がん 生と死の謎に挑む (文春文庫 た 5-23)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167330231

感想・レビュー・書評

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  • がんの発生や転移の仕組みや治療についての詳しくわかりやすい説明の本でした。
    がんの浸潤と転移は、マクロファージの役割の1つである傷口修復と同じプログラムで行われていること、また受精卵の胚の中にある、ある部分から別の部分に正常な細胞が移動できるようにする遺伝子とがんの転移の原因となる遺伝子は同じだそうです。
    となると、がんを命をおびやかす「憎い相手、手強い相手」とかんがえるより、私たちが誕生⇒成長⇒老化とたどっていく通常の生命現象の1つと考えたほうが自然なのではないかと思いました。
    ザリガニのハサミや足を切ると同じものが再生するそうだが、何回も何回も切ると最後は同じものが再生せずに、例えばヒゲとかそういう違うものが再生する、ということを何かで読んだことがある。
    がんも同じようなものではないだろうか?
    修復プログラムがカバーできないことが長期間続くとがん化してしまうのかもしれない。

    人から聞いた話だが、
    がんの手術が終わり「がんがなくなりましたよ」と医者に言われた人が「これで元の生活に戻れますね」と言ったら、「元の生活をしたらまたがんになりますよ」と医者に言われたそうだ。

    確かに!

  • 9/15読了

  • 後半の体験記は兎も角,前半のがんそのものについてのいつもながらの現状の纏めと偏ることのない深い考察は一読に値する.

  • 私にとって少々専門的すぎたかな。映像の方が分かりやすそう。

  • 人間の体は全て皮膚で覆われている。表側が表皮。内側を覆う粘膜質の皮膚が上皮。その上皮にできるがんがカルチノーマ。上皮がん。
    がんの八割以上が上皮がん。他は、肉腫、骨腫。
    上皮がんが多いのは、人間の体で最も新陳代謝が激しい部分が、体内の粘膜部分だから。
    パルスオキシメーターで測る毛細血管の酸素飽和度は最も重要なバイタルサイン。呼吸器系と循環器系の異常が分かる。100%なら正常だが95%をきると何らかの異常があるということ。

  • 立花隆の本ということで買って読んだ。国民の2人に1人がかかり、3人に1人の死亡原因であるがん。まさしく身近になっているがんだが、意外に知らないことが多い。科学的に知ることで、いたずらに怖がる必要もなく、冷静に向かい合えるような気がする。立花隆の本にしては、分かりやすく書いてあるが、もう少し突っ込んで知りたいと思うようになった。

  • 「がんと闘う」のではなく「がんと共生する」
    抗がん剤の副作用について、メリット(延命効果)とデメリット(QOLの低下)を秤にかけて選択。
    良質な知的消費活動(良質の読書、頭をかなり使わないと読めない本を読んで楽しむ。)あるいは良質な芸術鑑賞活動の維持を犠牲にするような副作用を起こす抗がん剤は受けない。。
    著者とはレベルが違いすぎるが、全く同感。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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