黄金時代 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2000年12月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167334154

みんなの感想まとめ

青春の痛みと成長を描いたこの作品は、中学から大学時代までの硬派な私小説です。暴力や喧嘩を通じて、主人公の男の意地やプライドが試される場面が多く、淡々とした文体ながらも熱い感情が伝わってきます。特に、周...

感想・レビュー・書評

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  • リリースあぜやん

  • 本書は椎名誠純文学の傑作である。

    第一章『砂の章』では、中学時代のシーナ青年(おれ)の喧嘩に明け暮れる日々を書いている。
    作品の舞台は千葉県と想定されるが、この章では、
    海の家の砂の場面がよく出てくる。

    ある日シーナ青年(おれ)は番長グループに呼ばれるシーンから、この物語は始まる。
    30名のグループの中で角田と1対1で戦った。
    互角のはずが、番長の『のし』の一言で袋叩きに遭う、友人の策次とアームの3人で喧嘩の達人ゆうさんに
    喧嘩の方法を教えてもらう日々が始まる。

    第二章『風の章』高校生になったシーナ青年(おれ)は
    土建屋のバイトで知り合った、ケガで動きが鈍いデラ安の力を借りて、自分の家の増築する話。

    ただし、お金が無いシーナ青年(おれ)は
    近所の雑材置き場から柱とか建材になりそうな物を
    頂戴してきて、増築していくシーンが描かれる。
    その時に風の登場は台風とか森にふく風がある。

    第三章『草の章』高校を卒業して、大学に行くための
    資金を貯める為に、県立高校の土木科の助手として
    働く。

    この章が一番女性の登場が多くて、ドキドキする
    シーンが多くて、面白い。
    山本さちはおれと1歳違いの美人のハーフ。
    同じ高校の生徒からも憧れの的。
    そんな山本さちと同じバスと電車に乗るシーンは
    オレがドキドキする青春のひとコマを描いている。

    弟四章『火の章』写真大学に入ったがつまらない日々。
    生活費を稼ぐ為に働く先が金属会社の倉庫番。
    そんな生活でも昔喧嘩した相手との決闘シーンが眩しい。

    全体を通して、男同志の喧嘩のシーンが多い。
    最後の椎名誠のあとがきもいい。
    それは、読んでのお楽しみに。

  • 題名は、あとがきにある通り、逆の連想を以ってつけられた。つまり中高生時代、番長グループと単独で喧嘩対決を繰り返し、家を出て学資稼ぎのアルバイトに至る、闇黒時代である。喧嘩の肉体的衝撃や、心理の描写に迫力がある。

  • 淡々としている文体。

    でも、どしっとしていてなんだか熱い。

    そんな物語だった。

    囲まれてリンチされるのが分かっててもついていく。
    結果的には不意を突くなりしてうやむになるが、事が起きるまでは緊張と怒りを押し殺して敵地で耐える。
    呼び出しがかかった時にまず逃げない。
    そこに男の意地とプライドを感じずにはいられない。

    大勢にボコボコされるのが分かってて、こんな事できる人いますか?
    現代なら騙すとか罠にはめるなりして標的を捕まえるでしょ。
    だから、この馬鹿みたいにストレートなやりとりが新鮮でぐっとくるのかもしれない。実際されたら普通に逃げるけど。

  • 中学時代から大学時代までの硬派な私小説。
    『犬の系譜』の続編にあたる作品といったら乱暴すぎるだろうか。
    「です・ます」の文調ではないし、細かい設定に若干の食い違いが見られる。

    自分の部屋を増築するのに主導的な役割を果たしたのは、
    『犬の系譜』では叔父だけれど、
    こちらの小説ではバイトで知り合ったデラ安になっている。
    大学時代に実家を出て、
    叔父のアパートに居候することになってようやく「叔父」が登場する。
    藤山一郎の歌が得意というエピソードは変わらない。
    椎名さんが大学を中退したワケが示唆されているので、
    目からウロコだった。

    喧嘩の痛さ(肉体的苦痛だけでなく精神的後味の悪さも含む)を経験していないと、
    ここまでリアルに書けない。
    ケンカの達人「ゆう」さんに喧嘩の極意を教わる場面は、
    最近は物騒な世の中になってきただけに、
    護身術の教本として大いに役に立つだろう(汗)。

    冗談はさておき、
    この小説を暴力的だと批判するのはいとも簡単。
    それはあまりにも短絡すぎだし、本質を見ていないような気がする。
    そういった批判を実際に目にしたわけではないが、
    この小説は数ある椎名作品の中ではあまり知られていないというか、
    あまり話題にならないというか、
    過小評価されているような気がして仕方がない。
    アマゾンに書評が1件も掲載されていないのを発見して、
    アレ?と不思議に思った次第。
    作家・椎名誠、
    男・椎名誠、
    喧嘩に強い椎名誠、
    硬派な椎名誠、
    などこの人のいろいろな面が形成されていく過程を見ることができる貴重な作品であります。

  • 「アンソロジー お弁当。」にシーナ隊長の若き日のハツラツとした文章が載っていて、そうしたらなぜか無性に読みたくなり、再読。

    「哀愁の町に霧が降るのだ」などのバカ話も、「岳物語」に始まるシーナファミリーの話も好きだが、それとは趣の異なる一連の「私小説」にもとても惹きつけられる。仄暗い熱気が立ちのぼっているのに、どこか爽やかな風が吹いている。

  • 椎名誠の自伝的作品らしい。椎名さんの小説を通して読むのは実は初めてなんだけど、面白かったです。ケンカばかりやっていた熱い青春時代のありようがありのままに伝わってきます。詳しいことはよくわかりませんが、他の作品とは全然違った雰囲気の作品のようです。というか前にちょっと読んだことがあるんだけどあまり進められなかった記憶が…ともあれ、何年も前だし今読むとまた違うかも。

  • 馴れ合いがない分ただただ眩しい。
    満足度6

  • よみやすかった

  • 自伝なのかどうかは分からないけれど「暴力」と言う物について、純文学的に書かれた作品。個人的には普通。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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