私の岩波物語 (文春文庫 や 11-11)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167352110

作品紹介・あらすじ

岩波書店、講談社、中央公論社以下の版元から電通、博報堂など広告会社まで、日本の言論を左右する面々の過去を、自ら主宰する雑誌の回顧に仮託しつつ論じる。(久世光彦)

感想・レビュー・書評

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    ── 山本 夏彦《私の岩波物語 199405‥ 199705‥ 文藝春秋》20160420
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4167352117
     
     山本 夏彦   コラム 19150615 東京 根岸 20021023 87 /随筆、編集者
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BB%B3%CB%DC+%B2%C6%C9%A7
     吉田 秀雄 電通社長 4 19031109 福岡 東京 19630127 59 /「鬼十則」“広告の鬼”
     
    http://daily.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1463384785/61
    :名無しさん@1周年:20160516 17:01:33.85 ID:ZwRPl7CN0
     電通以前にさかのぼる(抜粋)
     
    …… 電通の成功は敗戦直後旧満鉄やもと陸海軍の人材をどしどし入社
    させ、その人脈を利用したことにある。民放のラジオ局にこれをいれた
    ことにある。やがてテレビにもいれたから、電通の息のかからないラジ
    オテレビはなくなった。日本のマスコミは一つになった。
     したがってテレビのゴールデンタイムは電通の握るところとなり、電
    通を通さなければいい時間は買えなくなった。新聞やテレビの広告の大
    半を握っているから、もし電通が広告をいれなければその新聞はつぶれ
    ないまでも大打撃をうける。
     吉田秀雄(元電通社長)は死んだがそのやり口は残っている。いまだ
    に各界名士の子ならどんな出来ない坊主でも入社させるそうである。そ
    の子につながる人脈を利用するためだから当人は無能でもいいのである。
    これ以上知りたければその道の本を読めば分る。私は広告界の見物人で
    ある。もし電通が日本の言論を左右したければできるだろう。その気が
    ないのはついこの間まで賤業で、幹部にそれを知るものが生き残ってい
    るせいで、近く死にたえて電通をはじめから世界一と思って入社した社
    員の天下になったら、どうなるか分らない。野心家が出てくる可能性は
    ある。
    (略)
     ただ選挙のポスターは代理店の製作である。代議士の衣裳も演説も代
    理店が大金をとってかげで指図している。候補者にそのセンスがないか
    らそれと見分けがつかないが、そのうちつくようになるだろう。彼らは
    電通の言うなりに手足を動かし口をぱくぱくさせる。そういう候補者が
    画面にあらわれるようになるだろう。
     
    (20160516)
     

  • 「室内」昭和62年1月号から平成5年4月号連載。出版、広告から印刷製本までを論じて痛快。

  • ※読了というより読み切るのを諦めた。

    書物や出版の歴史、的なものにちょっと興味があって、日本の出版の歴史本みたいなものを期待して購入。

    そもそもエッセイなので、体系的に歴史をまとめてあるようなものは期待していなかったけれど、それでもやはり頭に入ってこなかった。
    「室内」という雑誌の連載であったようなので、この山本夏彦という著者がどんな人物かある程度知識があってリアルタイムに読んでいれば、もっとすんなり読めたのかもしれない。
    ぱらぱらめくった感じでは、資料として面白そうだとは思う。

    目次より各章のタイトルを一応メモ↓

    私の岩波物語
    講談社少々
    社員でさえ読まない本「社史」
    「暮しの手帖」と花森安治
    「室内室外」
    暮れの二十九日だというのに
    建築雑誌というもの
    電通世界一
    電通以前にさかのぼる
    筑摩書房の三十年
    金尾文淵堂と小野松二の作品社
    赤本
    佐佐木茂索と池島信平
    中央公論と改造そして文庫
    原稿料・画料小史
    和紙と洋紙
    印刷いま昔
    製本屋廃業の辞
    取次「栗田書店の面目」
    実業之日本社の時代
    原稿料ふたたび
    「室内」の才能たち
    茶話会
    あとがき


    西洋書物や写本の話なら軽く読めるものがあったんだけれど、日本の書物の歴史の分かり易い本は無いだろうか。

  • 「社員さえ読まない本 社史」は名言だ。

  • 戦後の出版業界にまつわるエッセイ。研究資料にはなりきれない。なんか年齢不詳な文章だなとの印象を持った。

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著者プロフィール

山本夏彦
大正4年東京生まれ。コラムニスト、作家。「室内」編集・発行人。昭和22年『中央公論』に発表した「年を経た鰐の話」が坂口安吾らの目にとまり、注目を浴びる。その後、出版社勤務を経て昭和33年、月刊インテリア専門誌『木工界』(36年に『室内』と改題)を創刊し、以来編集に携わった。『週刊新潮』『文藝春秋』などにコラムを連載、一貫して、世相をするどく諷刺する辛口コラムを得意とした。昭和59年第32回菊池寛章を受章。
著書に『日常茶飯事』『編集兼発行人』『死ぬの大好き』『完本文語文』『「室内」40年』『私の岩波物語』などがある。平成14年に10月に死去した。

「2022年 『無想庵物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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