真珠夫人 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 422
レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167410049

作品紹介・あらすじ

真珠のように美しく気高い、男爵の娘・瑠璃子は、子爵の息子・直也と潔い交際をしていた。が、家の借金と名誉のため、成金である勝平の妻に。体を許さぬうちに勝平も死に、未亡人となった瑠璃子。サロンに集う男たちを弄び、孔雀のように嫣然と微笑む妖婦と化した彼女の心の内とは。話題騒然のTVドラマの原作。

感想・レビュー・書評

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  • はじめて読んだ、菊池寛氏の作品。妻がなぜかブックオフで手当てり次第に買ってきた。

    文の作り方が、非常に上手である。さすが、としか言いようがない。特筆すべきは、読点の打ち方である。ここしかない、というところにすっと打たれており、文が少々長くなっても、内容が1度で必ず理解できた。新聞小説でこのクオリティーは、他の追随を許さないだろう。

    私は何冊かの本を同時に読むのが好きで、この本は主に歯磨きのお供の本だった。そのため一日に数ページしか読み進められないことも多かったが、ストーリーを一度も忘れなかったのは、文の一つ一つが引き締まっていたためだと思われる。

    ストーリーは、まぁ大正時代の女性観がよくわかるな、ぐらいのもの。

  • 当時の新聞連載だけあって、とにかく引き込まれる展開、そして速度(勢い)。
    明治の煌びやかな雰囲気と、そして真珠夫人の影と孤独が対比してとても美しい作品だと思った。
    一つの事実をどう捉えるか、誰が見るのか、その視点によってこんなにも印象が変わるのか、と気付かされる作品。
    個人的には「ドガ」と「ゴヤ」のミスも、当時ならではと思って楽しくなった。

  • 分厚い文庫本だけど、スラスラ読めた。
    瑠璃子はすごい女性だなとは思うけど、やっぱり世間知らずなお嬢さんなんだな〜と思わずにはいられない。

    元々は瑠璃子と恋人の直哉が招かれたパーティで、主催者である荘田を貶したことが発端なのに…。
    瑠璃子の父親もなんだかな〜ってかんじの人だから、あんまり感情移入できなかった。
    どちらかというと荘田の気持ちがよくわかるかな。やり方は汚いし嫌いだけど。

    美奈子の気持ちはすごく理解できた。

  • 大正9年に新聞に連載され、その後新潮社から出版されたものの、現在は全集でしか読むことが出来なかったらしい。それが昼ドラマのヒットで文庫本化となったようだ。
    ある園遊会の場で成金オヤジの荘田に睨まれた美しく聡明な瑠璃子と恋人の直也は、荘田の金に物を言わせた謀略によって引き裂かれてしまう。瑠璃子はあえて荘田の妻となり、復讐することを誓う。
    と、これだけでもすでにドロドロ加減が伝わると思うが、この引き込まれるようなドラマ性は本当にすごい。瑠璃子は妖婦か否か、誰かと論議を戦わせて見たいものだ。

  • リズム良く、グイグイと引き込まれるストーリー。キャラ設定が萌える。父を踏襲した、瑠璃子。母であり、姉であり、最後には夫をも彷彿とさせる、美奈子への愛。名前のように、色々な青を着こなすファッションセンス。瑠璃子がただただ美しい。

  • とりあえず感動します。直也!!

  • 物語の中でハラハラドキドキさせる展開は良かったと思いますが、作者が意図して通俗小説として書いている事が分かるぐらいに文章は淡々としています。少し物足りないぐらいです。それは多分、昼ドラが流行った時代に私が昼ドラを見過ぎていたので、物語としては慣れてしまっていたからじゃないでしょうか。
     語り手の渥美氏が青木稔の殺人を促してしまう様な構成だとは思わなかったので、そこは意外でしたが冷静に考えると悲劇的な要素はそこで埋まったという感じです。上品に語句や話し手の言葉を使える作者だと思いました。

  • 2014.08.31 菊池寛『恩讐の彼方に』を検索していて見つける。

  • 運命に翻弄され周囲を翻弄した一人の女性の人生を描いた良作。昼ドラ的なドロドロした愛憎劇を想像していたが全くそんなことはなかった。妖婦と呼ばれ男を誑かす瑠璃子は、実際のところ初恋の男への操を守り養女に対し惜しみない愛を注ぐ一人の女性であった。その功罪を周囲の視点を交えながら上手く描いている。

  • 自分と恋人がある成金男性を侮辱したことで生活をめちゃくちゃにされ、その男性ひいては社会に対して復讐をする話。
    法に背かない範囲で父までも追い詰めた相手に敢えて嫁ぐことにより精神的な苦痛を与え復讐をしようと考えるが、相手はあっけなく死んでしまう。
    いつのまにか矛先は、男は女を弄んでも良いけど逆はダメ、な社会に対して、自分が男を弄ぶことによって意見するようになるのだが、最終的には恨みを買って悲劇が起こる。
    それぞれがなんだか幼く、意地にこだわってみたり我を押し通してみたりが絡まり合って最後はひどい結末。

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