解読「地獄の黙示録」 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2004年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784167330170

みんなの感想まとめ

映画「地獄の黙示録」を深く掘り下げた本書は、作品の文学的背景や製作過程を丹念に解説しています。著者は、コッポラ監督が直面した創作の苦悩や、映画に織り込まれた多義的な要素を明らかにし、特にコンラッドの「...

感想・レビュー・書評

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  • 貴重。大好きな映画。

  • 映画 地獄の黙示録 についての研究本。コンラッドの「闇の奥へ」、エリオットの「荒れ地」を読みたくなった。

  • 2004年(底本02年)刊。◆難易度高いベトナム戦争映画「地獄の黙示録」はフランシス・フォード・コッポラの代表作。また公開本編、特別完全版など複数版あるが、映像の異同、字幕スーパーや誤訳など各々の違いを踏まえ、コッポラの意図を分析する。その際英米文学や宗教等の予備知識の必要性を感得できるが、翻って、そういう基礎知識のない自分には、本作の理解は難しいんだろうなと感じざるを得なかった。◆著者自身、物語の熱という意味で本作を「カラマーゾフの兄弟」に比すべき作品と評するほど。その思い入れを感じさせる書でもある。
    「地獄の黙示録」の映画は、多分劇場で見たと思うし、その後もテレビかレンタルで見たと思う。当たり前だが、ここまでの読解は出来ていないのは勿論。

  • 新書文庫

  • フランシス・F・コッポラ監督作品「地獄の黙示録」こと“Apocalypse Now”。 立花隆氏は同作を、文学に比肩する深みを湛えた作品であるとして高く評価し評論し続けてきた。「地獄の黙示録」は、単に大作なだけでなく、重層的で多数の引用が織り込まれた多義的な映画であるという。本書はこの作品を一つの文学的体系として丹念に読み解く映画論である。

     映画製作の舞台裏を描いたノンフィクション「ハート・オブ・ダークネス」から引用し、コッポラが脚本作りに苦悩し、あのエンディングに辿り着くまでの苦悩のプロセスも紹介。評論だけにとどまらず読み物としても退屈させない。後半、特別完全版公開以降に加筆された評論は少々難易度が高く、歯ごたえもある。

     私は高校生の頃この映画に出会い、2枚組のドラマ版サントラレコードを買った。カーツ大佐の独白を繰り返し聴き、キルゴア中佐の名台詞は諳んじてしまった。10代の頃に出会った故にこの映画に夢中になった、そう思っていた。
     だが、本書を読んで改めて気づいた。時代を越える超弩級の傑作に幸運にも青年期に出会っていたのだ。

  • 本作が完成に至るまでいかに混乱していたのかについて紹介しながら、難解と言われる後半部分においてコンラッド『闇の奥』、フレイザー『金枝篇』、そしてエリオット『荒地』が直接的に引用され、挿入曲であるドアーズの「The End」の歌詞がその内容と関連していることを紐解いた解説書。あの印象深いマーロン・ブランドによるカーツ大佐は、脚本も固まってない段階での即興演技が大半というのは驚かさせられる。また主論ではないが、字幕がオリジナル版と特別完全版でほぼ別物といっていい程差し替えられていることを補足で知って苦笑い。

  • すごい、の一言です。名前通り、コッポラ監督の「地獄の黙示録」の解説本です。これを読んでやっとどんな映画なのかが分かった。それくらい「地獄の黙示録」という難解な映画を、主人公のセリフや、翻訳の仕方まで細かく分かりやすく解説しています。やっぱり立花さんはすごい人。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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