誰が国賊か 今,「エリートの罪」を裁くとき (文春文庫 た-17-5)
- 文藝春秋 (2000年6月9日発売)
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感想 : 4件
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167411053
みんなの感想まとめ
この書籍は、官僚主義やエリート社会の問題を深く掘り下げ、歴史的背景をもとにその成り立ちを解明する対談集です。著者たちは、戦後の日本における無責任社会の形成や、エリートの罪を厳しく批判しながら、明治以降...
感想・レビュー・書評
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東西に分かれて専攻も違う(国文学と英語学)二人の泰斗は思想も年齢も近く、出会うべくして出会った。その対談がこちら。
銀行の貸し出し総量規制をかけて平成不況をつくった土田銀行局長や、多くの人材を無謀な作戦で見殺しにして戦後は出世を謳歌した破廉恥漢、伊地知など実名で批難。(世渡りだけはうまいコウモリ男、辻正信や明治天皇の崩御とともに腹を切った乃木希典も出てくる)
藩閥から能力主義に人材登用を改めた山本権兵衛の英断にも触れる。
大戦前の日本は、ナチスドイツやスターリンのソ連同様、自由が制限された社会主義だった、という指摘は大切。
日本人が無責任で破廉恥を恥じなくなった遠因は、先の戦争で命を懸けて戦った英霊たちを偲び尊敬しなくなったこと、名誉と体を張って日本に尽くした戦死者を無駄死扱いすれば、誰も火中の栗を拾い自ら責任を取ろうとしなくなる。現在の無責任社会を変えるためには、職務上の過失で官僚(公務員)の罪を問えるようにしなければならない。
そして、韓国との付き合いは「水のごとし」がいい、北朝鮮体制が瓦解して難民がやってくれば、韓国に送り届けようなど1996年時点ながら今も傾聴に値する対談内容です。長谷川慶太郎と米長邦雄の推薦文もよい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なぜバブル崩壊に至ったのか。日本経済の舵取りはどこで誤ったのか。土田正顕〈つちだ・まさあき〉を始めとする大蔵官僚の罪に迫る。私は住専問題について数百人の前でレクチャーしたこともあって当時のことはよく憶えている。総量規制の通達が出てから、わずか1~2ヶ月で日本の不動産価値は660兆円下がり、15年後には1200兆円も下落(櫻川昌哉、櫻川幸恵)した。
https://sessendo.blogspot.com/2020/01/blog-post_17.html -
単に官僚組織や日本のエリート主義を批判するだけではなく、このような構造を生み出した原因と経緯を明治政府以降の歴史事実を踏まえて解明した一書。
エリート主義を解明する過程における歴史エピソードの数々も非常に上質な話が幾つもあり、目が離せない対談であった。
平成恐慌を生み出した官僚の暴走から、資本主義の形成、明治政府の変革の実態など単にエリート官僚批判に留まらない素晴らしい内容でした。
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