彗星物語 (文春文庫 み 3-13)

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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348137

感想・レビュー・書評

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    母が好きな作家さん
    犬と留学生を含めた13人家族の話
    何があった訳でもないというか常に何かあるというか
    でも読み終わってから寂しくなる本

  • 私は、読書には非日常を求めます。
    SFとかサスペンスとか突拍子もない展開が好きです。
    ドキドキ、わくわく♪
    ところが、この彗星物語は、とある大家族のほのぼのとした日常を描いています。
    おじいちゃん、お父さん、お母さん、長男、長女、次女、次男
    お父さんの出戻り妹と3男1女の子供、犬、留学生
    ちびまる子ちゃんのともぞう張りのおじいちゃん
    さざえさんの「たま」よりキャラクターの強いアメリカン・ビーグル「フック」
    渡る世間。。。ばりにいろいろ事件が起きます。

    なぜ読んだのか?
    それは、今住んでいる地元を描いた本で、前から読んでみたかったからです。
    土地に関する描写は、「あっ、あの道か」「あのバス停までの道って、そうそう」って浮かんできて楽しいです。

    で、非日常を満足しているかどうかなんですが、
    私今、忙しくオフィスと家の往復を繰り返す毎日を送っています。
    そんな中で読むと、大家族のほのぼのな日常は「非日常」なんですよ!これが
    大家族ってのが、すでに非日常かもしれません。
    迷惑をかけあって、衝突して、怒って、笑って
    たまにはいいですね!こうゆうお話(^o^)b

    「さあ、これからだ」と考える心、
    「突如、彗星の如く」が表わすものとは? 学ぶべき点も多い作品でした。

    そして、どうなんだろ?次のことが皆さんに聞いてみたいくなりました。
    1)みなさんは地元について書かれた本って読んだことありますか?
    2)読んで、「うんうん」って感じでしたか?
    「ウソばっか」とか「盛ってる~」でしたか?

  • フックとBが重なり・・・
    なんとも仄々いい話でした

  • 現実には稀な大家族の話(昔はあったんだろうが・・)。ハンガリーからの留学生や出戻りの娘と子供たちが居候する波乱含みの大所帯は、知らずうちにお互いが欠けたところを補い合いながら何とか進んでいき皆が少しずつ成長していった。ベルリンの壁が崩壊した3年後に発表された作品らしく当時の東欧諸国の内情も垣間見え興味深かった。

  • このような大家族ものはともするとキャラクター小説になりかねないが、この作品はそんなことなかった(強いて言えば飼い犬くらいか)。
    文化の違う人が一人、この大家族に入り込むのであるから当然事件は起きる。ただ、昼ドラのような超絶ドロドロ事件でもなく、あっというどんでん返しも起こらない。さーっと読んでいるとそこまで気にしなくても・・・なんという瞬間もありそうなくらいである。しかしそこで生活する人にとってみれば大きなこと。この世の中の大ぜいにとっての事件なんてそんなものだろう。所詮他人にとっては自分の身に降りかからないことについては他人事なのだ。
    大事件は無いにしろ、この留学生が結局この家族に大きな影響を及ぼすことにはなるし、読み応え、というよりは、起伏はそこまで欲しくないけど退屈しすぎないという点でするすると読める話を期待する人にはよいと思う。

  • 義父と夫、長男、長女、次女に次男、夫の妹にその子供が二人、さらには犬が一匹。
    そんな大所帯に今度はハンガリーからの留学生がやってきた。
    ボラージュという名前の留学生は、城田家がすべてのお金を工面して大学に通わせるという。
    決して裕福ではない城田家の中に、金銭、そして人種の違いというひずみができ問題を引き起こす。

    人の考え方というのは本当に色々で難しいなとは思うけれど、ボラージュの考え方には時折腹が立つ。
    日本人の気質とは違うからかなーと思いつつ、日本人の登場人物にも腹立たしいところはあるので、難しい話だ。

    自分を犬だと思っていないフックがいい味を出しているのだが、どうしてラストはこうしたんだろう。
    家族の終焉の形を表しているの?
    ずっと一緒に過ごして来ただけにすごく悲しい。

  • なんか…後半の恭太と紀代美のリズミカルなかけあい部分が宮本輝らしくない…違和感がある。恭太にしゃべらせ過ぎ。流転の海のノブちゃんとはキャラがちゃうと思います。

  • 久々の宮本作品。
    留学生を家に受け入れることで、家族が良くも悪くも変わっていき、そして普通の日本人家族よりうんと沢山のことを学ぶということがどれほどかけがえのないことがが分かりました。

  • 城田家の家族の物語ですね~。
    ちょいと昔のお話なんだなと、ボラ助の話を聞いていると思いました。

    私はおじいちゃんと、犬と思ってない犬が好きですね。笑

  • ハンガリー留学生ボラージュという青年がおもしろい。
    晋太郎のもつよさがよくでている。
    幸一、真由美、紀代美、恭太の4人の兄弟。
    フックという、犬と思っていない犬。
    不思議な世界が繰り広げられている。
    家族の持つ意味は、もっと違ったことにある。
    平凡な中に、キラキラした息吹が存在している。

著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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