新装版 青が散る (上) (文春文庫) (文春文庫 み 3-22)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348229

感想・レビュー・書評

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  • 名前はきいていたけど初めて読んだ。王道と覇道の違い。好きな女の子と絶対結ばれなさそうなこの感じ。青春ですなあ。

  • 【本の内容】
    <上>
    燎平は、新設大学の一期生として、テニス部の創立に参加する。

    炎天下でのコートづくり、部員同士の友情と敵意、勝利への貪婪な欲望と「王道」、そして夏子との運命的な出会い―。

    青春の光あふれる鮮やかさ、荒々しいほどの野心、そして戸惑いと切なさを、白球を追う若者たちの群像に描いた宮本輝の代表作。

    <下>
    退部を賭けたポンクと燎平の試合は、三時間四十分の死闘となった。

    勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。

    若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながらも、自らの道を懸命に切り開いていこうとする男女たち。

    「青春」という一度だけの時間の崇高さと残酷さを描き切った永遠の名作。

    [ 目次 ]
    <上>


    <下>


    [ POP ]
    題名にひかれ、七つ上の姉の本棚からこっそり拝借したのはいつだったか。

    大学生が織りなす恋とテニスの物語に夢中になった。

    成り行きで新設大学を受験した燎平は、殺風景なキャンパスで夏子と出会う。

    真っ赤なエナメルのレインコート、鮮やかな口紅。

    その瞬間、青春が音を立てて回り出す。

    本書には、やはり大学時代、創設されたばかりの追手門学院大学(大阪府茨木市)でテニスに打ち込んだ著者の、若き頃への思いが投影されているという。

    若者たちの日々は輝かしいばかりではない。

    ある者は忍び寄る病の影におびえ、ある者は破滅的な恋に身を投じる。

    女王然とした夏子も、つまらぬ男にひかれて周囲を混乱させ、自らも深く傷つく。

    文庫新装版にあとがきを寄せた作家の森絵都さんは、「青春最大の特徴は、光よりもむしろその色濃い影にある」と書いている。

    人気のないキャンパスで再び燎平と夏子が向き合うラストシーンは、多くの読者の胸をしめつけた。

    恋を夢見た頃を何十年も過ぎて読み返しても、決して色あせない青春文学の名作。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 詳細は下巻。

  • 「異端ではっても独自な、どこかに一点他の者より秀でている部分が、自分にはまったく見当たらないような気がするのである。何もかもがこぢんまりとまとまって、平凡で、おもしろくも何ともない人間だと思うのだった」

  • 読みやすい。
    この頃の宮本作品はひとひねりもふたひねりした作品にへきえきしていたので、こんなストレートな作風が新鮮に思えた。

  • 再読。若さとはこういうこと?この年になって改めて感じた。純粋でひたむきで、でもどこか冷めていて、でも未来があるんだな、これが。
    過去の自分の青春時代を懐かしむというより、また青春にあこがれてしまった。やはり宮本輝氏はよいな。

  • 再読。手持ちの本は昔の装丁で上下巻に分れていないのですが、そちらのバージョンだと画像がなくて寂しいので、こちらを登録。
    何年かぶりに読みましたが、30年も前に書かれた本なのに、現在にも通じるものがあり、若さゆえの痛さとか、迷いとか、昔も今もあまり変わらないんだなと思う。

  • 知人に勧められて読んだ本、
    『青が散る(上)』、
    おもしろいです。

    宮本輝らしい世界が表現されているように思います。
    生きるって何なのか、自分の命って何なのか。

    新設大学の一期生の燎平。
    そこで知り合った学生の夏子とつきあいたいからテニスを始めて、
    テニス中心の生活へ。

    高校まで全国大会などで活躍していたが病を理由にテニスを離れていた安斎とであったり、
    お手本からはほど遠いようなテニスをするけれども妙な強さがある貝谷とであったり。

    勝利への貪欲さへの、「王道」と「覇道」と。

    人間くさく、変わった奴らの、はいつくばるような生き様。

    爽やかなスポーツとしてのテニスではなく、
    どろどろとした人間くささを含んで描かれているのが、なんだかよい。

    “王道とは何であろうかと燎平は考えた。そして、貝谷の言う覇道とは何であろうか。すると燎平の心に、社会の中で、あるいは力弱く悄然と生きているかも知れない数年後、数十年後の自分の姿がふいに浮かんできた。”

  • 金字塔

  • こっちはいまいちだったけど、下巻から面白かった。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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