約束の冬 上 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2006年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784167348205

みんなの感想まとめ

家族の喪失感を抱えながらも懸命に生きる登場人物たちの人生が交錯し、静かな恋愛が描かれる物語は、柔らかく透き通った印象を与えます。主人公たちが直面する困難や葛藤は、彼らの前向きな姿勢によって鮮やかに表現...

感想・レビュー・書評

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  • 私が初めて読んだ宮本輝さんの小説です。
    みずみずしい文章で、二人の関係も気になりながら読みました。
    実際には父親が話のウエイトを占めていて、二人は脇役っぽくなりますが…

  • 今の自分

  • 家族から重要なピースが欠けてしまったことで幾許かの喪失感を抱えながら健気にそして懸命に生きる登場人物達の人生が交錯し、人間模様が織りなされていく。物語は、青年と、青年が10年前に若気の至りで突発的にラブレターを手渡してしまった女性との間で静かに進行する恋愛を軸に描かれる。

     「うまくできるようになってから、人前に出て仕事をしようと思うのは間違いなんじゃないかなァ。失敗したら恥ずかしいとか、間違えたら安く見られるとか考えて、それが礼儀だとか、おくゆかしいなんて自分に言い聞かせる人は、つまりは見栄っぱりで、勇気がないから、せっかく才があってもそれが育たない・・・。」

  • 丁寧な描写で描かれる美しい風景。宮本輝は親が好きで呼んでみたがいろいろと伏線が散りばめられていると感じ下巻が楽しみ。
    ただ展開はゆっくりと進むため読み進めるのが少し苦労した。
    今後の10年前の約束が果たされるかどうか、気になるところ。

  • なんだろう、どこがどうでこの作品が良かったというのは言いにくいのだけど、全体的に柔らかく透き通った印象の本で、読んでいて心地良かった。
    留美子と俊国の話がメインになるのかと思えば、圭一郎にも恋の兆しがあり、面白い。
    でも圭一郎のお相手の中国人女性は、ちょっと受け入れにくい。

  • あり得ないような約束

  • ここ何年かで宮本さんの作品を知り、自分と同じ病気を経験した人ということもあって読むようになりました。
    年配の宮本さんの書く文章は、若い世代の自分には知らない言葉が多く、読むだけで勉強になります。

    登場人物たちが楽しむゴルフや葉巻、食べ物やお酒など、丁寧に丁寧に語られてゆくと(少し長いくらいですが・笑)
    読みながら人生を楽しむコツを教えてもらっているようです。

    下巻まで大きな展開もどんでん返しもなく、淡々と進むのになぜか飽きないのは文章力でしょうか。
    登場人物が困難な状況にあっても前向きな人ばかりで、読んでいて襟を正されるような気持ちになります。
    宮本さんは人に対しても自分に対しても、希望を捨てていない人なのかもしれません。

  • 宮本作品に出てくる人物はどうして魅力的なのか?と考えながら読みました。自分なりの考えですが〝丁寧に生きているから〟だと思います。
    今回は様々な約束を軸に話が進んでいきますが、自分は普段〝約束を守れているのか〟との問いを小説から受けている気がしました。
    俊国、小巻の約束はどうなるのか?下巻が楽しみです。
    上巻では、留美子と小巻が食事をしながら話している場面が印象的で、徒然草を語るシーンは心に残っています。

  • 宮本作品は、女性の言葉遣いが綺麗。会話文がとても気持ちよく、登場人物のたたずまいも品がある。ぜひ若者に手にとって欲しい作品たち。物語は淡々としているが、飛行蜘蛛、葉巻、パソコン、古木、ゴルフなど幅広いアイテムがアクセントになって好奇心をくすぐられる。主人公の留美子と年下の俊国、桂二郎と若い中国人女性の恋?の行方も気になる。有川さんのようなわかりやすいキュンキュンもいいけれど、こんな渋い大人の恋のカケヒキ、深みを味わえる作品はいいなぁ。下巻へ。

  • 8月18日~25日

    十年前、留美子は見知らぬ少年から手紙を渡される。「十年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」。いったいなぜこんな身勝手なことを?東京、軽井沢、総社、北海道…。さまざまな出会いと別れ、運命の転変の中で、はたして約束は果たされるのか。

  • 内容説明
    十年前、留美子は見知らぬ少年から手紙を渡される。「十年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」。いったいなぜこんな身勝手なことを?東京、軽井沢、総社、北海道…。さまざまな出会いと別れ、運命の転変の中で、はたして約束は果たされるのか。

  • 何て言うか‥
    作者らしい内容だと思います。
    上だけ読み終わったけど下が楽しみ
    です。

  • 作者らしい文体とストーリー
    下巻が気になる

  • 実に宮本さんらしい展開。

    全体を通じての感想は、<下> 巻を読んでから〜

  • 名文、お勧めです。

  • 出てくる人が、みんなとても素敵。留美子さんと俊国くんの恋?は、どうなっていくのか気になるな。

  • 食べ物を食べてるシーンが本当に美味しそう。登場人物たちが自分の好きなもの大切に大切にしているところが好きです。人に対してだけじゃなくて、物とか言葉とか時間とか、とても丁寧に扱ってるなぁと感じます。もう好きとかじゃなくて愛だよねという。
    蜘蛛とかほんとに苦手だけど、俊国から始まった飛行蜘蛛のお話はなんだか神聖なものにすら思えました。留美子が言うように「けなげ」だなとすら思えたのは、この作品の登場人物たちがみんな良い人間だからかもしれません。
    山も谷もなく上巻は終わってしまいますが、味気なさや退屈さは全く感じませんでした。ひとつひとつの言葉に重みやカラーがあるなぁと思います。

  • 約束の冬(上) 宮本輝(著)

    人と人の間で、コミュニケーションする。
    その中で、約束 がある。
    人は、生きている間に、どれだけの約束をするのだろう。
    親との約束。
    恋する人への約束。
    愛する人との約束。
    子供との約束。

    物語の中に巡らされる約束。
    留美子は、少年から、10年後に 結婚しようという
    ラブレターをもらった。
    その奇妙な申し出をした少年は 誰なのか
    そのことが,10年の月日が流れることで 明らかになっていく。

    留美子には、妻子あるオトコと 恋愛していた。
    そして,そのオトコは 妻子と別れ
    留美子と結婚すると言っていた。
    そのオトコは言う「ボクは必ず約束を守る」と。
    しかし,その約束は 妻の妊娠によって 
    あっけなく破られることとなった。

    留美子は、幼友達の芦原小巻とも、約束していた。
    小巻は、若いにもかかわらず、肝臓ガンに侵された。
    それでも、留美子との約束が希望となって、生き延びた。
    その希望とは。

    留美子の弟は、アメリカの大学に行って、コンピュータの会社に
    就職したが、木工の修行に転身。
    それは、死んだ父親との約束だった。

    若い時に時計を壊した俊国の父親の約束。
    父親は俊国が 2歳の時に 事故で死んだ。
    俊国は 上原桂二郎のもとに,連れ後として成長する。
    父親の約束を実行しようとするおじいちゃん。

    約束が錯綜し、それぞれが 互いに繋がって行く。
    守られる約束。破られる約束。
    約束に拘束されながら生きる 人間。

  • 普通の人の日常で起こる様々な事で、心理状態の変化の描写がドラマチックでなく、自分にも起こりそうな感じでつい感情移入してしまう。

  • これまで生きてきた中で、他者、そして自分自身への約束が一体どれほどの数があるのだろうと考えを巡らしました。守れた約束・果たせなかった約束…。様々な約束があるけれど、こんな心の豊かさがにじみ出る約束に触れたのは初めてです。個人的にラストに少し不満があるので評価は少し下げました。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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