病院で死ぬということ (文春文庫 や 26-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.89
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167354022

作品紹介・あらすじ

医師である著者は、末期ガンの患者たちの闘病と死に立ち合って思った。一般の病院は、人が死んでゆくにふさわしい所だろうか。医療者にまかせるのではなく、自分自身の意思と選択で決める自分の死を迎えるには、どうしたらいいか…。これは患者と理解し合い、その人の魂に聴診器をあてた医師の厳粛な記録。

感想・レビュー・書評

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  • 『病院で死ぬということ』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/548751

    受け入れ難い現実と向き合う人の心を知るための2冊(選者:山崎章郎氏):日経メディカル
    https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t340/202312/582370.html

    病院で死ぬということ - 作品情報・映画レビュー -KINENOTE(キネノート)
    http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=27783

    文春文庫『病院で死ぬということ』山崎章郎 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167354022

  • 題名だけは知っていたけれど避けていた本。
    読み始めてやっぱりな、でした。
    病院って、人の最後はこうだよね、と。
    読み進めていくうちに希望が持てるようになりますが、実際には金銭的な事、家族の負担を考えるとと思ってしまいます。
    自分には何が出来るか、自分の最後には他にも選択肢はないのかなど色々と考えてしまいました。

  • 医師と患者の葛藤(前半)
    著者の体験・実践(成功例)
    医師と患者の間に、人間としての信頼関係があるならば、やすらかな死を迎えられると思える。
    そんな思いが、著者の終末期への考え⇒ホスピスへつながって行くと思える。


    雑記
    病院で死ぬということ

    18
    書き方表現方法が、本人の心情はわからないがマイナス。事実のみを記す?著者の心情は表現記載の
    32
    臨床患者に対する蘇生術。医療者の義務と考えている。救急と末期では違う。死に行く人に対する、優しさも、畏敬の念も、哀悼も無い。延命至上主義の医学教育、人間の尊厳を冒す行為。
    38
    脅迫
    実話なのか?
    日野原医師の病理解剖、82%、すごい!
    52
    解剖⇒移植へ話を変えたか。
    66
    主治医と患者。痛みに関する、心理の脚色のしbyすぎではないか?家族への影はないなあ。
    68
    徐痛方法を知らない。時代背景がありそうだ。物語から、麻薬系鎮痛薬、1ショットだろうか?疼痛管理の現状では、知らないということはありえない。また、大学病院で末期、これも無いのではないか?とともに、心理的な影響から、量が減る例は、自身でも聞いたことあり。
    82
    長期入院では、家族の(心が)疲労する。自分を理解できないという表現は、適切なのだろうか?
    84
    治療法の問題があったのか、システムに問題があったのか、(家族との)コミュニケーションが問題か、エピソードの意味は理解に苦しむ。(押入れでの死、年金を受取る見舞い)
    89
    病院での個人の死、医療システムの中に埋没してしまう。
    96
    死ぬ瞬間
    キューブラロス
    97
    医師は一般人と考えが違う
    99
    医師の義務とは。蘇生術を行うことなのだ。(当時は)
    100
    臨終という戦場。
    蘇生術。
    そして、戦う相手が違うということ。
    103
    患者の=死への尊厳はあるのか?
    112
    その人固有の人間としての存在が尊重される。
    126
    現実にあるかと驚く。意志は生命を輝かせる、気力、根気、つきた。価値ある時間。夫の病状はどうなったかも気になる。
    174
    臨終間際は入院は、家族のエゴでは無いだろうか?ホスピスの前進と教えた。
    206
    「息子へ」
    家族の信頼、医師と患者の信頼、素晴らしくも、美しくもあり、清く尊いと感じた。妻の看護も献身的であったのだろうが、遺書を渡されたのが娘ということで、16歳、重圧ではなかったのか?と思えた。しかし、それを乗り越えてられた程に、愛があったのだろう。泣けました。
    220
    宗教観、著者は良く見て、真情を捉えている。ホスピス⇒行き着くところなのか?という想いである。これが病院ではないところの、著者なりの回答なのだろう。

  • 消化器外科からホスピスへ転向した経緯や、キュブラーロスの死の瞬間を読んで緩和ケアに興味を持ったというエピソードに、似た境遇を感じて共感した。(大若輩である。)

    初版から20年以上が経過している今も、一般病院における終末期医療の問題点は大きく変化していないと感じる。特に、日々の診療で感じる違和感に忙しさで蓋をしている医療者に突き刺さる内容である。

  • 出版は今から23年前と古いが、ガン末期と言う終焉間際の方々のノンフィクションが短編で10作+著書であるお医者さんの考え方が変わった時の短編と、今後の取り組みについてのそれぞれ1作づつの計12作。

    短編ですごく読みやすかった。

    はじめの5作は患者が望んでも、告知されず
    患者自身の最期が孤独なものが、多い。
    なんの誰のための治療なのだろう。
    読みながら、胸が苦しくなった。
    間に1作著書(お医者さん)の考え方が変わったきっかけあり、
    その後残りの5作が描かれている。
    前の5作とは違い、自身の死を受け入れ、自らの意志や家族との話し合いの結果、安らかで人間としての最期を迎えられている。

    読みながら、ふと10年近く前に他界した、おばを思い出した。
    急死だった為搬送された病院での蘇生行為をみながら、
    生きて欲しいという私の願いと、
    このまま眠る方が良いので無いかという不思議なふたつの感情を持った。。。
    蘇生行為で苦しめないで欲しいと思った。
    自分が死を迎える時は、延命治療で自由なく生きるより、限りある命を最期まで自分らしく生きたいと思った。
    ホスピスにも記載があり、詳しく調べて、何かお役にたてるか考えようと思った。

  • 一番の当事者は患者であり、患者が死と向き合って初めて尊厳を論議できるというは解からないでもない。「隠蔽=悪」で「告知=善」というバイアスも強く感じるが。

  • 3.88/538
    内容(「BOOK」データベースより)
    『医師である著者は、末期ガンの患者たちの闘病と死に立ち合って思った。一般の病院は、人が死んでゆくにふさわしい所だろうか。医療者にまかせるのではなく、自分自身の意思と選択で決める自分の死を迎えるには、どうしたらいいか…。これは患者と理解し合い、その人の魂に聴診器をあてた医師の厳粛な記録。』

    『病院で死ぬということ』
    著者:山崎 章郎(やまざき ふみお)
    出版社 ‏: ‎文藝春秋
    文庫 ‏: ‎269ページ

  • 令和の時代になり少しは変わったのであろうか

    前半は読み進めるのも辛いものがあった

    同じ死を迎えるのでも壮絶な最期なのか静かにその時を迎えるのか、全く違うものになる

    自宅で自然に亡くなることが本当に難しい世の中になった

    家族にしても苦しそうにしているのは黙って見ていられるはずはなく、症状によっても限られるのではないか

    主治医と本人、またその家族との信頼関係がないことにはお話にならない

    静かな死を迎えたいものである

  • 終末期医療についてリアルな体験を知ることができて、とても参考になった。

  • 498.04-ヤマ
    000272047

    初めて読んだ時は衝撃を受けました。著者はわが国における「ホスピス運動」を当初から実践してきた一人です。がんの緩和ケアは、技術的には当時と比較にならないほど進歩しましたが、対人サービスに関わろうとする人には、今でもぜひ読んでもらいたい一冊です。続編も出ています(山崎章郎:「続 病院で死ぬということ そして今、僕はホスピスに」1993)

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著者プロフィール

山崎章郎(やまざき ふみお)
1947年生まれ。医療法人社団悠翔会ケアタウン小平クリニック名誉院長。
外科医としてのキャリアから、船医として赴いた南極での経験を経て、「ホスピスは、最期の瞬間まで人間としての尊厳を守りながら、人生に新しい価値を見いだし、幸せな気持ちを持って生きる場所」との信念をもって、東京都小金井市の聖ヨハネ会桜町病院のホスピスを牽引。その後2005年に、在宅ホスピスケアを目的に東京都小平市に「ケアタウン小平クリニック」を開設し、コミュニティケアにも関わる。現在は、ステージ4の大腸がんを療養中。その体験に基づき、抗がん剤治療を減らし、既存の代替療法を組み合わせた、副作用の少なく、金額的にも無理のない治療法である「がん共存療法」に辿り着く。がんと共存しながら限られた時間を患者自身が納得し、自分らしく生きるための「無増悪生存期間」の延長を目指し、その臨床拠点ともなる「がん共存療法研究所」の設立を準備している。著書に『病院で死ぬということ』、『「そのとき」までをどう生きるのか』、『ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み』など。

「2023年 『死ぬことと、生きること~キューブラー・ロスをめぐる対話~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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