風雲児 下 (文春文庫 し 5-19)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167370190

感想・レビュー・書評

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  • 山田長政もそうなろうと思って強い意志をもって自分で道を切り開いたというよりは、たまたまそういうチャンスがあったので人に誘われて乗っていくうちに人格や能力が地位や役割にはまっていったというかんじ。

    そうした後にああいう結末を得たというのはどういうことなのだろうかな。

  • 江戸時代、タイにわたり身を上げた伝説の駕籠かき・山田長政の物語、後半。
    タイ史に明るくないため、どこまでが史実とされることでどこからが筆者の想像力によるものなのか判断つきかねるが、恐らく大半は 作者の想像力の産物なのではないかと思われる。
    作中では我欲のない長政が魑魅魍魎が巣食う王宮の権力闘争に巻き込まれていったかのように描かれているが、公式な記録が残っていると思われる部分のみから推量すると、むしろ積極的に謀略・権力闘争を繰り広げて最後は敗れたのではないかと思う。
    その真偽はとりあえず置いておいて、筆者の紡ぐ物語はダイナミックで壮大であり、絢爛なアユタヤの文化、象を用いた迫力溢れる戦闘など当時の空気を肌で感じて、ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまった。
    先日アユタヤに行ったばかりなんだけど、事前に本書を読んでいけば一層楽しめただろうなぁとちょっと後悔しました。
    アユタヤを訪れる予定がある人がいたら、出発前に読んでいかれることをオススメします。
    満足な一冊(^ω^)

  • 上下巻。山田長政の半生で、なかなか面白い。白石さんは歴史の脇道?を題材にするのが好きなのかな。それでも戦国、徳川との絡みは興味深い。場面も日本から台湾、シャムとエピソードも豊かだけど・・人物像は単純過ぎて、情緒面ではだんだんと物足りなくなる。利用されて誤解から暗殺みたいになるけど、視点をずらせば当然の結果。それにしても、歴史に国外事情というのは重要な要素です。

  • シャムに渡ってアユタヤの日本人町の頭領となった山田長政は
    内戦の鎮圧が国王に認められて、宮廷の武将としての頂点に立った。
    寛永6(1629)年、リゴール国王となったが、
    翌年、毒薬で非業の死を遂げる。江戸時代、海を渡って
    異国で41年の波乱万丈の生涯を終えた日本人、山田長政の夢と冒険を
    描いた渾身の歴史長編。

    2008 10 1 読了!

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著者プロフィール

白石一郎(しらいし いちろう)
1931年11月9日 - 2004年9月20日
釜山の生まれの作家。終戦までは釜山、戦後は佐世保市で育った。長崎県立佐世保北高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。双子の息子がおり、白石一文・白石文郎両名ともに作家となった。
1987年『海狼伝』で第97回直木賞、1992年『戦鬼たちの海—織田水軍の将・九鬼嘉隆』で第5回柴田錬三郎賞、1999年『怒濤のごとく』で第33回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。

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