桂小五郎 (下) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1984年11月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784167357023

みんなの感想まとめ

幕末から明治初期にかけての激動の時代を背景に、主人公の木戸孝允の生涯を描いた作品は、彼の政治的な苦悩や友情、そして競争を通じての成長を鮮やかに浮き彫りにしています。幕府との戦争や大政奉還、薩長同盟の結...

感想・レビュー・書評

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  • 「桂小五郎」の下巻読了。読んで著者の古川薫氏は自分の好みタイプの作家であると感じた。山口新聞の編集局長を経て、作家に転向されたとのこと、文章力や、文章の奥の深さにも魅力を感じ、有意義な読書の時を過ごすことができた。

    この作品の原題は「炎と青雲」で、「激動の時代を生きた一人の人間の『炎』と『青雲』を書きたかった」と著者はあとがきに記されている。炎は桂小五郎で、青雲は木戸孝允の姿だそうだ。

    桂小五郎が木戸孝允に改名したのは、禁門の変の直後。長州が惨敗し、公武合体派の薩摩や会津の執拗な追及から逃れることが目的だったという。禁門で敗れた長州はいわば満身創痍の姿。そして敗走するこの時の小五郎もまたみじめな姿だ。小五郎の人生は長州の運命と一体であるかのようだ。

    そして、犬猿の仲であった薩長が、坂本龍馬の仲介で、大どんでん返しともいえる薩長同盟を成立。そして四境戦争における巨大幕府軍の撃破。信じられないような展開で、倒幕の機運は大波のうねりと化し、再び長州の時代が再来、そして後半は大政奉還後の官僚としての木戸孝允の奮闘ぶりが描かれていた。

    一つの時代が終わり、新しい時代が生まれる。・・・というよりも、この革命は、むしろ一つの時代を壊し、新しい時代を創出するという巨大なスクラップ&ビルトだ。スクラップの対象が巨大であればあるほど、その困難も大きく、また全く新しいものを創り上げるがゆえの困難も想像以上のものだった。

    桂小五郎はそのスクラップの中心で戦い、木戸孝允はそのビルトの中心で戦った偉大な一人であると言えると思う。

    よい本でした。

  • 2018/11/13読了。

  • 幕府との戦争開幕~大政奉還~木戸さんが参議として明治政府で活躍~最期はなかば干されたような状態で病没するまでを書いている

    ・坂本竜馬の助けを借りて薩長同盟を結び倒幕の道を一直線!と思いきや、竜馬の『船中八策』案と薩土連盟により幕府を生かす方針に→木戸さんだまされすぎ。薩摩に騙されすぎ。禁門の変、攘夷戦、内訌戦、対幕戦と長州藩ばかり犠牲を払って、そりゃ西郷に向かって文句のひとつでも言いたくなるわ。

    ・戊辰の動乱はじまるころ木戸さん体調をくずしがちになる。司馬小説にいうところの「木戸の憂鬱症」が出てきはじめる。一方精力的に活動してまわる大久保一蔵(利通)さあ、木戸大久保の確執のはじまりですよ(^^)たのしみですね!!!!

    ・五箇条の御誓文を起草する場面は木戸さんの生涯の中でも最も輝いていた場面の一つですね!大久保さんまったく乗り気じゃなかったけどな。

    ・大久保利通が天皇に初めて謁見をゆるされ拝謁の機会にめぐまれる、木戸はそれを見て嫉妬?し辞職騒動。大久保は岩倉にかけあって木戸の辞意をなんとかひきとめようとする。木戸は大久保が総裁局顧問に戻るなら自分も辞意をひるがえすつもりだと述べる。以下、大久保の日記。
    「(木戸が)顧問、徴士、御断り申し出で、岩倉卿より段々御説得相成り候処、色々申し立て候て、つまる処一人にては大任に耐へず候間、小子へ顧問仰せ付けられ度く、左候はば共に尽力仕るべしとのことにて・・・・・」
    一蔵は、しぶしぶといった面持ちで、再び孝允とともに総裁局顧問となる。

    ・版籍奉還したくて仕方がない木戸さん、大久保はいちおう承諾したがあまり気乗りしない様子
    その日の木戸さんの日記ではしきりに「遺憾」を発している。
    「此の日、大久保一蔵に秘密事を談ず。彼一諾尽力すといふ。余久しく心に期して施す能はず遺憾なり。・・・大久保と雖も未だ奥意を語る能はず、只表面の条理のみにして止めたり。実に今日の遺憾なり。」

    ・米欧回覧=“団体赤ゲット紀行”

    ・伊藤博文の「日の丸演説」
    「我が国旗の中央に点じた赤い丸型が、・・・その本来の意匠である昇る朝日の尊厳を現す徽章となり、世界における文明諸国の間に伍して、前方に、かつ上方に動かんとしている」

    ・木戸さん45歳にして没す。

  • と言っても下巻は木戸さんになってからがメイン。
    著者自身が「木戸時代になってからは魅力失せる」思いを抱いているのですが、内容は木戸さんに同情的。

  • 明治編は、あっっという間ですなぁ・・・

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著者プロフィール

作家

「2017年 『西郷隆盛 英雄と逆賊 歴史小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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