室内40年 (文春文庫 や 11-13)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167352134

感想・レビュー・書評

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  • 『室内』の歴史を夏彦さんの人生とともに語る。
    これも聞き語り形式で読みやすい。

    夏彦さんの、自分を内側から見る視点と、外側から見る視点がよくあらわれているとのこと。
    鹿島茂さんが解説なので、メーテルリンクの戯曲『室内』の内容を書かれているのがよい。

    ヤミ物資はヤミじゃない、配給の話がよかったな。

    夏彦さんは戦時に疎開していたが、疎開先には米も味噌もあった。
    だから、東京の知人に届けてやろうと、味噌を缶詰にしてもらって、汽車に乗って東京へ。
    途中、網棚から何か垂れてきて乗客が騒ぎ出す。
    夏彦さんも何だと思う。

    すると、心得のあるらしい乗客が「味噌だな」

    夏彦さん仰天。
    味噌が麹で発酵するものだとは知識で知っていたが、まさか缶詰が爆発するとは思わなかった。
    乗客にひたすら謝る。
    それでおさまったのは、乗客がみなボロを着ていた時代だったから。と。

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著者プロフィール

山本夏彦
大正4年東京生まれ。コラムニスト、作家。「室内」編集・発行人。昭和22年『中央公論』に発表した「年を経た鰐の話」が坂口安吾らの目にとまり、注目を浴びる。その後、出版社勤務を経て昭和33年、月刊インテリア専門誌『木工界』(36年に『室内』と改題)を創刊し、以来編集に携わった。『週刊新潮』『文藝春秋』などにコラムを連載、一貫して、世相をするどく諷刺する辛口コラムを得意とした。昭和59年第32回菊池寛章を受章。
著書に『日常茶飯事』『編集兼発行人』『死ぬの大好き』『完本文語文』『「室内」40年』『私の岩波物語』などがある。平成14年に10月に死去した。

「2022年 『無想庵物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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