- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167360047
感想・レビュー・書評
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◆ 当事者が開戦~敗戦までを4人の軍令部総長を通して語る。
・海軍次官沢本頼雄中将手記「国家を第二とし、陸軍のみ、海軍のみを思う小乗的意見を第一とする気風が旺盛であった。これは軍部だけでなく、各省、各部にも広がっていたようだ」
・戦争しないなら軍事費ソックリおれによこせと陸軍に言われるのが困るということ。
・終戦直前の豊田軍令部総長「陸軍と歩調を合わせて、ポツダム宣言受諾に反対したのは、海軍部内の状況、陸海軍の関係、つまりは内乱を起こさずにうまくやるために、あえて強い言葉でカモフラージュして、鋭鋒をそらすことに苦心していたからである」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大日本帝国海軍の4人の軍令部総長(永野修身、嶋田繁太郎、及川古志郎、豊田副武)を通して大東亜戦争を概観しながら、軍令部の組織的宿痾を検証。
永野の前任者である伏見宮博恭王は、その在任期間が9年と圧倒的に長く、影響力は多大だが、皇族であることを考慮してか、本書では論じられていない。
日露戦争の黄海海戦で露西亜海軍が司令官を失い、その命令権の継承が速やかに行なわれずに帝国海軍に敗北した事を教訓として、帝国海軍では「先任順序」を厳守した。確かにそれは戦場に於いては重要事項ではあるが、それを人事(即ち軍政、軍略に大きく影響)レベルにまで徹底した事は、硬直化した組織を生み出してしまったのかもしれない。 -
4167360047 330p 1991・8・10 1刷