天翔ける女(ひと) (文春文庫 し-5-1)

  • 文藝春秋 (1986年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167370015

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  • 高浜寛「ニュクスの角灯」に出てきた大浦お慶に興味を持ち、手に取った一冊。幕末から明治にかけて、日本茶貿易で巨万の富を築きつつ、幕末の志士たちを支援し、最後は没落した、と。女だからと低くみられる中、日本茶に商機をかぎとり、見つかれば死罪なのをものともせず、上海に渡り、商売の見分を広め、近日日英貿易が許可されると賭けて、イギリス人からの超大口取引のために、日本茶集めに奔走。賭けに勝ち、巨万の富を得て、陸奥宗光、坂本龍馬、松方正義らとも交流を持ち、長崎くんちの傘鉾町人に推されるまでに。しかし、お慶の扱う黒茶は世界的に需要減。緑茶が優勢となるが、潮目を読み間違え、商売は先細り。そこへ大型詐欺にあい、保証人として莫大な借財を負い、高官となったかつての志士たちの力添えで、返済額こそ大きく減免してもらうものの、一気に信用を失う。晩年は不遇であったが、意気なお軒昂でありつつも亡くなる…と。才覚ひとつでのしあがり絶頂期を迎えるが、潮目を読み違えて没落するところ、気前よく散財していたため逆境で踏ん張り切れなかったところが、ナツコ密貿易の女王に似た読後感。「ニュクスの角灯」は晩年のあまり語られない部分の大浦お慶に、想像力で活躍の場をあたえたことを再認識。それにしても、痛快、そして哀切な読後感。

  •  読み出したらやめられない。ストーリー、背景描写ともに申し分ない。

  • こんなことを言っては作家に失礼かもしれないが、ごく普通のレベルの娯楽小説、通勤中に手軽に読むのに最適。
    当方が単に知らないというだけだろうが、目新しい題材=女商人の物語が幕末を背景に展開される。
    ただ解説に違和感あり、経済歴史小説ということらしい。
    言われてみればそのとおりだが、サラリーパーソン親父好みということかな?
    何でも会社員親父どもは自分の世界に引き込むからなぁ。
    すいません、同作品とはまったく関係のない話です。

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著者プロフィール

白石一郎(しらいし いちろう)
1931年11月9日 - 2004年9月20日
釜山の生まれの作家。終戦までは釜山、戦後は佐世保市で育った。長崎県立佐世保北高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。双子の息子がおり、白石一文・白石文郎両名ともに作家となった。
1987年『海狼伝』で第97回直木賞、1992年『戦鬼たちの海—織田水軍の将・九鬼嘉隆』で第5回柴田錬三郎賞、1999年『怒濤のごとく』で第33回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。

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