私生活 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1986年12月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784167372033

感想・レビュー・書評

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  • 1歳の息子が図書館で持ってきたので、事前情報なしに読み始めたら、短編集で息子の昼寝の合間に区切りよく読むことができた。

    それぞれの話は決して長くはないのに、登場人物の背景やプロフィールがさりげなく把握できるようになっているのがすごい。そうした上で語られるのは、人間の愚かさや、年を取っていくことの儚さ、衰えへの不安、夫婦関係の何とも言えない心の機微など、現代にも通ずる普遍的なテーマばかり。

    話のオチとなる部分は本当に終わりに来るので、それぞれ読み終わるたびに絶妙な読後感を得られた。期待していなかったが、わりとおもしろかった。

  • 短篇集。「もう一人の女」が良かった。

  • 表紙の通りの純文学短編集。

    道端で酔っ払って、ホステス風の女性に絡んだ挙げ句、罵られて突き放されていたのは、3件となりに住む男性だった。普段は物静かな紳士が?と思ったが、電車に乗って家に向かう中、彼は普段の紳士に戻っていく。

    現代が舞台の純文学の短編集なので、普段の生活の中にふと生じた事象をきっかけに何かを書いていくというところだが、各短編自体が短すぎるのもあり、あれ?といううちに終わってしまう作品が多い。

    一方で、純文学に多い、主人公の思考をこねくり回したり、余計な装飾表現で文章をこねくり回したりということはほとんど無く、むしろ無駄を一切合切削ったというような朴訥とした文章には好感が持てる。

    ただなあ、それぞれにもう一つを望んでしまうんだよね。「釣り場」でのようなもの。個々の話や行動は地味であっても、最後に怖いとかほんわかするとか、そういうなにか残るものは少なかったのだな。

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著者プロフィール

1928年東京生まれ。小説家・放送作家・エッセイスト。NHKで放送台本を手がけた後、都会的なタッチの小説・エッセイを発表。1983年『私生活』で直木賞受賞。主な著書に『洋食セーヌ軒』(光文社文庫)、『私生活』(文春文庫)、『ブラックバス』(文春文庫)、『たたずまいの研究』(中公文庫)ほか多数。1994年死去。

「2016年 『神吉拓郎傑作選2 食と暮らし編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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