無憂華夫人 (文春文庫 き 4-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167410063

感想・レビュー・書評

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  • 私的(「わたしてき」ではなく「してき」ですよ)にキャンペーンをはっている。
    国文学史の教科書にのっている近代の作家で私が読み漏らしたものを拾って読みついでおこうと。一応、超有名どころは読んでいるのであるが。(例えば夏目漱石とか芥川龍之介、森鴎外、島崎藤村などなど)

    TVで「真珠夫人」をドラマ化したお陰か、菊池寛の文庫が出てきているので「無憂華(むゆうげ)夫人」を読んだ。菊池寛は古本の短編集を10数年前に読んで、こんなに面白かったのかと目を開かされていた。「恩讐の彼方に」「忠直卿行状記」など味わい深かった。

    大衆小説というけれどこの「無憂華夫人」もなかなかのもの。

    「ロミオとジュリエット」を彷彿させる悲恋。明治時代の後期にといえども、それぞれの家がかたき同士の怨念のために、好きになっても結婚は許されなかった松平綾子と松平康貞。不本意な結婚をさせられた綾子は叶わなかった恋を和歌の世界に託して、異国にいってしまった心の恋人に思わしめる。康貞は異国にて、歌人として名声を現した心の恋人の歌集を集めて、読みふけり心に響かせていたのであった。(モデルは九条武子とやら)

    あまりにもロマンティックで泣いてしまった。なんて、私も「冬のソナタ」してしまったかも。
    日本にも昔、こんな純愛の小説があったのだ。流行ったのだ。

    菊池寛氏はストーリーテーラーとしてメリハリの利いた上手な作家であると改めて思う。「貞操問答」(文春文庫)も是非読みたい。

  • 熱海で出会った彼とは一緒になれず、姉の弟と結婚したものの、好きになれず、でも好きになろうとする。でもやっぱり彼がいい・・・。と。
    スイッチ入った人しか人間って受付ないですよね(笑)
    最後がえ?!終わり?!という感じが残念。。。ヽ(;▽;)ノ

  • 思いがけずときめいた。一時の恋のあとの、年月を経た再会がたまりません。夫も切ない。愛のテーマは不変だなあ。

  • 日本版ロミジュリ。

    段々主人公が鼻についてきて読んでてイライラしてしもうた。なんかイマイチだった。

  • うーん
    純愛?貫くのはいいんだけど、なんつーかわがままだなぁ。
    美しい人はわがままでも許されるのかしら?

  • 100805(m 101017)

  •  真珠夫人に続く?菊池寛の夫人モノその2。でも、面白くないです。途中まではすごいよかったのだけど、何なのこの終わり方……事実に取材したからとはいえ、これはないよな。うん。つまんない。読まなくていいと思う(笑)

  • Mhの紹介で初めて菊池作品を読みました。とても読みやすい作品でした。

  • 最終章に落胆。
    まるでトイレに行きたいから早めに切り上げた みたいな終わり方ではないか。作者である菊池寛は当時「真珠夫人」がヒットしてひっぱりだこになったもんだから類似題名のこの本では手を抜いたんじゃないのか。中盤までは、当時の華族の家柄というものがどんなに頑丈な鎖でもってその家に生まれたものを束縛してきたのか、また、恭順するようでいて二人がいかに熱烈に想い合っていたかの場景が迫力を伴って伝わり、それに対して多少の憐憫と憧憬をもっていたのに。
    それまで一気に読んでいたのに見事な拍子抜けであった。

  • 無憂華ですよ無憂華。

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著者プロフィール

1888年生まれ、1948年没。小説家、劇作家、ジャーナリスト。実業家としても文藝春秋社を興し、芥川賞、直木賞、菊池寛賞の創設に携わる。戯曲『父帰る』が舞台化をきっかけに絶賛され、本作は菊池を代表する作品となった。その後、面白さと平易さを重視した新聞小説『真珠夫人』などが成功をおさめる一方、鋭いジャーナリスト感覚から「文藝春秋」を創刊。文芸家協会会長等を務め、文壇の大御所と呼ばれた。

「2023年 『芥川龍之介・菊池寛共訳 完全版 アリス物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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