新装版 青が散る (上) (文春文庫) (文春文庫 み 3-22)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348229

作品紹介・あらすじ

燎平は、新設大学の一期生として、テニス部の創立に参加する。炎天下でのコートづくり、部員同士の友情と敵意、勝利への貪婪な欲望と「王道」、そして夏子との運命的な出会い-。青春の光あふれる鮮やかさ、荒々しいほどの野心、そして戸惑いと切なさを、白球を追う若者たちの群像に描いた宮本輝の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 燎平、金子、安斎、貝谷……。個性的な大学生たちの、ゆるゆるとしながらも熱く、懸命に生きる、どこかノスタルジックな青春の日々。
    青春っていいなと漠然と思います。

  • 感想は下巻に記録

  • 瑞々しさが感じられる青春小説。若者達ならでは心理が、宮本輝さんらしい美しい日本語で描かれている。

  • 「青春をテーマにした」と言ってしまうとかなり薄っぺらい感じがするが、こうとしか言いようがないだろう。大学時代を懐かしく思わせる、非常に良い小説だった。

    振り返ると大学には自分とは違う、色々な人たちがいた。全てを部活に捧げる人、見ててイライラするくらいちゃらんぽらんな奴、将来に向けて資格試験に取り組む人、大学には全く来ず気付いたら会社を興していた社長…

    自分は18歳から22歳の間、何をして今に至っただろうか。違う大学に行っていたら、違う言語を勉強していたら、何か熱中するものがあったら、今はどういう人間になっていただろうか。
    はっきりした考えは無いが、何かすべきことをしてこなかったような感覚に包まれている。それが何か分からないから、しなかったのだろうけど。

    ただ誰もがこういう心のモヤモヤを抱えていると思うと気が楽になるし、何より寝たら忘れているイージーな自分には考えること自体、無意味かもしれない。12時過ぎたしもう寝よう、明日も仕事だ。

  • 3度目の読了。
    毎年夏になると無性に読みたくなる、大好きな物語です。

    登場人物が皆それぞれとても愛おしい。
    皆が可愛く愛しく思えるのは、
    私と彼らの歳の差が毎年開いていってるからかもしれません(笑)
    (July 14, 2020)

  • 少し昔の作品なので、序盤から盛り上がりは少ない。
    淡々と進むイメージ。

  • テニスに明け暮れるというイメージで読み始めた所、主人公が父親の仕事の経営から大学への入学をどうするべきだろうと悩み立ちすくんでいた。似たように赤いレインコートを着た一輪の花の様に立っている女性と出会い、話は始まる。

    登場する人物は誰も印象的でムダが無く、そして離れ別れる者もいれば、嫌いだと思っていても腐れ縁の様に付き合う者もいる。濃厚な学生の青春と呼べる物語だと思った。

  • 大学時代に読んだ本。青春の煌めきと焦りがちりばめられた良作。

  • 青春小説の最高傑作と称される本作。

    作中で、ある人物が「自由と潔癖こそが青春の特権である」と言う言葉を主人公に授ける。彼の青春は、その言葉にいかにも忠実な、懸命で誠実なものだった。自分はそんな風にはできなかったから、先の言葉は心に痛く、主人公に激しく嫉妬した。

    主人公がこれから歩むのも人生の王道なのだろう。その道を歩める強さが恨めしくすら感じた。

  • 中学時代に本小説のドラマをやっていた。主演は石黒賢(確か彼のデビュー作)。そして佐藤浩市、二谷友里恵、川上麻衣子らが出ていた。松田聖子の「青いフォトグラフ」が主題歌で毎週楽しみにしていた。
    いつか原作を読んでみたいと思い、6年ほど前にようやく読みました。
    ドラマは関東が舞台だったけど、原作は関西なんですね。ドラマも良かったけど、原作もとても良かった。
    椎名燎平が大学の4年間、テニスを通して成長していく姿が描かれている。夏子への片思い。良いです。最後はとてもせつない。でもでも何度でも読み返したくなります。読み終えて本を閉じると「青いフォトグラフ」が聞えてきます。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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