間臨終図巻」
知的好奇心がくすぐられる。レビューも正直。最高。
立花さんは、様々なジャンルの本を読まれている。本当にすごい。
そして結構エログロなジャンルの本も読まれていることがおもしろい。
アインシュタインの脳ばりに、立花さんの脳を解析したい。 -
必ず類書を何冊か読むなど、インプットの方法に激しく同意。
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立花隆さん、出口治明さんなど、知の巨匠と言われる先生方の知識欲、読書量はものすごいと思います。
ただ、どうしてそんなスピードで本を読めるんでしょうか。速読を薦めると書いてはありましたが、、。 -
本書は、立花隆の読書論、読書術、書斎論についてのエッセイ的な短編を集めたものと、週刊文春に連載した「私の読書日記」をまとめたものです。
講演をまとめたり、まとまっていないものもあったりするが、なかなか面白かった。
読書日記は当時の新刊書籍の紹介で、また読んでみたい本がそうとう増えた。まあ25年ほど前の本だから古本での入手なるだろうが。
読書状況 読書時間120分、ページ数375ページ
【参考図書等】
・××語四週間(大学書林)
・ある死刑囚の最後の瞬間(大塚公子)
・東京日和(荒木陽子+経惟)
・資産再評価(財部誠一)
・媚薬の博物誌(立木鷹志)
・ワンダフル・ライフ(スティーヴン・ジェイ・グールド)
・悪魔の布(ミシェル・パストゥロー)
・ヴィクトル・ユゴーと降霊術(稲垣直樹)
・ハチは宇宙船の中でどう飛んだか(東昭)
・死刑台のエレベーター(フィリプ・フレンチ)
・北京公安局K字牢(高新)
・日本を揺さぶった事件その嘘と真実(齊藤孝治)
・黒い瞳のエロス(ドミニク・ボナ)
・ウィルスは嗤っている(根路銘国昭)
・東京国税局財政界伏流マネー(立石勝規)
・文楽の女—吉田簑助の世界(山川静夫)
・墜落—ハイテク旅客機がなぜ落ちるのか(加藤寛一郎)
・フーヴァー長官のファイル(カート・ジェントリー)
・中国情報部(ニコラス・エフティミアデス)
・田中角栄張り込み撮影日誌(福田文昭)
・知識人99人の死に方(荒俣宏・責任編集)
・人間臨終図鑑(山田風太郎)
・失言恐慌(佐高信)
・ボーヴァワールとサルトルに狂わされた娘時代(ビアンカ・ランブラン)
・エイズ犯罪血友病患者の悲劇(櫻井よしこ)
・公安警察スパイ養成所(島袋修)
・トンデモ本の世界(と学会・編)
・炎と闇の帝国(前川道介)
・日本エロ写真史(下川耿史) -
佐藤優さんが外務省での研修の際に教科書に指定した本とのこと(立花・佐藤『ぼくらの頭脳の鍛え方』〔文春新書、2009〕12頁)。
全体の後半半分にある「私の読書日記」は、生化学、芸術論、エロ・性に関する読書案内、書籍紹介として使える。 -
この本がきっかけで人生が変わったのだと思う。
高校三年、受験前後くらいに読んだ。
これほどまでに、世界は広くて深いのか…と思い知らされた。取り上げられている本のジャンル幅がとにかく宇宙規模。尋常でない読書内容に圧倒されてしまった。
もっともっと本を読み、世界を知りたいという欲が突き動かされた。
編集者になりたいと思うようになったきっかけの大きな一つ。