非運の果て (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2011年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167371036

みんなの感想まとめ

時代小説の短編集で、深いテーマと独特の魅力を持つ作品です。敵討ちに赴く者たちの数十年にわたる放浪や、女性を主人公に据えた物語が展開され、読者はその奥深い人間ドラマに引き込まれます。武士道の理不尽さや残...

感想・レビュー・書評

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  • 時代小説の短編集なのだが、すごくいい。敵討ちに出た者たちが、数十年と諸国を放浪する話とか、ああそうなんだと思ったし、女性を主人公にしたお話も趣があって読み応えがあった。作者の滝口康彦は2007年に亡くなっており、もっと早くに出会いたかったが、そこそこ作品は残っているようなので、おいおい手にできればいいなあ。

  • こちらに収められている「下野さまの母」という作品がとても好き。

    母の愛と身分制度の皮肉がテーマなのかなぁ。
    対馬藩の跡継ぎの若様が急死。幕府への届出のしかたでいろいろともめて、亡くなった若様の腹違いの弟2人が一個ずつずれて、一番下の弟が亡くなったこととして届出が為されます。

    とりあえず死んだことにされた子の母上はそれ相応に仏門に入らされて、以降、実子とは実の母子として接することが許されません。やがてその実子も病で亡くなるのですが、臨終に際してその母上はやはり実の母として看取ることは許されずに、母子互いに最期までこの茶番を演じきるのです。

    その場面が壮絶に悲しいのにあくまでも文体は淡々としています。武家社会の理不尽さと滑稽さと凄みが全部詰まっていて、じんわり泣けてしまう。

  • 「一命」を読んで滝口康彦を知り、続けて本書を読了。本心をあざむいて偽りの心に生きること。それが侍の道なのか。形にこだわり命を犠牲にする。武士道とはなんと理不尽で残酷なものか。

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著者プロフィール

1924年長崎県生まれ。57年「高柳父子」でデビュー。58年「異聞浪人記」でサンデー毎日大衆文芸賞、59年「綾尾内記覚書」でオール讀物新人賞を受賞。佐賀県を拠点に士道小説を書き続けた。2004年逝去。

「2020年 『異聞浪人記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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