大往生の島 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2006年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167340063

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  • 2025/12/23 読了 ★★★★

  • 高齢者で日本一の瀬戸内海の周防大島を舞台にしたルポルタージュ。

    誰にでも訪れる老い…そして、死。人口減少と高齢化が著しく進む、超限界集落とも言うべき過疎の島。しかし、そこに暮らす人々は、決してそんな状況に悲観することもなく、豊かな自然と暖かい人々に包まれた日々の暮らしを楽しんでいるようだ。物質的に恵まれた都会で感じるのは閉塞感と孤立感…人間が人間らしく生き、天寿を全うするためには、如何に暮らすべきかを考えさせられる作品だった。

  •  佐野眞一氏が書いた頃の、老人たちがみんな死んでしまった後、この島はどんなふうになるのだろうか?

     大往生のすんだ島? 

     宮本常一が好きな佐野さんなら、 縄文時代から今そして500年後のこの島の老人の死に方の変化と無変化を書いてほしいです。

     そして、誰もいなくなった、、、、。

  • 97年出版本の文庫版。高齢化率日本一の山口県周防大島。宮本常一の故郷であり、高齢化過疎化が急速に進んだ島でありながら、活気に満ちている島の人たちの生活やその声を、島出身者の人たちの現状や心情、客観的説明、分析も加えながら、詳細に紹介している。島の過去、現在、未来が、佐野さんの鋭く深い洞察力によって鮮明に記述された完全ルポ。現代社会が抱える高齢者福祉の問題や地域社会、高齢化、過疎化をめぐる問題等々、何より人間の「豊かな」生き方を考える際に示唆的。

  • ボケた男性は妻の名を呼び続け、ボケた女性は夫の名をいっさい呼ばない。
    「どうもはじめから、そうきまっちょるようですな」
    という言葉に絶望の世界をつきぬけた明るさのようなものを感じ、
    思わず笑うほかなかった。(大往生の島 P.221)

    この部分を読んだとき、思わず手帳に書き込んだ。

  •  山口県の瀬戸内海に浮かぶ周防大島と、その周辺の小島に住む老人たちの生き生きと暮らす様を著したノンフィクション。都会では、ケアの問題ばかりがクローズアップされるが、この島ではお互いに助け合いながら、個人として生き生きと暮らしている。そして、彼らが「ただ長く生きてしまった」と言ってしまえる、その死生観がステキだ。個人的には、私のご先祖さまの流れ着いた島でもあるようで、一度は訪れ、あわよくばここで命を終えるのもいいなぁとか思っている。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者、業界紙勤務を経てノンフィクション作家となる。1997年、民俗学者宮本常一と渋沢敬三の生涯を描いた『旅する巨人』(文藝春秋)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年、『甘粕正彦乱心の曠野』(新潮社)で第31回講談社ノンフィクション賞を受賞。

「2014年 『津波と原発』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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