自来也小町 宝引の辰捕者帳 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1997年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167378097

みんなの感想まとめ

静かに物語が進む中で、独特の語り口が心地よい読書体験を提供します。シリーズを通じて、毎回異なる主人公の視点から描かれることで、江戸の多様な職業や生活が鮮明に浮かび上がります。物語は巧妙に伏線を張り巡ら...

感想・レビュー・書評

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  • 静かに物語が進んでいくといった印象。
    語り口がやわらかいからそんなことを感じるのか。
    謎解きは非常に泡坂的で端正。
    伏線を綺麗に張って、きっちり落としてくれる。
    とても楽しめた。

  • 表題ほか6作品。夜光亭の一夜について、必ず解説をご覧いただきたい。

  • 宝引の辰シリーズは2作目だが、1作目に比べるとどんどんと面白みが増してきた。

    と、言うのは作者が腕を上げたのではなく、シリーズを通して一貫している物語の作り方が読むツボに入ってきたから。

    まず、主人公が毎回変わること。主人公の視線のですます調で書かれた文章なので、主人公が見たこと感じたことがストーリとなる。そのため、今までの時代小説に無かった色々な職業の人の視線で江戸という街を見ることが体感できるのが大変楽しい。タイトルの宝引の辰が脇役ながら物語を〆る気持ち良い切れ味をみせる。

  • どこから読んでも楽しめる本なんだけど、今回の中の「夜光亭の一夜」という一編には、「夜光亭浮城」という女性の手妻師が出てくるんだけど、泡坂ファンならあれ?と思うこの名前。この女性、後に曾我佳一郎という人の妻となるという…そう、その名前から想像するのは作者のシリーズ物のヒロインのご先祖にあたるのでは?とか考えたりして。こんなところにもお遊びが隠されているのは作者がやはりマジシャンであることと無関係ではないと思う。

    解説読んでまた納得したんだけど、一昨日の本もこの本も、語り手が話ごとに違っている。語り手が辰の下っ引きだったり事件に巻き込まれる容疑者だったり目撃者だったり。その視点を変えることによって、各々の得意分野とでも言うべきか、「江戸の情緒」のようなものがよりいっそう伝わってくるような気がするのだ。いや〜やっぱりいいわ

  • 前作『鬼女の鱗』の印象が悪かったせいか、今回も同様の危惧を抱いていたが、意外にも読めた。
    1つは前回は日本の情緒を過大に期待していたような姿勢があり、肩透かしを食らった感じが強かった事。もう1つは専門的な知識に翻弄された事。
    しかし今回は免疫が出来たのか、すんなり物語世界に入る事が出来た。
    そして気付いたのは簡素な文体に宝引の辰の優しさが見え隠れすること。また江戸町人の日々を生きる逞しさが存分に描かれている事。やはり泡坂妻夫は粋な作家だ。

  • (収録作品)自来也小町/忍び半弓/夜光亭の一夜/旅差道中/謡幽霊/毒を食らわば/雪の大菊

  • 「夜光亭の一夜」に夜光亭浮城なる女手妻師が登場。長崎丸山の遊女とおらんだ医師のあいだにできた子で、のちに曽我佳一郎という旗本に見染められ正室に迎えられたとの記述あり。

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著者プロフィール

泡坂妻夫(あわさか つまお)
1933~2009年。小説家・奇術師。代表作に「亜愛一郎シリーズ」など。『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞。『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞。『蔭桔梗』で第103回直木賞。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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